白菜栽培の失敗でよくあるのは白菜が結球しない、葉が巻かないで開いたままになることです。
この記事では白菜が結球しない原因と対策、白菜の育て方について紹介します。
白菜はごく日常的に食卓に上る野菜ですが、白菜の育て方は家庭菜園で作る野菜の中ではやや難しい部類に入ります。
白菜が結球しない原因は大きく分けて2つありますのでそれぞれについて見ていきたいと思います。
白菜は冬場に新鮮な葉もの野菜をたっぷり食べられる貴重な葉野菜です。
家庭菜園なら万が一失敗してうまく白菜が結球しなくても、食べられない訳ではないので漬物や鍋物でたっぷり楽しめるよう、気軽に育ててみてはいかがでしょうか。
目次
白菜栽培の失敗、白菜が結球しない原因と対策①栽培しやすいのは秋冬栽培
白菜栽培は春まき栽培だととう立ちしやすく、結球せずにすぐに花が咲いてしまったり、暖かいと虫に食われやすくなり失敗します。
家庭菜園では8月下旬に種まきして、秋に定植する方が圧倒的に栽培しやすいです。
ただし、秋の栽培もタイミングが遅くなると気温が下がって白菜の成長が遅くなり十分結球しないため、苗の定植があまり遅くならないようにします。
秋の白菜栽培時期についてはこのあと詳しく紹介します。
発芽適温は20〜25℃、生育適温は20℃です。
この発芽適温と生育適温が白菜栽培のポイントになります。
白菜栽培の失敗、白菜が結球しない原因と対策②種まきの時期
白菜は結球する野菜ですが、結球するためには最低でも70〜80枚の葉が必要です。
白菜は寒くなると花芽ができて葉の数が増えなくなるので、気温が下がる前に十分な量の葉が育っている必要があります。
そのための生育期間を十分に取ろうと思うと種まき時期は逆算して関東などの中間地で8月中下旬ごろが目安になります。
ただし、白菜の発芽適温は20〜25℃、生育適温は20℃です。
この時期はまだ気温も高いので半日陰や涼しい場所で種まきをして、発芽後の育苗も涼しい場所でしなければなりません。
白菜は耐暑性がないため、種まき時期が早いと気温が高いためにうまく育ちません。
逆に種まきが遅くなると、白菜の葉が十分に育つ前に気温が下がってしまい、結球せずに終わってしまいます。
そのため白菜栽培の種まき適期は他の野菜に比べて非常に短く、種まきする時期がとても重要です。
種まきが遅いと春になっても結球しないで、上の写真のようにまるでお姫様のドレスのように葉が広がり花が咲いてしまいます。
この状態の白菜でも食べられますが、やはり結球した白菜を食べたいですよね。
白菜栽培の失敗、白菜がしない原因と対策③肥料不足
白菜が結球するためには十分な葉の数が必要なことはお分りいただけたと思います。
種まき時期が適正だったとしても、葉が十分に育たなければやはり白菜は結球しないです。
白菜栽培では肥料が足りないと葉が十分に育たないため、これもまた結球しない原因の一つとなります。
初期生育で充実した葉を育てるためには最初から肥料をしっかり効かせるように育てなければいけません。
元肥や追肥が足りないことで葉の生育不良となり、それが結球しない原因になることもあります。
白菜を育てるときは元肥を十分に施して、生育期間中も適切な追肥をやることで充実した葉を育てます。
以上のポイントを押さえた白菜の育て方をこのあと紹介します。
白菜栽培で失敗しないために①土
白菜栽培の土は十分に腐熟した有機物がたっぷりの力のある土をしっかり準備して育てます。
市販の培養土か、赤玉6、腐葉土や堆肥4の割合で混ぜた用土を石灰で酸度調整したものを使います。
用土が酸性に傾くと病気が出やすくなりますので、自分で用土を調合する場合は必ず石灰(苦土石灰や卵の殻、貝殻石灰など)を加えて1週間以上おいた土を使います。
白菜栽培で失敗しないために②元肥の入れ方
通常プランター用土に元肥を加える場合は全体にパラパラと肥料をまいて土を混ぜ合わせます。
白菜栽培の場合は栽培期間が長く、その間しっかり肥料を効かせる必要があるため、そのほかに株を植え付ける土の下にも肥料を埋め込みます。
白菜は過湿を嫌いますのでプランターの底には鉢底石を敷きます。
その上に調合して準備しておいた用土を2〜3cm入れてから、白菜の苗を植える位置に肥料をまとめておきます。
白菜の種類にもよりますが植える株数は、大きな白菜の場合は65cmプランターで2株が目安です。
肥料を置いたら白菜の根が直接肥料に触れないように、上から再び用土を入れて肥料を埋め込みます。
これで、植え床の準備は完了です。
肥料が直接根に触れると根が痛みますので十分な土をかけられるように肥料を置く深さに気をつけます。
白菜栽培で失敗しないために③種まきと間引き
白菜の種まきは時期が限られます。
種まきが遅くなると白菜が結球しないで終わってしまうため、関東では8月中下旬にポットに3〜4粒を種まきして涼しい場所で管理します。
発芽して双葉が出たら2本に間引き、本葉1〜2枚で1本にします。
本葉4〜5枚のしっかりした苗になるまでポットで育てた後、用意しておいたプランターに植えつけます。
植えつける時は、ポットの土を崩さないように植えつけます。
プランターの用土の肥料を埋め込んだ場所に根鉢の大きさの穴をあけて、その穴にたっぷり水をやります。
ポットの苗を深植えにならないように植えつけて軽く株元を抑えて根をしっかり土になじませます。
直播の場合は9月になってすぐ、プランターに1箇所5〜6粒を種まきして、ポットと同じように間引いていきます。
ただしこの方法だと栽培時期がポットまきよりもやや遅くなることは考慮します。
白菜栽培で失敗しないために④追肥
定植後は肥料切れしないよう、2週間に1回のペースで追肥をします。
葉に直接肥料が触れないよう、プランターの土にパラパラと肥料をまいて表面の土と軽く混ぜておきます。
1週間に1回は水やりの代わりに液肥を与えて、固形の肥料と併用すると多くの肥料を必要とする白菜などの野菜は生育が安定します。
白菜栽培で失敗しないために⑤葉を大切に育てる
白菜は全ての葉ができてからその葉が丸まって結球するのではなく、外葉が15〜20枚になると結球が始まり中心で育つ新しい葉が巻き始めます。
これは同じアブラナ科の結球野菜であるキャベツも同じです。
結球が始まるためには15〜20枚の外葉が必要で、この外葉が十分に育たないと結球が始まらないのです。
種まき時期や施肥以外にも病気や害虫に葉を食われて穴だらけになってしまうと外葉の勢いが足りずに結球しない場合があります。
9月はまだ気温も高く、白菜の葉は害虫に狙われやすいので食害には気をつけて白菜の葉を大切に温存する必要があります。
白菜栽培で失敗しないために⑥品種は早生種がおすすめ
白菜には種類が色々あります。
大玉の白菜でも種まきから65日前後で収穫できる早生種や、もっと短い栽培期間で収穫できる小さめの白菜もあります。
土の量が限られるプランターでは栽培期間が短い種類の方が栽培しやすいので、早生種やミニ白菜を選んで栽培するのがおすすめです。
また白菜の仲間の中には山東菜のような非結球白菜もありますので、あえてそういった種類の結球しない白菜を育ててみるのもよいかもしれません。
山東菜は小さなうちから青菜として収穫できますし、大株に育てるとボリューム感もありおすすめです。
山東菜の育て方は下記で紹介しています。
山東菜は別名べか菜とも呼ばれますが、葉が柔らかく日持ちしないことで最近は店頭で見かけることも少なくなりました。
お味噌汁や淡い味の煮浸しにすると美味しくおすすめの葉野菜です。