いちじく栽培|鉢植えの育て方、剪定、肥料とおすすめ品種、実がならない2つのポイントとは?

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いちじく(イチジク・無花果)は丈夫で生育も旺盛なので、住宅地でもいちじく栽培しているお庭をよく見かけます。

鉢植えでも育てやすく樹上で完熟したいちじくは美味しいので育て方を紹介します。

いちじくの実がならないと聞くことがありますが、剪定と肥料、2つのポイントさえ押さえれば、鉢植えでベランダで育てても簡単によく実がなる初心者向けの果樹です。

子供の頃祖母の家にはいちじくの木が植わっていて夏休みに遊びに行くと大きないちじくを食べさせてくれるので、それがとても楽しみでした。

甘くて蜜のようにねっとりとした味は家庭果樹ならではの素晴らしいものです。

その味が忘れられなくて大人になってから自分でもいちじくを育てるようになりました。

地植えにするとかなり大きくなりますので、広い庭がある場合を除いては鉢植えでいちじく栽培を楽しむのがおすすめです。

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いちじくの品種、桝井ドーフィンについて

果物として売られているのは多くは桝井ドーフィンという品種です。

日本では愛知県がいちじくの産地としては有名です。

桝井ドーフィンは果実の日持ちがよいことから営利栽培向きの品種として全国に広まりました。

桝井ドーフィンがいちじくの営利栽培の8割を占め標準品種のようになっています。

その他にも美味しいいちじくの品種がたくさんあるのをご存知ですか?

売られているものはどうしても完熟前に実を収穫することもあり味が薄く甘みもあっさりしています。

せっかくの家庭果樹なのでお店では手に入らない品種を育てるのをおすすめします。

小粒の品種や大きな実がなる品種、皮が薄い淡い緑色の実がなる品種や、果実の味がねっとりと糖度が高いものなど、売っているのとは違う、育てているからこそ味わえるいちじくの味があります。

桝井ドーフィン以外のおすすめ品種のいちじくについてはこの後紹介します。

どれも鉢植えで育てることができます。

海外のいちじく事情

いちじくはトルコが世界の生産量一位です。

中近東や地中海沿岸で育てられていて、果実が柔らかく日持ちしないことから乾燥させたり、ジャムにして食べるのが一般的です。

日本でも輸入物の乾燥いちじくが色々手に入りますが、生で食べることの方が一般的なように思います。

いちじくはフルーツとして買って食べるというよりも、もっと身近な家庭果樹としての位置づけの方が馴染みのある方も多いのではないでしょうか。

ヨーロッパやトルコでは小粒な品種もたくさん栽培されていて、乾燥いちじくにはそういった小粒のものもよく使われています。

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いちじく栽培はベランダでの鉢植えでも簡単に実がなる!

いちじくの木は生育が旺盛で根張りが強いので、地植えの場合は植える場所には気をつけなければいけません。

あまりに生育が旺盛で枝葉ばかりが伸びると実がなりにくくなることがありますが鉢植えだと成長できるスペースが限られているので逆にそういった心配もありません。

小さな実がなるものは樹形もコンパクトだったりするので、特に鉢植えに向いています。

樹形を整えるために剪定しながら育てますが植え付けから2〜3年で実がなります。

いちじくの鉢植えの育て方:鉢サイズ

いちじくは挿し木で簡単に増やせますが、ベランダ栽培で1〜2本育てる場合はそれほど数も必要ないので苗を購入しましょう。

苗の購入時期は11月〜3月の間がもっとも適していますが、丈夫な果樹なのでそのほかの時期でも基本的には大丈夫です。

購入した苗は8号鉢(24cm)以上の鉢に植えます。

いちじくは根がものすごく張るので鉢のサイズは最低でも8号鉢以上、出来れば10号鉢にします。

苗は1〜3年生くらいまでのものを秋から冬の休眠期に入手するのがおすすめです。

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いちじくの鉢植えの育て方:土の準備

いちじくは丈夫であまり土質は選びません。

赤玉と腐葉土が7:3の土があればよいでしょう。

中性から弱アルカリ性を好むので、苦土石灰や蠣殻石灰で酸度調整します。

元肥を混ぜた土にいちじくの苗を植え付け、水をたっぷりやります。

一つだけ注意したほうがいいのは、いちじくを植えた同じ土を使わないということです。

いちじくは嫌地の性質があり、前にいちじくが植わっていた場所にいちじくを植えても育ちが悪くなります。

鉢植えの場合は新しい土を用意します。

いちじくの鉢植えの育て方:肥料について

いちじくは肥料を多く吸収します。

カリやカルシウムが特に好きです。カルシウムが好きということは土もややアルカリ性によっている方がいいということです。

カリは根の部分の成長を促す肥料ですがいちじくの場合は果実にもよく吸収されます。

逆に枝葉の生育はもともと旺盛なのでチッソ肥料は控えめにやるようにします。

配合肥料を使う場合は窒素よりもカリ分が多めのものを使うとよいでしょう。

カルシウムは酸度調整を兼ねて卵の殻や蠣殻粉末を土に混ぜておくとよいです。

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いちじくの鉢植えの育て方:鉢への植え付け

大鉢でも水はけがよいように、鉢底石をひと並べ入れてから用土を1/3ほど入れます。

イチジクの苗を中心に置き位置を決めます。

周囲の隙間に用土を少しずつ入れて割り箸などで土を数カ所さして隙間ができないようにしっかり土を詰め、苗が土の中で安定するようにします。

いちじくの根は浅く張るので深植えはしないようにしましょう。

植え付けが終わったらたっぷりの水をやります。

いちじくの鉢植えの育て方:水やり

春から秋までの間、水は切らさないように土の表面が乾いてきたらたっぷりとやります。

特にいちじくは葉が大きく蒸散する水分が他の植物より多い、つまり鉢土の乾くスピードが早いので、こまめに鉢の状態をチェックしましょう。

夏場は朝夕2回、たっぷりの水やりが必須です。

あまり土の乾きが激しいようなら、鉢のサイズアップ、鉢土の表面に敷き藁やバークチップでマルチすることも検討しましょう。

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いちじくの鉢植えの育て方:病気と害虫

いちじくは総じて丈夫で特にベランダでの鉢植え栽培の場合、病害虫はあまり気にしなくて大丈夫です。

唯一気をつけるのはカミキリムシです。

カミキリムシはいちじくの木が大好きな虫で、木を食害します。卵を木の幹の中に産み付けるので幼虫が木の内側を食べてしまい、いちじくの木が元気がなくなったり、枯れてしまいます。

いちじくの木の枝は切り口を見るとわかりますが、真ん中が柔らかい棉のような状態になっています。

カミキリムシの幼虫からしたら、一度幹の中に入ってしまえば、外敵から守られた状態で柔らかいご馳走にありつける素晴らしい環境、というわけです。

カミキリムシの成虫が飛来しているのを見つけたら迷わず駆除しましょう。

イチジクの木の枝や幹の周辺に木屑のようなものが落ちていたらカミキリムシの幼虫です。

どこか木に穴が開いているはずなので、その穴から殺虫剤を注入して駆除します。

いちじくの実がならない理由①肥料

いちじくはもともと生育が旺盛な植物です。

特に地植えの場合、根が伸びるスペースもたっぷりあるので肥料をやりすぎると枝葉ばかりが伸びて、そちらにエネルギーが使われて実がなりにくくなることがあります。

特に樹勢の強い品種は幼苗の時期この傾向が強いです。

枝葉を成長させる窒素肥料は控えめにやるのがよいです。

また樹勢を弱める方法として、冬の休眠中にあえて根を少し切って量を減らす、まっすぐ上に伸びた枝を横に開くように誘引して主軸ではなく脇芽を育てることで樹勢を弱める方法があります。

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いちじくの実がならない理由②剪定方法

いちじくは樹勢をコントロールするためにも剪定が必要ですが、どの枝を剪定するかはその特性を理解した上で決める必要があります。

いちじくの実は夏と秋の2回なりますが、品種によっては夏秋両方実がなるもの、秋果のみなるもの、と品種によって別れています。

夏果は前年枝につきます。

秋果はその年に伸びた新しい枝の先につきます。

夏果をならせたい場合は枝を全て剪定してしまうと実がつきません。

また剪定を全くしないと秋果がつきにくくなります。

夏秋両方の果実を収穫する場合は前年に伸びた枝の半分だけ1〜3芽残して剪定して、残りの枝はそのまま伸ばします。

こうすることで残した枝に夏果、剪定した枝に残した芽から伸びた新しい枝に秋果をつけさせることができます。

秋果のみならせる場合は全ての枝で切り戻し剪定をします。

剪定の時期は冬の休眠期です。

いちじく栽培、実が甘くない理由とは?

いちじくには夏果、秋果があります。秋果の品種と言われていてもわずかに春先から夏果がつくことがあります。

秋果メインの品種の場合、夏果は十分に実らず実が落ちたり、一応熟しても味が薄い場合があります。

また夏秋2回収穫できる品種は、傾向として夏果の方が大きい実がなりますが秋果と比較して水分が多く甘みは薄めです。

逆に秋果は夏果より小ぶりになりますが、濃厚で甘みも夏果より濃くなります。

もし夏果が今ひとつ、と思ったら秋果がなるのを待ってみてください。

それでも今ひとつ、という場合は陽当たり、その年の気候、いちじく自身の樹勢や状態が理由だと思いますので、気長に翌年の収穫を楽しみにしましょう。

生き物ですから毎年実のなる数や大きさ、味は少しずつ違っています。

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家庭でのいちじく栽培のおすすめ品種選びについて

個人で楽しみのために育てるいちじくは営利栽培のいちじくとはおすすめポイントが異なります。

営利栽培はいちじくの実がしっかりしていて日持ちすることが必要なため、桝井ドーフィンが流通していることはすでに紹介しました。

家庭での栽培は輸送の日にちなどを考えなくてよいので完熟させた時に実が柔らかくても問題ありません。

甘くて美味しい、という理由だけで好みの品種を選んで楽しむことができます。

いちじくの家庭栽培おすすめ品種①:蓬莱柿(ほうらいし)

桝井ドーフィンよりも古くに中国から日本に伝わった品種のため日本いちじくと呼ばれることがあり、根強いファンがいます。

いちじくは温暖な地域の植物なのですがこの蓬莱柿は比較的耐寒性があります。主に西日本を中心に栽培されています。

わずかな夏果がなりますが、数が少ないため秋果をメインに考えて育てます。

果実の色は薄くあまり赤くはなりません。

熟すと割れてくるので収穫のタイミングが大事です。

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いちじくの家庭栽培おすすめ品種②:ホワイトゼノア

夏秋の果実が収穫できます。

耐寒性があり、新潟や山形でも栽培されています。

果実は少し小ぶりで色は薄い緑色です。わずかに赤みが指す程度です。

果皮が薄いので皮ごと食べられます。

実は甘く味も濃く完熟いちじく特有のねっとり感と爽やかさがあり、ケーキなどの加工用にも栽培されています。

いちじくの家庭栽培おすすめ品種③:ロング・ドゥート(バナーネ)

フランスで作られたの人気の品種です。

豊産性で実奈なりがよく、一個300g前後もある大きな夏果がなります。

秋果は夏果より小さくなりますが、糖度が高く果肉は緻密でねっとりと濃厚な味わいです。

ロング・ドゥートは品種名で、当初はバナーネという商品名で日本で販売されていました。

ロング・ドゥートも果皮はほとんど赤くならず、ごく薄い緑色をしています。

大きく甘い実がなることでここ数年不動のイチ押し品種として紹介されていることが多いです。

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いちじくの家庭栽培おすすめ品種④:ビオレーソリエス

こちらもフランスの人気品種です。ビオレ、という名前の通り果実は濃い紫色で黒いちじくと呼ばれることもあります。

果実の重さは一個100g前後の秋果を収穫する品種です。

こちらも果肉が緻密で糖度が高く美味しい人気品種です。

樹勢が強く幼苗のうちは木ばかり成長して実がなりにくい場合があります。

鉢植えの場合はあまり気にならないかも知れませんが、庭植えで実がならない場合は剪定方法を考えたり、冬に根切りをして樹勢を弱めるようにします。

いちじくの家庭栽培おすすめ品種⑤:ゼブラ・スイート

小さな実がたくさんなる品種です。

この品種の特徴は果実が緑と白の縞模様のストライプになっていることです。

樹形がコンパクトで、実の縞模様が美しいので鉢植え栽培に向いています。

ストライプの色が薄くなって、触った時に柔らかくなっていれば収穫します。

いちじくの家庭栽培おすすめ品種⑥:カドタ

小粒で皮が赤くならない品種です。

甘みが強く人気があります。

小粒系の品種はほぼどの品種もたくさん実がなる豊産性の品種が多いです。

いちじくの家庭栽培おすすめ品種⑥:ロードス

こちらも小粒の品種で、豊産性、糖度がとても高くてねっとり甘い品種です。

ギリシャのロードス島にちなんでいます。

ゼブラスイート、カドタ、ロードスはどれも小粒ですので、いちじく栽培が初めてで不安な方は、こういった小粒品種から初めて見るのもおすすめです。

世界中で栽培されているいちじくには他にも果皮が濃い紫色になる黒いちじく系、果皮が淡い緑色の白いちじく系、小粒系、それぞれに優れた品種があります。

いちじく栽培を始めると、きっといろんな品種が気になり始めると思います。

Balcofarmでも現在3品種のいちじくの鉢植えを育てています。

大きくなると明らかに場所が足りなくなるのでどうしようかと思っているのですが、なんとか鉢植えのコンパクト栽培で3品種、食べようと画策しています(笑)

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いちじく(無花果)は身近な家庭果樹

いちじくはあちこちの家の庭に植わっている身近な家庭果樹でした。

最近あまり見かけなくなったのはおそらくいちじくの根張りが強いことから庭に地植えをしなくなったのではないかと勝手に思っています。

昔からの言い伝えでいちじくは厠(かわや)のそばに植えてはいけない、と言われていました。これはいちじくの根の成長が強すぎて厠のカメを割ってしまうから、というところから来ているのだそうです。

子供の頃祖母の家に植わっていたいちじくの味が忘れられず、大人になってから自分でイチジクを育てるようになりました。

祖母の家のいちじくは夏にも実が少し収穫できましたし、完熟すると大きな実がぱっかりと割れてしまうことがよくあったので、おそらく蓬莱柿(ほうらいし)だったのではないかと思います。

自分では夏も秋も2回実が収穫できるホワイトゼノアをしばらく育てていました。

自分で地植えで育てていたホワイトゼノアはカミキリムシの食害にあい、また実が熟した時にアリさんがいちじくめがけてまっしぐらに集まってくるのが厄介でしたが、それ以外は手もかからず完熟したいちじくはみずみずしくねっとりとしていて本当に美味しかったです。

ベランダガーデンが自分の庭になってからもいちじくは外せない果樹だったので同じくホワイトゼノアを鉢植えで育てていました。

ベランダでの鉢植えは庭植えよりも虫を気にしなくていいのが楽ですが、乾燥するので水やりは手を抜けません。

残念ながらある年の夏、忙しさにかまけて水やりが足りず、立派な夏果がついていたホワイトゼノアを枯らしてしまいました。

しばらくショックで立ち直れなかったのですが、やっぱり自分で育てたいちじくの味は最高ですので、気を取り直してロングドゥートをはじめとする厳選した3品種を挿し木から育てています。

ホワイトゼノアも十分甘くて美味しい品種なのですがそれよりはるかに甘いロング・ドゥートとビオレーソリエス。

もう1品種は比較的新しい品種でまだあまり情報がないものを育てています。

挿し木でしっかり育ってくれたら早ければ2年目の夏にはロング・ドゥートの夏果、秋にはビオレーソリエスを収穫できることになります。

いちじくの挿し木のやり方については別記事で詳しく紹介しています。

成功率高く、収穫まで時間はかかるけど苗を買うよりお財布にも優しいのでおすすめです。

いちじく(イチジク・無花果)の挿し木の時期と枝の保存の仕方