ブルーベリー、ピンクレモネードは相性のいい受粉樹の組み合わせが大事、実がならない理由と対策

ブルーベリー、ピンクレモネードはハイブリッドと言われる新しいブルーベリーの品種です。

ラビットアイとハイブッシュを組み合わせて作られた品種で、ピンクから赤色の実がなります。

ピンクのブルーベリー?

新品種?

うーん、本当に美味しいのかな、育てやすさはどうなのかな?

そう思って色々リサーチしていると、どうやら味が思いのほかいいらしい。

そして赤い色の実はビジュアルに魅力的です。

ということで、2年生の苗を購入して実際に育ててみています。

ピンクレモネードは受粉の組み合わせや日ごろの育て方を間違えると実がならない、なりにくい、ということが実際に育ててみてわかってきました。

ピンクレモネードの木、そのものは育てやすく、樹勢も強いので初めての方でも枯らすことなく育てられますし、赤い実が美味しいので、ピンクレモネードに組み合わせる受粉樹としておすすめのブルーベリー品種や、ピンクレモネードの特徴、育てかたのポイント、他のブルーベリーとの違いについて紹介します。

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目次

ブルーベリー、ピンクレモネード①樹勢が強く育てやすさも上々、成長が旺盛

 

ピンクレモネードの苗が来たばかりの時、すぐに小枝を間引き整理し、剪定してこんな状態でした。

左側の枝は味見をするために少しだけピンクレモネードの果実を実らせとうと剪定せずそのまま育てました。

2年生なのに太い枝がまっすぐに伸びていて、葉芽の間隔が短く詰まっているのがわかります。

ピンクレモネードは樹勢が強く、成長が旺盛で、枝葉が茂りすぎるくらいだと言われているのもうなずけます。

樹勢が強い方が剪定も躊躇せずできるのでなかなか枝葉が出ないものよりも育てやすさにはプラスになります。

 

ブルーベリー、ピンクレモネード②春の開花時期と受粉樹について

 

Balcofarmではピンクレモネードは4月に入るか入らないかくらいに開花が始まります。

2年生のピンクレモネードの苗を購入した翌年、苗が3年目に入って花数がとても多くなりました。

ピンクレモネードは受粉樹にラビットアイを組み合わせます。

ラビットアイのブルーベリーはタイタンとコロンバスも苗を育てていますが、ピンクレモネードの開花時期はタイタンと同時期でした。

タイタンもコロンバスも晩生の品種ですが、コロンバスはタイタンよりも開花が遅く、ピンクレモネードとは開花、受粉のタイミングがかなりずれていました。

タイタンとは開花時期がバッチリ一緒だったのでお互いによく受粉してたくさん結実した、と思ったのですが、実がたくさんなったのはタイタンの方だけでした。

ピンクレモネードの受粉樹の組み合わせにおすすめなのはタイタン、ブライトウェル、クライマックスあたりが開花時期があうようなのですが。。。

他のラビットアイ系ブルーベリーも開花期さえ合う品種なら問題ないはずなのですが、開花期がバッチリ合っていただけに疑問が残り、いろいろ調べて受粉の組み合わせや他にもわかったことがありました。

それについてはこの後紹介します。

一般的な話になりますが、ブライトウェルはラビットアイブルーベリーの中でも味、収穫とも安定性のある定番の人気品種で、開花期間も比較的長いので受粉樹を兼ねて1本持っているとよいかもしれません。

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上の写真はラビットアイ期待の新品種タイタン。

3年生の苗なのでたくさん結実しています。

ピンクレモネードはまだ2年生のうちは1枝だけ結実させて、ほとんどの果実は株を養成するために摘果してしまいました。

ほんの数粒だけ味見のために結実させました。

 

 

ブルーベリー、ピンクレモネード③新芽の成長

 

ピンクレモネードは樹勢が強く、新芽がよく育ち、細かい枝がたくさん出ます。

育ちすぎる場合は適宜細枝を間引いたり剪定しないと果実に養分が回りません。

まだピンクレモネードの実が樹上にある時からこんな葉茎が出ています。

樹勢が強いのは弱いより育てやすいです。

ただし植物全般そうですが、樹勢が強いものは肥料をやりすぎると木の成長ばかりがよくなって、実がなりにくくなるので気をつけましょう。

ピンクレモネードは枝数も多くなるので剪定を強めにすることで果実を充実させます。

新芽の葉先には蜜がつきます。

 

 

これ、指先でとってそっと舐めてみるととても甘いです。

ただしそのままにしておくと虫が集まってきたり、蜜がカビたりして病気の原因になりますので、たくさん蜜が出ているな、という時は葉水をかけて蜜を洗ってやりましょう。

ピンクレモネードだけでなくタイタンやコロンバスでも新芽がグッと伸びた時、柔らかい葉先には蜜がついていました。

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ブルーベリー、ピンクレモネード④収穫の注意点

ピンクレモネードは真っ赤になる前からでも収穫ができると言われています。

実際初めて実らせたものはまだ苗が小さく天候もよくなかったため赤くならなかったのですが、初収穫のピンクレモネード、すごく美味しかったです。

上の写真のように赤くなり切らなくてもふっくらと実が膨らんで柔らかくなっているものなら、この色で食べても美味しいです。

普通のブルーベリーとは食感も風味も少し違うのですが、フルーティであっさりした酸味で、食感がいいんです。

どう表現したら伝わるでしょうか。

果皮は柔らかく口に当たることなく、タネも全く気になりません。

果肉も柔らかく少しもっちりした食感で香りよくジューシー。

今までのブルーベリーとはちょっと違うのですが、素直に「美味しい!」と思いました。

記事冒頭の赤い実の写真は苗が3年生になってからのもので綺麗に色づいています。

赤くなると色味がとても綺麗で、酸味が和らぎ甘味の方が強調されます。

個人的には酸味のある味が好きなので完全に赤くなる前でも十分すぎるほど美味しいです。

ちなみにこちらの写真(下)はタイタン。

 

タイタンは葉はシルバーリーフで直立生、ブルーベリーらしい姿をしていて果実の姿もいい感じです。

食味は、ちょっと独特でパリッとした果皮と果肉はややシャリシャリ感があり、果汁は少なめでした。

種のじゃりじゃり感は前評判通り全く気になりませんでしたが、果肉のシャリっとした感じと少なめの果汁のためにタイタンの味がやや独特、と言われている所以であることがわかります。

これは実をならせて1年目の時の状態なので来年はもっと充実してくると思います。

その時に再度レビューしようと思います。

ピンクレモネードは2年生苗に味見でならせたたった2粒の、赤くならなかった実でもお味が「文句なく美味しかった!」です。

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丈夫で果実もなりすぎるくらいで摘果が必要、と言われているピンクレモネードの来年が楽しみです。

ただし!

ピンクレモネードは一つだけ、収穫の時期の見極めが難しいと言われています。

養分が十分に行き渡った状態で上手に育てるとルビーレッドにまで熟しますが、あまり濃い色にまで色づかない場合もあり、熟しているのに色が薄いので熟していることがわからずに収獲適期の見極めが慣れないとやや難しいです。

実際初収穫した2粒もルビーレッドまでにはならず、まだ「ルビーというほどには赤くならないなー」と思っている期間が長くなってきて、さすがにこれはもういい加減摘み取らないとまずいんじゃないか?と思って収獲しました。

果実に触ってみたら程よく柔らかくなっていたので、それで熟していることがわかりました。

逆に熟しすぎていないか心配だったのですが、食べてみたらとても美味しくてびっくりしたので、この記事でブルーベリー、ピンクレモネードについて紹介することにしました。

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ブルーベリー、ピンクレモネード⑤果実の大きさ

 

ブルーベリー、ピンクレモネードの果実の大きさは中粒から小粒、決して大きくはありません。

近年は大粒ブルーベリーが人気ですが、いくら大きくても味が美味しくなければどうしようもありません。

粒が大きくないことを問題にすることがばかばかしい、と思うくらいピンクレモネードは美味しかったです。

個人的に大粒で美味しいと思う好みの味のブルーベリーはスパルタンやチャンドラー、シェラ、ダロウなどいずれもハイブッシュで割と酸味がはっきり感じられる品種です。

ラビットアイで大粒で種のザラザラも気にならない、収量も多いということでタイタンが期待の新品種なのですが、今年の収穫のタイタンはまだ味が乗ってきていませんでした。

こちらも来年シーズンどうなるか、文字通り結果を待ちたいところです。

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ブルーベリー、ピンクレモネード⑥シュートの発生

 

ピンクレモネードの果実の時期が終わって株元からシュートが出てきました。

7月始めの写真です。

8月の終わりには1m近くまでぐんぐん伸びて太くなったので、先の方を1/3ほど剪定しました。

来年花芽をつけたいのなら脇芽を育てる強い剪定は8月終わりか遅くても9月の始めまでに剪定を済ませるようにします。

こうしてよいシュートがどんどん出てくれれば、翌年よい果実を実らせる枝を作って行くことができるので、樹勢が強いピンクレモネードは育てやすいブルーベリーです。

1ヶ月後にはこのシュートから脇芽が6本も伸び始めたので、太い新芽3本を残して他はかき取りました。

枝を充実させるためです。

通常このような強い剪定をした後に伸びる新芽は大抵2〜3本ほどなのですが、ピンクレモネードはあっさり6本新芽が伸び始めました。

いかに樹勢が強いかがよくわかります。

ピンクレモネードは1つの枝の葉芽の間隔も他のブルーベリーよりびっしり詰まっていますので多すぎる新芽は必要に応じてかき取っておきましょう。

なかなか新芽が育たず株が衰退してしまうより、育てやすさの点においてこれは大きな長所です。

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ブルーベリー、ピンクレモネード⑦相性のいい受粉樹の組み合わせ

ピンクレモネードは受粉樹の組み合わせが大事です。

苗を購入した翌年、ピンクレモネードの花はたくさん咲き、タイタンとの開花期も十分タイミングが合っていたので、結実を期待していたのですが、咲いた花に対して実がなって残ったのは1割、もしかしたらそれよりもっと少なかったかもしれません。

1本しか育てていないので、個体差や環境もあるのでなんとも言えませんが、いろいろ調べてみると、豊産という情報を目にすることはなく、結実は少なめだったり安定しない、という情報に行き当たりました。

結実が少ない理由として、春の気温が影響するようだ、ということが一つ。

この年は冬暖かく、4月に入ってからまた寒かったりしたのが原因と考えられるかもしれません。

そしてもう一つ、どうやらピンクレモネードは受粉樹の相性がいい組み合わせがはっきりしているようだということ。

ナーセリーの育て方の説明書きやお勧め以外に、ピンクレモネードの受粉に相性がよいラビットアイのブルーベリー品種の組み合わせ情報を見つけました。

どうやらピンクレモネードにはホームベルが受粉相性のよい鉄板の組み合わせのようです。

ホームベルはもともと受粉樹としてはかなり優秀なようですので、こちらは実際に苗を増やしてみてどうなるか、結果がわかったらまた記事でも紹介していきたいと思います。

赤いもっちり食感のピンクレモネード、わさわさたわわに実らせることができるとよいのですが。

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ブルーベリー、ピンクレモネード⑧肥料の与えすぎは実がならない

ブルーベリー、ピンクレモネードを育てる上でもう1つ非常に大切なことがあります。

ピンクレモネードは樹勢が強いので、勢いがありすぎて実がなりにくい、ということ。

肥料、特に窒素肥料のやりすぎは枝葉ばかりが茂って、花が沢山咲いても受粉しなかったり、整理落下が多くなってしまいます。

そのため、窒素肥料を含む肥料は収穫後の時期に1回やり、翌年の開花の時期までにその肥料分は切れているようにします。

また土も、ピートモスなどは控えて無機質の用土の配合を多めにすることで、実つきがよくなります。

木が元気でどんどん伸びる方がたくさん実がなりそうに思えるかもしれませんが、果樹全般、樹勢がつきすぎると栄養成長に養分が使われ、繁殖成長、つまり子孫を残すために実をならせる活動をしにくくなります。

ですからピンクレモネードの実つきを少しでもよくするためには土の有機物を減らし、肥料も控えて育てることが必要です。

また混み合った枝はしっかり透かし剪定して、日当たり、風通しを確保することも大切です。

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ブルーベリーは品種を増やしたくなる果樹

Balcofarmが初めて育てたブルーベリーはハーフハイブッシュのノースランドでした。

園芸店で実がなった状態で売られていて買い求めたものでした。

ノースランドは果実の粒はそれほど大きくありませんでしたが美味しくて、実つきの鉢植えを購入した翌年以降もよく実がなるよい品種でした。

それですっかりブルーベリーの魅力にとりつかれ、それ以降、ハイブッシュ、ラビットアイ、大粒で美味しい品種のブルーベリーを探して色々育ててみました。

その中で特に味がよいと思ったのはハイブッシュの大粒の品種たち。

それから、かなり丈夫で育てやすく、しっかり実がなって味も濃いのがラビットアイのブライトウェルでした。

ブライトウェルは沼地のような?かなり劣悪な環境に放置してもちゃんと実がなっていました。

よい土で、そこそこに手入れしていればたっぷり収穫できる品種です。

味は甘味が濃く、酸味は控えめです。

そこから長らくブルーベリー栽培のブランクがあった後、再びブルーベリーの鉢植え栽培を再開。

色々な新しめの品種が気になり、そのなかで、ラビットアイのタイタン、コロンバス、ハイブリッドのピンクレモネード、ハイブッシュのドレイパーなどを育てています。

ピンクレモネードはピンクの実がなることへの興味で苗を購入してみましたが、思った以上に味がよかったので、相性のよい受粉樹であるホームベルを増やして、これからの経過を見守ります。

ピンクレモネードは樹勢が強くよく育つので、挿し木も簡単なのでしょう、流通している苗の価格も割と安価に手に入ります。

収穫量が少なくてもちょっと珍しい赤い実のブルーベリーを食べてみたい、という方には味がよいのでお勧めです。

早く果実を収穫して食べたい方は3年生以上の苗を入手して育ててみてください。

その際にはぜひ受粉樹についてよく検討されることをお勧めします。

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