山椒の木の育て方、山椒が枯れる9つの原因、鉢植えは特に注意

山椒の木の育て方、山椒が枯れる原因について9つのポイントを紹介します。

山椒は和食に素晴らしい香りを添えてくれる和製ハーブです。

うなぎの蒲焼きにパラパラと山椒の粉をふったり、たけのことワカメをさっと薄味の出汁で煮た若竹煮には山椒の春の若芽を乗せて、そして山椒の実とじゃこを炊いたちりめん山椒。。。どれもこれぞ日本の味、と言わんばかりの絶品定番メニューです。

さて、その山椒、薬味として利用するならほんの少しあれば十分なので鉢植えで育てておきたいところなのですが、意外と山椒の木の鉢植え栽培が難しく枯れることが意外とあるのをご存知でしょうか?

鉢植えだけでなく地植えの山椒の木でも突然枯れることがあります。

春になると薬味に利用するために山椒が欲しくて小さな山椒の挿し木苗を買うのですが、ちょっとしたことですぐに枯れてしまうんですよね。

幸い山椒の木は半日陰を好む植物ですので、ベランダ菜園などで日当たりの条件があまりよくない場所でも育てることができます。

鉢植えを元気に育てるために、何が山椒の木が枯れる原因になるのかわかりやすくポイントをまとめて紹介します。

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目次

山椒の木について

山椒の木はミカン科サンショウ属の落葉低木で樹高2〜3mになります。

みかんの仲間ですが山椒の木はみかんと違い寒さにも強い性質を持っています。

雌雄異株で雄株と雌株の両方がないと実がならないトゲのある山椒の木と、実生から突然変異で生まれた選抜種でトゲなしで1本でも実がなる朝倉山椒があります。

どちらの山椒の木も同じように利用できますが、山椒の木のトゲは鋭いのでトゲなしの山椒の木の方が手入れしやすい上に1本で実がなりますので、スペースの限られるベランダ菜園には朝倉山椒の方が向いているかもしれません。

山椒の木は葉も花も実も利用することができますが、食用にする以外にも太く成長した枝は古くから「すりこぎ」として利用されており、無駄なところがない植物です。

日本に自生する植物ですので、日本の気候でよく育ちます。

野山や通りがかった住宅街の庭木の根元にこぼれ種から発芽した山椒の小さな苗が顔を出している光景をたまに見かけます。

自分から芽を出して育っているものはおそらくその場があっているのでしょう。

どういう場所で山椒の発芽苗がよく育っているかを観察すると、自分で育てる時の参考になりますから、なんとなくでも探してみることをおすすめします。

大きな山椒の木がある場所の近くならあちこちに種が落ちるので、小苗を見つけるのも簡単です。

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山椒の葉を薬味として利用するなら鉢植え

山椒の木はとてもデリケートな植物です。

山椒の木があまり小さいうちから葉を摘んでしまうと木がダメージを受けますので、挿し木の小さなポット苗などは買って来てすぐに山椒の葉を摘んではいけません。

最低でも少し大きめの7号鉢で育てて鉢サイズに対してバランスよく育ってきてから、葉を少しずつ薬味として利用しましょう。

山椒の葉は主に春の柔らかい若芽を利用します。

この時、内側に向かって伸びる若芽から摘み取って利用すると、内向きに伸びる枝の整理も兼ねることになり、枝が込み合うのを防ぐことができます。

佃煮などを作りたいときには、山椒の木の鉢植えでその量をまかなうことは難しいです。

育てている山椒の木を丸裸にするわけにはいきませんので地植えで大きく育てるか、売っている山椒の葉を入手しましょう。

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山椒の実を採りたいなら地植え

 

 

山椒の実をたくさん収穫したい場合、鉢植え山椒では土が足りません。

庭があって地植えできるなら地植えの方が山椒の木は育てやすいのでおすすめします。

山椒の苗はトゲなしで一本で実がなる朝倉山椒を入手しましょう。

山椒の実は6〜7月のまだ柔らかい旬の実を佃煮やちりめん山椒にすると美味しいです。

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山椒の木の鉢植えはすぐに枯れる?

山椒の木は育てるのがやや難しい植物です。

特に鉢植えの山椒の小苗はちょっとしたことであっという間に枯れてしまいます。

ではそのちょっとしたこととはなんでしょう?

これまでの経験も踏まえ、山椒の木が枯れる実際のポイントについて紹介していきます。

 

山椒の木が枯れるポイント①小苗の葉を摘む

山椒の9cmポット苗のような小さな枝の挿し木苗は金額も安価ですが、苗が小さいのでとても繊細です。

山椒の葉芽が出ているからといって買って来てすぐに葉を摘んではいけません。

山椒の小さな苗はまだ十分に根が育っていないために、ちょっとのことでも影響が出ます。

小さい苗は大きな鉢植えにしてできれば2年待ってから新芽を少しずつ様子を見て収穫しましょう。

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山椒の木が枯れるポイント②日当たりよすぎではダメ

 

 

山椒の木が好んで自生しているのは林の中の木の下の半日陰で、落ち葉などが積もった有機質でふかふかの水気をしっとり含んだ土のある場所です。

これに似た環境を作ってやることが山椒の木を上手に育てるための一つ目のポイントになります。

直射日光は山椒の木には強いので特に鉢植えの場合は日当たりがいい場所よりも軒下などで少しの時間日が当たるような場所で育てる方がいいです。

できれば午前中の太陽の光の方がよく、夏の西日は避けましょう。

上の写真はごくありふれた住宅街の中、自然に育っている山椒の小さな苗です。

こんな風にあまり日も当たらず、他の植物に囲まれた中で山椒が芽を出し育っているのをよく見かけます。

こういう環境が山椒の好きな場所です。

よかれと思って他の植物と同じように日当たりのよい場所に鉢を動かしてしまうと大変なことになる(笑)というのもお分りいただけると思います。

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山椒の木が枯れるポイント③植え替え、移植が苦手

山椒の木は移植が苦手で植え替えると枯れることがあります。

植え替え適期は冬の休眠期です。

山椒の木が落葉しているこの期間中に植え替えるようにします。

買って来た小さな苗を植え替える時は山椒の木の根をなるべく動かさないよう極力根鉢をそのまま維持して新しい鉢に植え替えます。

山椒の木を植え替える鉢の大きさについても注意が必要です。

山椒の木には最低でも7号鉢が必要と言われています。

たとえ鉢植えでも一度植えたらこまめな植え替えはそれだけ山椒の木が枯れるリスクになりますので、当分の間植え替えをしないくらいのつもりで育てましょう。

山椒の木はポット苗でも植え替えをする時に土を落としてしまうとあっさり枯れるか、その後の生育がよくなく、結局しまいに枯れることが多いので注意が必要です。

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山椒の木が枯れるポイント④環境の変化に弱い

山椒の木は移植を嫌うのと同様、環境に変化にも敏感です。

庭植えの場合は動かすことはないでしょうが、山椒の木の鉢植えの置き場所を変える時は突然それまでと違う環境の場所に置くのはよくありません。

なるべく山椒の木が好むような環境に鉢を置いて管理しましょう。

最初に山椒の木の鉢植えを置く場所をよく考えて、なるべく途中で移動しなければならないようなことがない場所を決めましょう。

 

山椒の木が枯れるポイント⑤大敵は水切れ

山椒の木は湿り気のある有機質の多い柔らかい土でよく育ちます。

水切れには弱いので鉢植えで水やりを忘れたり、夏場の高温で土が乾いてしまったり、旅行などで水やりができないのは山椒の木の鉢植えを育てる上での最大のリスクです。

山椒の木は根張りが浅いため特に土が乾くとダメージを受けやすいので、乾燥防止のマルチ資材を鉢土の上に置いたりするのがおススメです。

バークチップや敷き藁、そういったものがなければ腐葉土を乗せておくのでもよいでしょう。

乾燥して葉が全て落ちてしまった山椒の枝ポッキリの姿を見るのは悲しいものです。

そうなる前にしっかり水やり対策をしておきましょう。

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山椒の木が枯れるポイント⑥夏の高温

山椒の木は夏の高温も苦手です。

水切れと密接な関係にあるのですが、山椒はもともと他の木の下の半木陰などの涼しい場所を好む、ということです。

鉢植えの場合、山椒が夏の高温の影響を受けやすく、風の強い日などに熱風で葉が乾燥してちりちりになり枯れ落ちることもあります。

葉だけが落ちるならよいのですが、あまり暑い日が続くと山椒の木自体が弱って枯れることもありますから、特に夏場は日の当たらない場所に山椒の鉢を移動するなどして、温度管理をしましょう。

またベランダなどで乾燥する場合には、夏場の日中気温が高い時間帯に霧吹きで山椒の葉の表裏に水をスプレーしてやると山椒にとってはとてもよいです。

山椒の葉の裏にも水をスプレーするとハダニ対策にもなるので一石二鳥です。

こまめにスプレーしていると夏場でも山椒の葉が青々としてよい状態で成長を続けてくれます。

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山椒の木が枯れるポイント⑦天敵アゲハ蝶の幼虫

 

 

山椒の木はミカン科の植物。

アゲハ蝶の幼虫は柑橘系の葉が大好物で山椒も例外ではありません。

特に山椒の木は葉が小さいのでアゲハチョウの幼虫がつくとあっという間に葉を食い尽くされてしまいます。

見つけたらすぐに駆除しましょう。

できれば卵のうちに取ってしまえればいいですね。

アゲハ蝶が卵を産み付ける期間は春から秋にかけてですが、Balcofarmではこれまでのところ春先に見かけることが一番多いです。

秋に生まれた幼虫はそのまま冬を越して春に蝶になり、また卵を産み付けるようです。

アゲハ蝶が柑橘系の木によりつく期間は限られているので、その時期だけ虫除けの不織布をかけるなどして、アゲハ蝶が卵を埋めないようにするのも一つの方法です。

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山椒の木が枯れるポイント⑧冬越しと水やり

山椒の木は晩秋から冬になると落葉します。

このとき山椒の木が枯れたと思って勘違いしないでください。

この時点では山椒の木は生きています。

枯れてしまったように見えていても、土が乾いたら水をやる、という水やりを続けて冬越しをします。

山椒の木の根は乾燥に弱いので、落葉している間も根土が乾かないように水やりをします。

乾燥するような場所なら1週間〜2週間に1回、ジメジメして土がなかなか乾かないようなところなら、土の表面が乾いてきたら、を目安にします。

こうして冬の間も山椒の木の根が乾かないように管理すれば春にきれいな新芽が出てきます。

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山椒の木が枯れるポイント⑨弱い山椒の根の対策

山椒が移植に弱かったり、環境の変化に弱いのは山椒の根に原因があります。

山椒の根は繊細で、乾燥に弱い上に根腐れしやすく、プロの農家でも山椒の木が突然枯れることがあるくらいデリケートです。

乾燥に弱いのに根腐れもしやすい、ということは乾燥に弱いからと水をやりすぎても根腐れしてしまう可能性があることを意味します。

そのため、山椒の鉢植えを育てるときは用土は通気性、排水性がよく、かつ保水性がある土ということを特に考慮する必要があります。

赤玉土に腐葉土や堆肥をたっぷり混ぜ込み、根腐れ防止にくん炭や、ミリオンA(シリカ、珪藻土)をほんの少量加えて土を作ることをお勧めします。

山椒の木の根が弱いことへのもう1つの対策は、接木苗を入手することです。

根腐れへの抵抗性を持つ丈夫な台木に接木した山椒の苗が売られていますので、そう言った山椒の苗を購入することが、大きな対策になります。

接木苗はそこそこ大きさもある苗になりますので、その点も考慮が必要です。

春先に園芸店に出回る小さなポット植えなどの山椒の苗はほとんどが挿し木苗です。

まだ苗自体が小さいので、そう言った山椒の小苗はすぐには植え替えず、しばらくそのままじっくりと育てます。

ポットの中の山椒の根が動かないようにそっと管理することをお勧めします。

そして山椒を植え替えるのは、必ず落葉した後の休眠期、冬の間に行うようにしましょう。

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山椒の木の鉢植えはデリケート

 

 

山椒の木はデリケートな植物ですがこれまでに紹介したポイントを抑えて大切に育てれば毎年春に香りのよい新芽で食卓を飾ってくれるでしょう。

山椒の木を育てて、ちょっと料理の香り付けに山椒の葉が欲しいなと思った時、手を伸ばせば香り高い山椒の若芽がそこにある贅沢を味わってみて下さいね。

 

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