鉢植えラズベリー、春の手入れで根腐れ防止と病害虫予防

ラズベリーの前年枝に蕾がつきました。

一季なり、二季なり、ともに蕾がついています。

一季なりラズベリー、二季なりラズベリー、どちらも前年枝から伸びる結果枝に実がなりますが、それと同時に今年伸びる新しい枝もどんどん出てきますので、春の手入れが必要です。

上の写真のラズベリーは二季なり品種です。

春から夏にかけて前年枝から伸びる結果枝に花が咲いて実がなったあとは、その年の春からのびた新しい枝の先に花が咲き実がなります。

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目次

ラズベリーの春の新芽が伸びてきた状態

ラズベリーに春の新芽が伸びてきています。

ラズベリーは冬の間地上部が枯れたようにしか見えないただの棒状態ですが、春になるとあっという間にこのようにわさわさと賑やかになってきます。

これは8号鉢で、とてもよく育っています。

ただしこの時点ですでに株が混み合っていますので、手入れをせずこのままにしておくと、ラズベリーの株がダメージを受けることになります。

どんなダメージがあるかというと、株が混み合いすぎると隠れる場所がいっぱいあるので病害虫の温床になることが1つ挙げられます。

また、株が混み合っていると、ハダニ予防のために葉裏に葉水をかけたりといった手入れもしにくくなります。

ラズベリーの地上部の風通しが悪くて株が蒸れると下葉から枯れてきたり、地上部が蒸れることで水分の蒸散がうまくいかなくなり根腐れもしやすくなる、という未来が待っています。

この状態を回避するために不要な枝や芽は間引く必要があります。

 

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ラズベリーの前年枝と新枝

株元をよくみてみましょう。

茶色く木質化しているのがラズベリーの前年枝(フロリケーン)です。

この枝から出る結果枝に春から夏にかけてラズベリーの実がなります。

そして若い緑色のいかにも柔らかそうな茎が今年伸びた新枝(プリモケーン)で、二季なりラズベリーであれば、夏から秋、品種によって少しずつ時期はずれますが、その年に実がつき収穫ができ、そして翌年はフロリケーンとして結実します。

一季なりラズベリーの場合はその年の新枝には実はつかず、翌年になってから脇芽(結果枝)が出て実がなります。

ですからラズベリーの場合、前年枝と新枝の両方の枝を大切に育てていく必要があります。

上の写真、ラズベリーの株元が混み合いすぎていて風通しが悪く、このままだと下葉が蒸れて病気になりやすくなります。

すでに一番下の葉に黄色くなっているものがあります。

余分な細い新枝を間引いたり、残す枝であっても下葉をとって整理します。

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ラズベリーの新枝の間引きと下葉摘み

ラズベリーの細い新芽は引き抜き、数を調整します。

上の写真は細い新枝をかなりの数、整理した後のラズベリーの状態です。

まだ小さな芽は地上に出ている部分をハサミでカットし、ある程度大きくなった新枝は根をつけるようにして抜き取り、別の鉢に植えました。

8号鉢なら3〜5本のしっかりした新枝を残して、残りは全てとってしまいます。

ある程度伸びて大きさがあるものを抜くのであれば、根をつけて分割して新しい鉢に植えつければ、ラズベリーの株を増やすことができます。

太い新芽を何本も取る場合は一度鉢からラズベリーの株を抜き取って、根を刃物などで切り分けると、親株も分割される新枝もダメージが少なく済みます。

ただしこの時期はすでにラズベリーの地上部が勢いよく成長中ですので、親株のダメージがないよう、分割して取るのは株のなるべく外側のもの、できれば株元のシュートではなく地下茎が伸びた先のサッカーを、親株全体の2割くらいまでにします。

根を切り取ったラズベリーの新枝は根が乾かないよう、すぐに新しい鉢に植えて水をたっぷりやっておきます。

根を少ししかつけられなかった場合はラズベリーを植え替えたあと、活着して再び成長を始めるまでの間、地上部にはビニールがけしておきます。

ラズベリーの葉は春先は特に柔らかく薄いので、少ない根量のために水分の供給が追いつかず地上部が萎れてしまうのを防ぐことができます。

ビニールには通気のために小さな穴を開けておき、最終的にビニールを外す際はいきなり全部を取らず、通気の穴を少しずつ大きくして外気に慣らしていって、最後にビニールを外すようにします。

またラズベリーは挿し木の成功率があまりよくないようですので、株分の際に根を少ししかつけられなかった時は活着しにくくなります。

株分する場合は株を分割する前によく観察して、それぞれの株にしっかり根があるようにして、植え付け後は萎れ気味になった時は地上部の葉に霧吹きします。

土は水分過多になると根腐れしやすくなるので、やや乾き目くらいに維持します。

 

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ラズベリーの挿し木について:経過観察中

ラズベリーの挿し木は成功率があまりよくない、と書きましたが、初めて成功しそう?なものが出ました。

一般的にラズベリーは株分で増やすのであまり挿し木する方はいないと思いますが、鉢植えの株を増やしたい場合は親株がダメージを受けるリスクを避けるためにも挿し木ができるといいなあと思い、時々余った枝でランダムな時期にラズベリーの挿し木を試しています。

今回は冬に伸び放題になっていた枝を整理して出た不要な枝を挿し木してみました。

どうせ成功しないけど試しに、と空いたプランターに適当に、かなりぞんざいに挿しておきました。

1月に切ったポルカの挿し穂、2ヶ月くらいして新芽が出てきました。

ブルーベリーやいちじくなどの挿し木と同様であれば、多分まだこの段階では枝の栄養で新芽が出ただけで発根はしていません。

このあともう一段階新しい芽が出て葉が展開し始めるようであれば成功です。

ポルカは非常に丈夫で生育旺盛な品種であることもあり、発根してくれることを願うばかりです。

同じ時期にカスケードデライトを水に挿したものは3ヶ月以上枯れてはいない、でも発根もしていないという状態ですし、上の同じプランターの右側にはトゲなし一季なりのグレンシリーズの品種の枝も挿してありますが、こちらはまだ芽も動いていません。

あまり過度な期待はせず、ダメもとでこの後も経過観察します。

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ラズベリーの株の新枝間引き後の状態

これがラズベリーの間引き後の状態です。

最初の状態と比較するとかなりスッキリしています。

前年枝はもともと5本あり、新枝も同じく5本、太いものを残して他は全部間引きしました。

この品種(Joan Squire)は比較的茎が細めの品種ですが、インディアンサマーや、グレンアンプルなどはもっとがっしりした茎が真っ直ぐに立ち上がります。

前年枝から出る脇芽の結果枝(実がなる枝)は、前年枝の各節から出てきますので、その中で株の内側に伸びる脇芽はハサミでカットします。

ラズベリーの株の中がこれ以上混み合わないようにするためです。

不要な新枝や、脇芽を全て整理した後、残った枝についている下葉は、土の上20cmくらいまでの部分を全てカットします。

最後に、根をつけて新芽を抜き取った分や、時間とともに土が目減りした分、新しい土を上からたっぷり追加して整えれば作業完了です。

この時もみ殻くん炭も混ぜておくと土が酸性に傾くのを防ぎ、またラズベリーの根腐れ防止にもなるのでおすすめです。

まだこの後も新芽や脇芽が伸びて株が混み合ってくると思いますが、この後出てくる芽は春先一番最初に出てくる新芽と比較して、もうそんなに太くて勢いがあるものは出て来ないので、出てきたタイミングでその都度摘み取ればOKです。

あとは前年枝から出た結果枝についた花が咲いてラズベリーの実が赤くなるのを待つばかりです。

 

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