ゆずの木の育て方、ゆずの挿し木や接木での増やし方、ゆずの木の剪定時期と方法

ゆずの木の育て方、剪定の仕方を紹介します。

「桃栗三年柿八年、柚子の大馬鹿十八年」という言葉がありますが、ゆずの木は接木苗から育てて、枝を誘引したり、剪定することで、そんなに待たず、早ければ3年目から実をならせることが出来ます。

また、ゆずの木は大きくなれば毎年たくさんの実がなります。

ゆずは香味果実としてその果皮を料理の薬味として古くから利用されてきました。

ゆずは果皮だけでなくその果肉や果汁、種の周りのゼリー質にも体によい成分が含まれています。

ゆずの木は鉢植えでも庭植えでも育てることができるので、家庭果樹におすすめです。

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目次

ゆずの木の育て方①ゆずの特性

ゆずの木は柑橘類の中では特に耐寒性が強く、そうか病やかいよう病への耐性があるため無農薬で育てることができます。

ゆずの木の苗の植え付け適期は3〜4月で、花は初夏、5〜6月頃に咲きます。

ゆずの実の収穫は冬になります。

ゆずの木は実生、種から育てると実がなるまでにとても時間がかかります。

そのため、ゆずを育てる時にはからたちの台木にゆずの枝を接木した接木苗から育てるのがおすすめです。

接木苗は自分で作ることもできますので、この記事の中でもゆずの木の接木の方法を紹介します。

植物を育てることに慣れていない方は園芸店でゆずの接木苗を買って育てれば大丈夫です。

売られている苗はほぼほぼ接木苗ですので安心して育てることができます。

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ゆずの木の育て方②鉢植えの土

ゆずの木を植え付けるための土を用意します。

水はけがよければあまり土を選びません。

鉢植えなら一般的な果樹用の土や、自分で用意するなら赤玉土7、腐葉土3の割合で混ぜた土を配合します。

庭植えの場合は植える場所の土をよく掘り返し、腐葉土を適宜すき込んでふっかりさせておきます。

直接根に当たらないように元肥を底土の上に入れて、上から用土を被せてから苗を植え付けます。

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ゆずの木の育て方③苗の植え付け

ゆずの苗を植え付ける場合はポットから植え替える前日にたっぷり水をやっておきます。

ゆずの苗を鉢から苗を抜き取り、根鉢を崩さないように古い根や、長すぎる根をそっと取り除きます。

根鉢が回っているようなら、外側の古く固まっている土と根を軽くほぐしたり、ほぐせないほど硬いときは刃物を使って薄く削ぎ取って新しい根が出るようにします。

根の手入れをしたゆずの苗を鉢(庭植えの場合は植え穴)の中央に置き、周囲に用土を詰めていきます。

鉢の縁を叩いて土をしっかり底まで沈めゆずの苗がぐらつかないようにします。

鉢の縁まで土を詰めたら割り箸などで周囲を突いてしっかり新しい土を締めて馴染ませます。

庭植えの場合はゆずの木の苗がしっかり根付くまで、苗が動かないよう支柱を立てて固定します。

鉢植えの場合も必要なら支柱を利用します。

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ゆずの木の育て方④ゆずの木の水やり

ゆずの木の苗は根付くまでは特に根を乾燥させてはいけません。

鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと水をやります。

庭植えの場合は鉢植えより水やりの頻度は少なくて大丈夫ですが、最初の1ヶ月は1週間に1回は水やりします。

新しい芽が育ち始めてからさらに1ヶ月くらいは注意深く様子を見て水やりをすることが必要です。

ゆずの木の苗が根付いた後は庭植えならほとんど水やりは必要ありません。

夏場、雨が降らなず乾燥が気になるときだけ水やりすれば十分です。

鉢植えは鉢の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。

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ゆずの木の育て方⑤肥料

ゆずの木の肥料は庭植えなら春と秋の2回、鉢植えは水やりで肥料成分が流れてしまうので春先の芽吹きの時期、花の咲く6月、果実が充実する秋10月の3回、追肥をします。

肥料は発酵油かすの置き肥や、緩効性肥料を与えます。

週に1回は水やりの代わりに液肥をやるとよいでしょう。

肥料はやりすぎると枝葉ばかりが繁って実つきが悪くなりますので、窒素肥料は少なめ、リン酸、カリ成分の比率が多めのものを選ぶのがおすすめです。

 

ゆずの木の育て方⑥摘果で翌年「ゆずの実がならない」を防ぐ

ゆずの木は放っておくとたくさん実がなりますが、ゆずの木の大きさに対して実を多くつけすぎると翌年実がならない隔年結果を招いたり、ゆずの木がまだ若いうちは負担が大きく木が弱ってしまいます。

特にゆずの木が小さいうちは枯れてしまうこともありますので、植え付け後の2〜3年は特に実をならせすぎないようにします。

ゆずの花後に実が徐々に大きくなり始めます。

整理落下もありますので、様子を見ながら8月頃、青い実を摘果して実の数を調節します。

ゆずの木の葉の枚数が多いほど実を多く残すことができます。

目安は20枚の葉にゆずの実を1個です。

早めにとった青い未熟果は青柚として利用します。

果皮をすり下ろして利用したり、ある程度大きくなってから摘み取ったものなら果汁も絞って利用できます。

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ゆずの木の育て方⑦枝の誘引

ゆずの木をはじめとする柑橘類の木は、苗が大きくなるにつれて、成長期にまっすぐ上に伸びる強い枝が何本もでます。

これが、伸びるとその枝は樹勢が強すぎて実がつきにくくなります。

このような上に伸びるゆずの枝は支柱や紐を使って開帳型の樹形になるよう外に開くよう横に誘引します。

こうすると枝の樹勢を弱めることができるのと同時に、ゆずの木の中心にもよく日が当たり実つきがよくなります。

ゆずの木の育て方⑥で紹介した摘果と合わせて毎年ゆずの実がしっかりなる木を育てていきます。

 

ゆずの木の育て方⑧ゆずの木の剪定の方法

ゆずの木は苗が小さいうちはあまり剪定せず、苗を育てます。

4〜5年目から徐々に混み合った枝を整理して、日当たり、風通しを良くして実つきがよくなるように剪定をします。

ゆずの木の剪定に適した時期は3月から4月の上旬にかけてです。

前年に実がなった枝と、春に育ち始めた枝がおり混ざってバランスが良い状態にします。

葉数に応じたゆずの実を付けさせるため、あまり強い剪定はしません。

ゆずの木の中央にもしっかり日が当たるように混み合った枝を透かすように枝を選んで剪定します。

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ゆずの木の育て方⑨ゆずの木の増やし方、接木

ゆずの木の増やし方は、難しくはありませんが、苗が大きくなるまで少し時間がかかります。

種まきしてそのまま育てると実がなるまでに15年〜20年と、とても時間がかかります。

そのため、丈夫なからたちの台木にゆずの枝を接木して、接木苗を育てます。

こうすることで3年目くらいから少しずつゆずの実を収穫することができます。

ゆずの木の接木のやり方は文章で説明するのは少し難しいのですが、なるべく伝わるように書きます。

もし分かりにくかったら、ネットで他の情報もいくつか探してみてください。

複数の情報に触れることで全体像が掴みやすくなると思います。

ここでは台木と穂木の太さが同じくらいの太さの場合の切り接ぎという方法を紹介します。

ゆずの接木の適期は3月から4月にかけて、ゆずの木の樹液が動き始める頃がむいています。

台木のからたちはは地上5cmくらいのところで幹を水平にカットします。

それから挿し穂を接木する挿し口を作ります。

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接木では、台木と挿し穂がしっかりくっついて台木から挿し穂が栄養をもらえるようにする必要があります。

そのためにはゆずの木の挿し穂と台木のからたち、お互いの形成層をなるべくぴったり合わせる必要があります。

形成層というのは枝や幹の外皮のすぐ下の部分にあります。

台木の切り口の、挿し穂を挿す位置の形成層の少しだけ内側に縦に切り目を2〜3cm入れます。

イメージとしては外皮を剥ぐようなイメージです。

外皮を完全に切り取らずにただ真っ直ぐに刃を入れて割け目を作り、そこにゆずの穂木を差し込みます。

ゆずの穂木の方も形を整える必要があります。

2芽くらいを付けたゆずの挿し穂の切り口は、台木の切り口に差し込みやすいように斜めにカットします。

からたちの台木とゆずの穂木、互いの切り口の形成層が合わさるように穂木を台木の裂け目にしっかり差し込みます。

隙間なくぴったりと差し込めるよう穂木、台木とも切り口の形を調整するのが接木を成功させるコツです。

ゆずの穂木をからたちの台木に差し込んだら、乾燥を防ぐために接木テープをしっかり巻き付けて切り口が乾燥しないように、さらに上から癒合させるための接ろうやパラフィンを塗ります。

しばらくしてゆずの穂木の方の新芽が育ってくれば接木は成功です。

そのまま大切にゆずの接木苗を育てます。

接木テープやパラフィンは無理に剥がさず、ゆずの木が成長して自然に剥がれるまでそのままつけておきます。

愛知県農林水産部農業経営課普及・営農グループが紹介している接木のやり方に図解入りの説明があります。

挿し穂や台木の切り方の参考にされてみるとよいかもしれません。

接木をされる方は少しでもよく活着するよう工夫されていたりしますので、あくまで参考に。

 

つくっちゃおう【果樹の接ぎ木法】

 

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ゆずの木の育て方⑩ゆずの木の増やし方、挿木

ゆずの木は挿木で増やすこともできます。

初心者には接し木よりも、挿し穂だけあればよいし台木や挿し穂の細工も必要ないのでチャレンジしやすいです。

真夏と真冬を除けばゆずの挿し木はできますが、一番成功しやすいゆずの挿し木の適期は6月ごろです。

その年にのびた充実した青い枝で成熟して硬さの出てきたものを挿し穂に利用します。

ゆずの挿し穂は枝の先端ではなく中程のあたりを利用し、15cm程度の長さに切り取ります。

上の方に葉を2枚つけて、蒸散を防ぐために葉先を半分に切り取ります。

下の切り口は斜めに鋭い刃物でカットして、湿らせた赤玉土や鹿沼土など、肥料を含まない用土を入れたポットに挿して土が乾かない程度に水やりします。

ゆずの挿し穂を動かさないように、管理していると、3ヶ月くらいで新芽が動き始めるかと思います。

そのまま春先まで少しずつ液肥や固形肥料を与えながらじっくり育てて、しっかり根が張ってから5〜6号鉢に鉢上げします。

用土は赤玉小粒と腐葉土を6:4か7:3くらいの割合で配合したものでよいと思います。

鉢上げ後、最低でも2年、できれば3年は剪定せず、ゆずの木を育てます。

3〜4年目から徐々にゆずの実を収穫できるようになります。

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ゆずの木は育てやすい健康果樹

 

ゆずの接木作業はは上級者向けです。

ゆずの接木苗は簡単に手に入りますので、ゆずの栽培を気軽に楽しみたい場合はまず苗を購入して育ててみるのがお勧めです。

その後、その親木からとった挿し穂で挿し木や接木を楽しむ、と言うのはいかがでしょう。

とれたての香り、しぼりたてのゆず果汁はフレッシュでとても美味しいです。

寒さにも病気にも強く、放任に近い育て方でもゆずはたくさんの実がなります。

ゆずの皮は苦味がないので、薬味やゆず果汁だけでなく、ジャムや砂糖漬けなどにすれば香り高くとても美味しいですし、お湯で割れば風邪を予防するゆず湯になります。

初夏の白い花も綺麗で香りもよいのでおすすめです。

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