ブルーベリーの植え替え時の根洗いや根切りの方法と注意点、ブルーベリーの植え替え時期について紹介します。
ブルーベリーの根洗いや根切りは新しくよい根を伸ばすために覚えておくとよいでしょう。
特に根が痛んでいる時には必要な処理になります。
ちょうど楽しみにしていたラビットアイのタイタンとハイブッシュのドレイパーの植え替えをしましたので写真も合わせて紹介します。
目次
ブルーベリーの植え替え①植え替えの時期
冒頭の写真はまだ植え替え前、左がタイタン、右がドレイパーです。
6号鉢に植わっている3年生の苗です。
ドレイパーはすでに落葉後の休眠状態、タイタンはまだ綺麗な赤い葉がついた状態ですが、触るとポロポロと葉が落ちます。
ブルーベリーの植え替えの時期は落葉後の休眠期が一番植え替えに適した時期です。
文字通りブルーベリーの木が活動を休止して来春に備えている時期ですので、植え替えのために根を動かしてもダメージが少ないからです。
ブルーベリーの植え替えは土も他の植物と違っていて少し注意しなければならないことがありますのでこの後ブルーベリーの植え替えの手順と一緒に土についても紹介します。
ブルーベリーの植え替え②鉢のサイズ
ブルーベリーの植え替えをする際は成長途上の苗は元の鉢よりもひとまわり大きい鉢に植え替えます。
このひとまわりという表現がわかりにくいと思いますが、例えば今6号鉢に植わっているものは8号鉢、というように2号上のサイズに植え替えます。
鉢のサイズは1号あたり直径が3cmずつ大きくなります。
6号から7号というように鉢サイズを1号だけアップした場合、元の鉢との大きさの差が直径で3cmしかありません。
ということは苗を新しい鉢の真ん中に入れた後の鉢の縁にできる隙間は1.5cm程度しかなく、新しい土を少ししか入れられません。
ブルーベリーの苗を入れた後のこのわずかな隙間に土を入れるのもなかなか大変な作業になりますので2号ほど大きな鉢に植え替えます。
逆にあまり大きな鉢に植えてしまうと、土がいつも湿っている状態になりがちで、それはそれでバランスが悪く、ブルーベリーの細根には負担になります。
今回は6号鉢の苗を8号鉢へ植え替えました。
ブルーベリーの植え替え③用土
ブルーベリーはツツジ科の植物ではっきりと酸性の土を好みます。
用土は酸度無調整のピートモス(ph4.5〜5.0)をメインに使います。
ピートモス100%でも使えるのですが、通気性を確保するために他の用土をブレンドして使った方が結果がよいようです。
ブルーベリー専用の用土として販売されている培養度にはピートモスと鹿沼土やパーライト、バーミキュライト、ゼオライトなどを混ぜたものをよく見かけます。
こういった配合土には最初から元肥の肥料も入っているので手軽にそのままブルーベリーの鉢植えの植え替えの時に使うことができます。
ブルーベリーの植え替え④用土にピートモスを使う時の注意点
1. そのままのものは繊維が長い
ピートモスは主に水苔が泥炭化したものです。
ブルーベリーは根が細く繊細なので品質がよいことで知られるカナダ産のピートモスを使うのがよいと言われています。
ピートモス自体は繊維が長いので細断されて細かくなっているものの方が扱いやすいです。
少量で小分けになっているもの、圧縮されていて元に戻した時に200Lくらいになるピートモスなどいろいろな形で販売されています。
実際にカナダ産の圧縮ピートモス200Lサイズを取り寄せて使ったことがあります。
量が多いことでコストパフォーマンスがよいメリットがあります。
デメリットは、繊維が長く、また圧縮されているのでピートモスをほぐすのに結構苦労する点と、乾燥した状態のピートモスは粉塵が舞い散るので吸い込まないように注意が必要、という2点でしょうか。
数鉢のブルーベリーを植え替える場合であれば、多少割高でも園芸店などで手に入るブルーベリー用の用土を使うことをお勧めします。
肥料や通気性を保つためのパーライトなども最初からブレンドされていて使いやすいと思います。
2. ピートモスは水をはじく性質を持っている
もう一つの注意点はピートモスは保水性がありながらも、乾燥しているときは水に馴染みにくい性質を持っています。
使うときはしっかり水をピートモスに含ませてから使う必要があります。
これをしないと鉢の表面だけは水に馴染んでいるように見えても鉢の中はカラカラの状態になってしまいます。
バケツにピートモスを入れて水を少しずつ加えて均一に行き渡るように混ぜ込んでしっかり湿らせてから使いましょう。
また一度しっかり水につけたピートモスでも、鉢をカラカラに乾燥させてしまうと、また水をはじいてしまいます。
そんな時は鉢ごとバケツの水につけて少し長い時間おいてしっかり吸水させるようにします。
ブルーベリーの植え替え⑤ブルーベリー専用培養土
今回植え替えるブルーベリーは2鉢だけですし、市販のブルーベリー専用の培養土を使うことにしました。
どれにするか色々調べていたら、「花ごころ」のブルーベリー専用培養土は水になじみにくいピートモスに特別な加工処理をしてあって、最初から水をよく吸収するようにしてあるとのことで、今回はそれを2鉢のブルーベリーの植え替えに使ってみることにしました。
配合されていたのはピートモスの他にはパーライトと赤玉土でした。
培養土の袋を開けてみるとピートモスは細かく裁断されていて扱いやすく、実際に鉢に入れてから水をまいて軽く混ぜ合わせてみると、ピートモスとしてはわりとすんなり水と馴染んでくれたので、確かに使いやすい感じでした。
ブルーベリーの植え替えをする時、ピートモスをしっかり水に馴染ませるのは結構労力がいるのでこれは助かりますし、ブルーベリーの植え替えの鉢数がそれほど多くないのなら使いやすい用土だと思いました。
ブルーベリーの植え替え⑥鉢底石を敷いて用土を少し入れる
鉢の底に鉢底石をひとならべ入れます。
スリット鉢を利用する場合、鉢底石はなくても大丈夫だったりするのですが、しっかり通気性を確保したい場合は鉢底石を使います。
鉢の1/3くらいまで用土を入れて水を加えて手で揉み込むように混ぜてピートモスに水を含ませます。
今回は水に馴染みやすいピートモスを使っているので鉢の中で水と合わせていますが、普通のピートモスを使う時は先に大きめのバケツを使って、そこでピートモスと水を混ぜ込んでしっかり湿らせた状態のピートモスを植え替えする鉢に入れるようにします。
ブルーベリーの植え替え⑦根切りについて
ブルーベリーの植え替えの時期は根洗いや根切りなどで根っこの手入れをする適期です。
植え替えの時に鉢からブルーベリーの木を抜いたらまず根の状態をチェックしますが、この時、根がぎっしり回り過ぎている場合には、根切りをします。
なるべく鋭利な刃物を使ってブルーベリーの根鉢の側面と底面の根を剥ぎ取るように切り取りとり、新しい根の発根を促すのです。
上の写真はラビットアイのタイタンの苗の根の状態です。
程よく根が回っています。
このまま新しい鉢に植え替えても大丈夫なくらいですが、完全に根が回りすぎたブルーベリーを植え替える時は、新しい根の発根を促すために外側のぴったりと固まっているブルーベリーの根をはがすように根切りします。
根鉢の肩の部分の古い土も少しほぐして落とします。
今回は程よい感じの根張り状態でしたので、刃物での根切りではなく、手で少しずつ表面の部分を軽くほぐして取って行きました。
もっと根がガチガチに回っている場合は、上記の根切りの作業を行います。
根切りに刃物を使うのはその方が根が傷つかず、ブルーベリーにとって負担が少ないからです。
ただし根鉢、つまりは土の塊に切れ目を入れていくので、目の粗いノコギリが作業しやすくてお勧めです。
ブルーベリーの根鉢に縦に切れ目を6〜8箇所、表面から1cmくらいの深さの切れ込みを入れてから刃物で表面を削ぎ取って行きます。
底の部分や上面も根切りして、表面を軽くほぐします。
ブルーベリーの植え替え⑧新しい鉢に植え替える
ブルーベリーの苗が新しい鉢の中心に来るように苗を入れて、周囲の隙間に用土を入れて行きます。
用土を途中まで入れたら水を加えて割り箸などの棒でつついて水をなじませながら用土をしっかり締めて行きます。
ピートモスはふわふわしているので棒でつついていくと結構隙間ができてもっと用土が入ります。
丁寧に隙間がないように少しずつ棒でつついて用土を締めながら周りの隙間に用土をしっかり詰めて行きます。
しっかり詰めたつもりでも水やりをたっぷりすると、新しい用土は沈んでまた縁の部分に隙間ができます。
ここで再び棒でつついて用土を締め固めてできた隙間にさらに用土を詰めて、を数回繰り返しましょう。
ピートモスがふかふかなだけに通常の赤玉などの用土よりもこれを繰り返す回数は多くなります。
隙間ができてしまうとブルーベリーの根が乾燥してしまうので、ここは根気よく丁寧に作業してください。
特にブルーベリーの根は細く乾燥を嫌いますので、念入りに作業します。
ブルーベリーの植え替え⑨ブルーベリーの根洗い
ブルーベリーの植え替えの際には根が痛んでいて根洗いが必要な場合があります。
こちらはこのまま放っておけば根洗いが必要になるな、という手前、ギリギリの状態のブルーベリー、ハイブッシュのドレイパーの苗の根の状態。
写真だとわかりにくいかもしれませんが、実物はタイタンよりも根鉢が回っているので先ほどよりももっと根鉢を崩して植え替えました。
作業に熱中してしまい写真を撮り忘れてしまったのですが、底の部分もしっかり崩して全体の1/3くらいは表面の根土を落としてほぐしてから植え替えました。
土の状態もピートモスがだいぶ分解が進んでいて少しねっとりした泥のような感じがあって、ちょっと気になるというか、通気性をしっかり確保してやった方がいい感じでした。
ドレイパーの苗には上の写真のような用土=軽石がかなり多く混ぜ込まれていました。
タイタンを触った時にはそんなに気にならなかったので、おや?と思いました。
かなり通気性を意識しているのだと思います。
それでもピートモスが泥のように分解されていました。
色々調べていてもドレイパーは少し根腐れに敏感な品種のような印象があったのですが、今回実際に苗の根鉢を触ってみて、どうやら本当に気をつけた方がよさそうだ、と感じました。
新しい用土が合うとよいのですが春以降、様子を見て行きたいと思います。
ピートモスは分解が進むとねっとりと泥のような状態になり通気性が悪くなり、ブルーベリーの根の呼吸が阻害されます。
そうなると繊細なブルーベリーの根は根腐れをおこしてしまいます。
極端に根がなかったり、茶色くなっていてボロボロと根が剥がれるようだと根腐れの状態です。
この状態ではブルーベリーは思い切って根洗いをしてから植え替えたほうがよいです。
また、根腐れはしていなくても根が詰まりすぎているときは、根ぐされの予防と、新しい根の成長を促すために、古い土を全て落として入れ替えるために根洗いをするのがおすすめです。
ブルーベリーの植え替え⑩根洗いの方法と注意点
ブルーベリーの根洗いは文字通り根を水で洗うことを意味しますが、これをするにはいくつかの注意点があります。。
ブルーベリーの根洗いの注意点①
ガッチリ詰まったブルーベリーの根鉢はそんなに簡単に古い土を放してはくれません。
ですから根鉢の外側を軽く根切りしてから、バケツに水を張ってブルーベリーの根鉢を丸ごと水につけて古い土を全部洗い流します。
バケツの中でジャブジャブと揺すって古い土をふるい落としたり、散水用のホースのジェット水流を当てて、根鉢の中の土もなるべく洗い流すようにします。
ブルーベリーの根洗いの注意点②
注意点の2つ目はここまで根鉢を崩して根だけの状態にして土の中の環境をリセットするため、ブルーベリーの根洗いはブルーベリーが完全に休眠している時にだけ行う、ということです。
ブルーベリーの葉が展開している、花芽が動き始めている状態で根洗をすると、ダメージを受けた根が新しい土に活着して、再び十分な活動ができるようになるまで、必要な水分や栄養を根が吸い上げられないので、木の負担が大きく、枯れてしまうか、枯れなかったとしてもブルーベリーの成長は著しく阻害されます。
ブルーベリーの根洗いの注意点③
根洗が終わった後、新しい土にブルーベリーを植え替える時にも注意すべき大切なポイントがあります。
ブルーベリーの根は非常に細かいので、植え替える時に細かく網目状に張り巡らされた根の隙間にも新しい土をしっかり入れ込んでやらなければいけません。
ピートモスはとても軽い用土なので根の隙間から簡単にはその重みで下に落ちて行ってはくれません。
ですから鉢の中にピートモスの混ざっている用土を入れ、さらに水をジャブジャブと入れてかき混ぜ液体のような状態にしてから、そこに根洗いしたブルーベリーの根の部分をなるべく広げるように入れて、上下にジャブジャブすることで水と一緒に用土を根の間に入れ込むようにします。
その後、用土を鉢いっぱいに詰めたら、改めて上からジョウロなどで水をたっぷりかけて、ブルーベリーの根と土がよく馴染むようにします。
ここまで読んでいただくとわかると思いますが、ブルーベリーの根洗いは根腐れ、あるいは根詰まりしてしまったブルーベリーの救済方法ですので、そういう場合以外は行わなくて大丈夫です、というかブルーベリーの負担が大きいのでやらない方が無難です。
ブルーベリーの植え替え⑪根洗いや根切りをした時の肥料について
ブルーベリーの植え替え時に大きく根切りをした場合や根洗いをした場合には新しい用土に混ぜる肥料について注意が必要です。
ブルーベリーの根は細根で繊細なのでもともと肥料を一度にたくさんやるのではなく、控え目に少しずつ追肥した方がいいくらいの感じです。
根切り、根洗いはブルーベリーにとっては負担になります。
大きく根切りをした場合や、根洗いをして植え替えた場合は新しい用土に元肥の肥料を混ぜ込むと根がまだ肥料を吸収する準備ができておらず肥料焼けを起こしてしまう可能性があります。
大きく根切り、根洗いをした場合は肥料を入れずに新しい用土に植え替えてやり、春になって新しい根が育ち始めたことを確認してから少しずつ追肥してやるようにしましょう。
今回ドレイパーは土が気になって、根洗いをしてしまおうか迷ったのですが、信頼のおけるナーセリーから取り寄せたもので、枝ぶりもよく土の配合も通気性に気を配った素材が加えられていたので、ややしっかりめに根切りだけしてそのまま育ててみることにしました。
ブルーベリーの植え替え⑫植え替え完了
ブルーベリーの植え替え、無事にミッション完了です。
2鉢とも8号鉢に収まりました。
あとは日の当たる場所に置いておきます。
左のタイタンはビューンと一本シュートがまっすぐに伸びています。
2月の終わり頃には少し切り戻し剪定をしようと思っています。
ドレイパーは根鉢をかなり崩したので、花芽を少し摘む予定です。
次のお楽しみは、タイタン1本では実がならないのでもう1鉢ラビットアイのブルーベリー苗を入手することです。
ドレイパーは置き場所の制約上、ハイブッシュ1鉢、自家受粉で頑張ってもらおうと思ってます(笑)
タイタンの相棒はどれにしようか迷い中です。
興味があるのはクレイワー、オクラッカニー、コロンバスなのですが、オクラッカニーとコロンバスは晩生品種なのでやや開花の開始時期がずれるのがもったいなくて迷い中。
クレイワーは苗が売り切れ中で次の販売も今のところ未定らしく。。。
定番のブライトウェルでは新しもの好きの自分としてはなんだか芸がないような気がして(笑)
まだ時間はあるのでじっくり楽しく悩んで1鉢入手しようと思います。
ちなみに6号から8号へのブルーベリーの植え替え、二つ分で使った用土は10リットル弱だったかと思います。
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