じゃがいもの栽培は病気の対策、特にそうか病対策が大事なポイントです。
そうか病対策は難しくありませんので、しっかり対策をしてよいじゃがいもを収穫しましょう。
じゃがいもの栽培や病気対策は他の野菜の栽培とは方法が違うポイントがいくつかあります。
そのポイントさえ押さえておけば簡単に美味しいじゃがいもの栽培ができます。
栽培時期は暖かい地域だと春と秋の年2回栽培できますが、おすすめは春栽培のじゃがいもです。
じゃがいもの春栽培と秋栽培の違いについては下記で紹介しています。
じゃがいもの栽培の時期、秋と春の比較、連作、水やりしすぎの影響とは?
この記事ではじゃがいもの基本的な栽培の方法、春植え、地植えでの育て方について紹介します。
地植えができない方のために、プランターや袋栽培の方法についてもまた別記事で紹介していきますね。
目次
じゃがいもの栽培とそうか病対策①土の準備
じゃがいもは春栽培の場合、2月の中旬から3月にかけて、種芋の植え付けを行います。
土の準備はそれより前にしておく必要があります。
じゃがいもはナス科の野菜なので連作障害でそうか病が出ることもありますので気をつけなければいけません。
栽培場所の作物のローテーションをうまく組んで、3年ほどナス科の野菜、ナスやトマト、ピーマン、唐辛子などを育てていない場所を使うようにします。
連作障害についてはこちらの二つの記事にまとめています。
じゃがいもの栽培の時期、秋と春の比較、連作、水やりしすぎの影響とは?
連作障害とは?原因と野菜のプランター栽培、じゃがいも、ナス、トマト、きゅうりの連作障害対策とは?
できれば11月中旬から年内の間に土の準備をしておくことをおすすめします。
栽培期間が長いことと、じゃがいもを土の中で太らせるために土がふっかりした力のある土がいいので、土には堆肥をたっぷりすき込んでしっかり耕しておきます。
年内に準備をしておくと、1ヶ月以上土が熟成する時間を取れますので、堆肥がよくこなれてよい土になります。
じゃがいもの栽培とそうか病対策②石灰肥料について
じゃがいもで気をつけなければならない病気がそうか病です。
細菌性の病気で、根菜類を多く栽培した土壌、アルカリ性に傾いた土壌で病気が発生しやすく、特にじゃがいもには影響が出やすい病気です。
病気にかかるとじゃがいもの表皮に近い部分が、部分的にコルク状になったりして品質が著しく低下します。
この対策としては、石灰での土壌酸度調整がポイントになります。
通常多くの野菜は酸性土壌を嫌うため苦土石灰や有機石灰をまいて土が酸性に傾きすぎないように調整します。
ところが、じゃがいもの場合はその逆でアルカリ性の土を嫌います。
そのため苦土石灰をまきすぎると、土がアルカリ性に傾きそうか病が発生しやすくなります。
じゃがいもの土作りをするときによほど土が酸性傾いていない限り石灰は必要ありません。
じゃがいもの栽培とそうか病対策③米ぬかを土に混ぜる
じゃがいものそうか病予防には土づくりの段階で、石灰を使わないことに加え堆肥を漉き込むのと一緒に米ぬかを土に混ぜてよく耕します。
米ぬかの発酵とともに土の中の有用菌が増え、土壌中の微生物のバランスが改善されそうか病が出にくくなると言われています。
じゃがいもの栽培とそうか病対策④よい種芋を購入する
じゃがいもの栽培は他の野菜と違って種や苗を植えるのではなく、種芋を植えるところから始まります。
種芋は野菜として売られているじゃがいもを使うこともできなくはないのですが、ウィルス病などにかかって十分に育たないことがあります。
栽培用に作られている種芋は細菌などに感染しないよう注意深く管理されていますので、そういった種芋を購入して植えた方が安心して栽培できます。
種芋はホームセンターや種苗店で保存状態のよいものを選びましょう。
じゃがいもの栽培とそうか病対策⑤種芋は日光に当てる
種芋は植え付けの2〜3日前から窓辺で日光に当てるなどして発芽を促すようにしておくとよいです。
よく台所の暖かくて明るい場所にじゃがいもを置いておくと自然に芽が出てしまいますよね。
食べるじゃがいもは芽が出てしまうとソラニンという有毒な成分ができてしまうのでよくないのですが、種芋の場合は芽が動き出してから土に埋めた方が発芽が安定します。
発芽を促すのと同時に太陽光の紫外線による殺菌効果も期待できます。
じゃがいもの栽培とそうか病対策⑥種芋の植え付け準備
じゃがいもの種芋は小さなものはそのまま土に植えますが、大きな種芋の場合は、植え付け当日に種芋を包丁で半分に切り、切り口に草木灰をつけたあと軽く日に当てて乾燥してから植え付けます。
切り口に草木灰をつけるのは種芋が切り口から雑菌で腐らないようにするためです。
種芋を半分に切る場合には、それぞれの塊に芽の数が均等につくように切る位置を調整します。
切る方向はじゃがいもの種芋が親株と繋がっていたヘソの部分を上にして縦方向に切るようにします。
じゃがいもの栽培とそうか病対策⑦種芋の植え付け
じゃがいもは種芋の上に茎が伸びて、その茎の周囲に新しいじゃがいもができます。
ですから種芋より上にある程度の土が必要になります。
写真のようにしっかり植え穴を掘って、準備しておいた種芋を30cm間隔で並べていきます。
種芋と種芋の間に、直接種芋に触れないように肥料と堆肥をまいたあと、土をかぶせます。
あまり深植えになると発芽せずに種芋が腐ってしまいますので、種芋の上に土が5cmかぶるくらいが目安です。
過湿になると種芋が腐りやすくなりますので、土の湿り気が多い土地や雨が多い時は種芋を植えた周囲の畝に溝を切り、排水がよくなるようにしておきましょう。
じゃがいもの栽培とそうか病対策⑧発芽後の芽かき
植え付けから約1ヶ月半ほどで発芽してきます。
一つの種芋には芽が複数ついてるので、芽は何本も出てきます。
地上部が5〜6cmになったところで、3本ほど、よい芽を残して他の芽は芽かきします。
芽を多く残すとじゃがいもが小さくなります。
芽かきをする時は、芽を上にしっかり引き抜くのですが、この時種芋が動かないように片手で土をしっかり抑えて、もう一方の手で芽を引き抜きます。
芽かきが遅くなると茎がしっかりしてきて抜くのが大変になるので、じゃがいもの芽かきは地上部が5〜6cmの頃に行います。
じゃがいもの栽培とそうか病対策⑨追肥と土寄せ
じゃがいもの芽かきをしたら軽く周囲の土を株元に寄せて、残した芽がぐらつかないようにします。この時株の周囲にパラパラと追肥をまいてから土を寄せてやります。
1回目の追肥です。
追肥に使う肥料は、根を太らせるリン酸、カリ分が多い肥料を使います。
有機肥料であれば骨粉や草木灰、鶏糞などがおすすめです。
あらかじめ土と合わせてボカシにしておいたものを使うとなおよいです。
以降、茎が伸びていきますのでじゃがいもの成長に合わせて周囲の土を寄せていきます。
土寄せしないとじゃがいもが土から顔を出してしまいます。
日光に当たったじゃがいもは緑化してしまい、ソラニンという成分ができてしまうので土寄せはしっかりします。
最初に思った以上に高く土を盛っていくことになります。
土寄せは割と重労働なので頑張りましょう。
5月中旬に二度目の追肥をします。
株間に肥料をまいて、また土寄せをします。
じゃがいもの栽培とそうか病対策⑩肥料のやりすぎに注意
じゃがいもの栽培は肥料のやりすぎには注意が必要です。
元々の土壌に含まれる養分にもよるので、様子を見ながら肥料をやります。
肥料をやりすぎるとじゃがいもが大きくなりますが、大きすぎるじゃがいもは中が空洞だったり、味が水っぽく、美味しくありません。
また病害虫も出やすくなりますので、土の養分を考慮しながら、追肥の量を見極めてやります。
じゃがいもの栽培とそうか病対策⑪収穫のタイミング
6月に入る頃から、じゃがいもの葉の下葉が黄色くなり始めます。
2〜3枚の下葉が黄色くなったら収穫のタイミングです。
収穫は2〜3日晴れの日が続いているときに行います。
土が雨で濡れていたり、収穫した後のじゃがいもを洗ってしまうと腐りやすくなりますので注意します。
そっと表面の土を取り除き、出てきたじゃがいもを掘り取った後、さらに深いところにもじゃがいもが残っていないかスコップなどでそっと土を掘り返して残っているじゃがいもを探します。
掘り上げたじゃがいもは土をつけたまま2〜3日天日に当てて干した後、土を軽く払って段ボールなどに保存します。
とれたてのじゃがいもは何と言ってもまずは蒸してバターをつけて食べるのが一番のご馳走です!
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