ほうれん草の上手な育て方、プランターへの種まきの時期と間引きについて

 

ほうれん草の育て方について、プランターに種まきして育てる方法を紹介します。

ほうれん草は1年中手に入りやすい野菜ですが、育て方は小松菜などと比較すると少し難しいかもしれません。

ほうれん草を自分でプランターで育てるのに適した種まきの時期があります。

またほうれん草の上手な育て方にはいくつか大事なポイントがありますのでわかりやすくまとめて紹介します。

 

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目次

ほうれん草の栽培は難しい

ほうれん草の栽培はアブラナ科の小松菜などと比べて少し難しいです。

ほうれん草の一般的な育て方の説明や、種の入った袋に印刷されている説明には書かれていない大事なポイントがありますので、ほうれん草がうまく育たない、という方はよかったら読んでみてください。

おひたしのほか、ほうれん草のバター炒めやほうれん草のクリームパスタ、ほうれん草のオムレツなど目移りしてしまうほどたくさんの人気レシピがある上に、栄養も豊富な野菜です。

ほうれん草のプランター栽培で採りたてを食べられたら嬉しいですね。

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ほうれん草のおすすめ品種の紹介

ほうれん草は古くから日本で親しまれてきた野菜で消費量も多いので、たくさんの品種が開発されています。

ほうれん草の種類は大きく分けると日本種(東洋種)と西洋種の2つがあり、それを掛け合わせた交配品種があります。

最近栽培用に販売されている種はほとんどが交配種ではないかと思います。

交配種には西洋ほうれん草の長所である耐暑性も備わっているので春まきなど暖かい時期にほうれん草を栽培したい場合は、日本種は避けて、交配種を選ぶとよいでしょう。

スーパーで買うときはあまりほうれん草の品種を意識することはないかもしれませんが、自分でほうれん草を栽培するなら、たくさんある中からほうれん草の品種を選ぶことになるので、以下にいくつかの品種を紹介します。

比較的長く親しまれているものを紹介しますが、最後の2つは割と新しい部類の品種かと思います。

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ほうれん草の品種①日本種、在来種

一般的に日本種、在来種と言われるほうれん草です。

根元が赤くなる、昔から根強い人気があります。

比較的葉が薄く、懐かしい感じのするほうれん草で、冬場に赤くなった根元は甘みが格別です。

アクが少なめで、お浸しなどにすると美味しいです。

 

ほうれん草の品種②次郎丸

こちらも古くからある食味のよい秋冬どりの日本種ホウレンソウ。

葉先が尖っていて、葉に長さがあり3段の切れ込みが入ります。

良質の秋冬どり種。

生育旺盛で耐寒性があるので、栽培しやすいです。

こちらも日本種なので根際が赤く着色します。葉肉は厚みがあり、美味しいほうれん草。

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ほうれん草の品種③ソロモン

葉面の縮みが少なく、株が張ってしっかり育ちます。

べと病に強く、耐暑性・耐寒性があるので、秋まき、それも早めの秋まきや早めの春まきにおすすめです。

交配種です。

 

ほうれん草の品種④アトラス

濃い緑色の厚みのある葉で、全国的に広く栽培されている品種です。

交配種にあたるほうれん草だと思います。

草勢が強いので株張りがよく、耐暑性にも優れており、粘土質の土でも育てることができますので元が田んぼの畑などにおすすめです。

 

ほうれん草の品種⑤オーライ

生育が旺盛で、作りやすい秋冬どりのほうれん草、交配種です。

葉は肉厚で食味がよく、根際が赤く着色します。

耐暑性も強く、低温下の生育も旺盛なため、1年のうち栽培できる時期の範囲が広いほうれん草。

 

ほうれん草の品種⑥トライ

気温が低くてもよく成長するので、冬どりのおすすめ品種。

生育が旺盛で、栽培しやすい。株張りよく株がよくそろって育ちます。

交配種です。

ほうれん草の品種⑦ちぢみほうれん草 朝霧

冬になると出回るちじみほうれん草、こちらも交配種です。

極早生で株張りよく、耐病性も強い品種。濃緑色の幅広い丸葉で、葉が縮れます。

光沢があり、葉肉も厚く食べた時の満足感もあるほうれん草。

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ほうれん草のプランターでの育て方①栽培時期、おすすめは秋の種まき、収穫が冬!

ほうれん草の栽培は涼しい気候が適していて、ベランダガーデニングでのほうれん草のプランター栽培の時期は種まきを秋にして冬に収穫、というパターンがおすすめです。

春の種まきもできますが、春は気温が高くなるので成長が早くほうれん草がとう立ちしやすいのに加えて冬のように葉に厚みがあるものは望めません。

夏は暑いので、涼しい地域での栽培じゃないとなかなか難しいと思います。

夏の時期はほうれん草の栽培はプロに任せて、暑さに強い他の葉野菜を育てることをお勧めします。

やはりほうれん草の旬は葉の厚みもあって甘くなる冬が一番です。

 

ほうれん草のプランターでの育て方②失敗

以前、小さな家庭菜園を汗水流して耕していたことがあります。

見よう見まねで初めて種を蒔いたイタリアンパセリや春菊や山東菜はとてもよく育ちました。

でも1年目に蒔いたほうれん草だけはどうしてもうまく育たなかったんです。

葉物野菜は栽培期間も短く育てやすいはずなのに、ほうれん草の栽培だけは明らかに失敗でした。

ちっとも育たない、色も形も悪いほうれん草をみて

「どうしてほうれん草だけこんなに育たないの?!」

という悲しい気持ちでしたが、それから何年か経って畑の土がよくできてから蒔いたほうれん草は色も綺麗な濃い緑色で、やや小ぶりでしたが形もよく、なんとか無事に育ってくれました。

当時のほうれん草栽培の失敗体験から、ここからは失敗しないほうれん草のプランター栽培の方法をお伝えします。

土の質はプランター栽培の方がむしろ管理しやすいので、美味しいほうれん草が収穫できると思います。

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ほうれん草のプランターでの育て方③ほうれん草の好む土

ほうれん草は酸性の土を嫌います。日本の土壌はほとんどの場合弱酸性です。

たいていの植物は弱酸性でも育ちますが、ほうれん草は野菜の中でも特に酸性を嫌う性質が強い野菜です。

「他の野菜も育つんだし、きっと大丈夫!」

というわけにはいかないくらい、ほうれん草は酸性土壌を好みません。

ほうれん草はph6.5-7.0くらいで育ちます。他のほとんどの野菜はph6.0-6.5でよく育ちます。

なのでほうれん草栽培の土を用意するときにはいつも他の野菜を育てる土より多めに石灰を加えて酸度調整をする必要があります。

一度作物の栽培に使った土は新しい土よりも酸性に傾きがちなので、特にほうれん草のプランター栽培をする際、他で使った土を再利用する場合はこの酸度調整を怠らないようにしましょう。

酸度調整の方法は次に紹介します。

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ほうれん草のプランターでの育て方④石灰で土の酸度を調整する

 

酸性に傾いた土の酸度を調整するには石灰を使います。

石灰には色々な種類がありますが、扱いやすく、土に混ぜた後比較的すぐに作物を植え付けできるのは、苦土石灰か天然の石灰(貝殻石灰、卵の殻)などです。

天然の石灰はじっくり効くのでまいてすぐに土の酸度が変わるわけではありません。

普段から土作りの時に少しずつ混ぜておくとよいでしょう。

石灰はホームセンターの肥料コーナーで簡単に手に入ります。

まいてすぐに作物を植えられる、と書かれているものもありますので、そういったものを選ぶとよいでしょう。

苦土石灰を使う場合は土に混ぜて最低1週間ほど置くようにします。

説明書に書かれている通りの分量を土に混ぜます。ものによりますがプランターなどだとスプーン1杯程度が目安になります。

ほうれん草栽培の場合はしっかり石灰を効かせたいので天然石灰よりも苦土石灰の方がおすすめかと思います。

もちろん元の土壌にもよりますので、いろいろ試してご自分に合ったものを選んでください。

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ほうれん草のプランターでの育て方⑤有機質を多く含んだ土

ほうれん草の栽培は土の酸度の他にもう一つ大事なポイントがあります。

それはほうれん草が有機物を多く含んだ力のある土でよく育つということです。

逆にいうとそういう土だったらどんな野菜でもよく育つのですが(笑)

ほうれん草をプランターで栽培する場合、特に初めての方は野菜用の培養土を買って使うことが多いと思います。

そういう場合はあまり心配することはありません。

土を再利用したり自分で土を作るなら、腐葉土や堆肥を追加して多く入れます。

熟成した土の方がよいので、早めに用土を準備しておくといいでしょう。

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ほうれん草のプランターでの育て方⑥用土の配合

 

自分でプランターの用土を準備するのなら、赤玉土5、腐葉土3、牛糞堆肥やバーク堆肥2をよく混ぜたものを用意します。

そこに混ぜてすぐに使える石灰を規定の分量混ぜ込み、水をかけて2週間おきます。

石灰自体はまいてすぐに使えるものですが、ほうれん草の栽培のためには用土をなじませて熟成させたほうがよいので、なるべく時間をおきます。

その後、種をまく1週間前に肥料を加えて土をよく混ぜ合わせます。

関東なら8月末に土の準備をして9月にまくか、9月に土を準備して10月になってから種をまくとちょうどよいのではないかと思います。

まいてすぐ使える石灰を使うのはそれだけ土の中での反応が穏やかで、家庭でのほうれん草のプランター栽培には使いやすいからです。

用土にはこれが正解!というものはないですし、ベランダの日当たりや風通しによっても土の湿り気は変わりますので、上記を参考にご自分で色々工夫してみてくださいね。

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ほうれん草のプランターでの育て方⑦種まきのコツ

 

さて、プランターの用土が準備できたところでほうれん草の種まきをします。

ほうれん草は発芽率があまりよくない部類の野菜です。

ほうれん草の種を買うと青や赤く色がついているものがありますがこれは病気を防ぎ発芽率をよくするための薬剤処理が施されているものです。

薬剤処理されているほうれん草のタネはそのままプランターの用土に種まきします。

処理をされていない、自然のままのほうれん草の種は発芽を揃えるために1晩水につけて吸水させてから種まきをします。

プランターに用意した用土に条間を最低10cm以上とってすじまきします。

65cmのプランターなら2条まくことができます。種まきのために深さ1cmの溝をつけて、そこに1cm間隔で種を置いて行きます。

上の写真は丸い植木鉢に種をまいたのですじまきではなく、ばらまきにしています。その場合も種の間隔を1cm取るようにします。

これを丁寧にやっておくことで、発芽後の間引きが断然楽になります。

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綺麗にほうれん草の種まきができたら、筋まきの場合は溝の両側から軽く土をかぶせて上からそっと押さえて種と土を密着させます。

ばらまきの場合は、上から土をパラパラとかけて、水やりでタネが動かないようにそっと抑えます。

その後ジョウロでたっぷり水をやります。

ほうれん草の種まきをしたら芽が出るまでプランターの土を乾かさないようにします。

濡れた新聞紙をかぶせるなどしてもいいです。

パラパラと適当に種をまいて間引いていく方法もあるのですが、種が寄ってしまうと混み合ったところの間引きは思いのほか手間がかかるものです。

初めから1cm間隔に丁寧に種まきをすることで間引きの手間が省けます。

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ほうれん草のプランターでの育て方⑧間引きの時期は早めに

間引き1回目の時期

ほうれん草の本葉が2〜3枚になった頃に3cm間隔になるように間引きます。

茎が長く徒長したものや形の悪いものを間引くようにします。

ほうれん草は割と早めに間引きをして株間をとったほうがよく育ちます。

 

間引き2回目の時期

 

 

本葉が5〜6枚になった頃に2回目の間引きをします。

株間が5〜7cmになるように間引きます。

ほうれん草は早めに間引くことで大きく育ちますので2回目の間引きもしっかりやっていきましょう。

間引きの時期が遅れると上の写真のように徒長して花芽ができやすくなります。

これは明らかなほうれん草栽培の失敗例です(笑)

ただ、売り物にするわけではなく、まだ柔らかい若い葉なので花芽も一緒に食べられます。

今回はレタスなどと混ぜてサラダにしていただきました。

ほうれん草の旨味たっぷりの美味しいリーフサラダ、美味しかったです。

 

 

こちらは先ほどの失敗作と同じ大きさの鉢に植わっているほうれん草ですが、植わっている株の数が少なくて明らかに葉の形が幅広で厚みも違うのがお分りいただけると思います。

ほうれん草の間引きをしっかりする、株間をしっかり取ることもほうれん草栽培で失敗しない大事なポイントです。

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ほうれん草のプランターでの育て方⑨追肥の時期

1回目の間引きの後、条間に肥料をパラパラとまいて、ほうれん草の株元に土寄せします。

2回目の間引き後にも同じように追肥をします。

そのほかに、水やりの時、1週間に1回、液肥をあげるようにするとよく成長します。

 

ほうれん草のプランターでの育て方⑩収穫は丁寧に

自分で育てているので、必要な分を大きくなったものから収穫します。根を乱暴に引き抜くと他の株を痛めてしまいますので、株元を指でそっとおさて引き抜くか、株元の少し下で、根をハサミできるようにして収穫するとよいでしょう。

 

ほうれん草のプランターでの育て方⑪長く収穫するために

自分でほうれん草のプランター栽培をしている場合、長くほうれん草を楽しむために、株ごと引き抜いてしまわずに、よく育った外側の葉から収穫する方法があります。

外側の葉を株元で丁寧に外側に外すようにしてそれぞれの株の外側の葉を刈り取ります。

こうすると大きく育ったほうれん草にまた株間の隙間が生まれ、残った葉が成長できるスペースが生まれます。

2回くらいはこの方法で収穫して、3回目は株ごと引き抜いて収穫すると最後まで美味しいほうれん草が食べられると思います。

この方法は小松菜やレタス、ルッコラなどでもできます。

冬場、葉野菜がじっくり成長する時期だからできる収穫方法です。

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収穫を終えた後の土を再生して使い続けるには

ほうれん草を全て収穫し終わったら、土の中に残っている根を掘り出します。

固まった土をほぐしてよく混ぜて、そのまま春先、暖かくなるまで土をカラカラに乾かしておきます。

時々土の上下を入れ替えて、できれば日の当たる場所で日光消毒できるとなおよいです。

3月くらいになったら4月5月に種をまく夏野菜のために土を準備して行きます。

最初の時の土作りと同じように、腐葉土や堆肥を追加してよく混ぜ、石灰を少し足します。

石灰は水に溶け出して流れてしまうので、作物の入れ替えのたびに少し補ってあげるよいでしょう。

種まきや苗の植え付けの1週間以上前に、肥料を混ぜ込んで準備をしておきます。

土を十分に乾かして置いておく期間と、十分な有機物と石灰、肥料の追加投入があれば土はまた使うことができます。

ベランダでも育てやすいプチトマトや、バジルは夏に作るオススメの野菜です。

あとは葉物が手薄になる夏場、空芯菜は暑さに強くてプランターでも簡単に栽培でき流のでこちらもオススメです。

プランターの土の処分って意外と困ってしまうものですが、冬の間にしっかり準備しておくととても力のある土になりますから、捨ててしまわずにぜひ夏野菜のためにとっておきましょう。

 

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