クコのベランダ栽培、クコの育て方とクコの実の食べ方を紹介します。
クコはそもそも日本のあちこちに自生しています。
クコの実はスーパーフードと言われるほど栄養があり健康によい効能効果があることで知られています。
そんなクコの実ですがスーパーの中華食材コーナーやドライフルーツのコーナーで気軽に手に入れることが出来て、利用しやすく値段もそれほど高くないのでぜひ日常に取り入れたいものです。
乾燥したクコの実は枸杞子として漢方薬でも使われます。
このクコ、実をたべるだけではもったいないほど若い芽の部分が美味しいことをご存知でしょうか?
クコは果実だけでなく、葉や根も漢方として用いられる利用価値の高い植物でありながら、非常に強健でよく増える育てやすい植物です。
目次
クコのベランダ栽培・育て方①クコの好む環境と用土
クコはナス科の落葉小低木で高さ1mくらい、河原や空き地などにも自生しています。
クコをよく見かけるのは河原の他に、線路端などの礫(小石)がゴロゴロしている日当たりのよい場所や、住宅街のコンクリートの隙間からも顔を覗かせたりするくらい丈夫です。
クコには小さな紫色のナスの花によく似た花が咲きます。
茎には鋭いトゲがありますので扱いには注意します。
性質は強健で、とにかく日当たりを好みます。
土質は砂質の土を好みますが、それ以外でも日当たりと水はけさえよければよく育ちます。
苗も安価に入手できますし、もし野山に自生しているものを見つけたらよい枝を摘んで挿し木すればそれでも増やす事ができます。
地下茎で増えるので鉢は大きめで8号くらいからのサイズを用意できると言うことなしです。
鉢植え用の土の場合も水はけがよければ他はあまりこだわりません。
赤玉小粒に腐葉土やたい肥を3〜4割混ぜた用土にできれば川砂を1割程度プラスして苗を植えればよいでしょう。
クコのベランダ栽培・育て方②水やりと肥料
クコの苗を植え付けたらたっぷり水をやり、なるべく日当たりのよい場所に置き、以降は土の表面が乾いたらたっぷり水やりします。
過湿は嫌いますが水が好きな植物ですので水を切らさないようにするとよく育ちます。
枝はあまり太くならず、柔らかくしなだれやすいです。
クコをベランダで栽培する場合、日を当てるために高さが必要な場合もありますから、必要なら支柱を立ててクコの茎を上に向かって誘引します。
肥料のやりすぎは徒長したり実がなりにくくなりますので、春と秋に控えめに緩効性肥料や堆肥を与えます。
鉢植えの場合は養分が流れてしまうので、1〜2週間に1回水やりの代わりに液肥をやるとよいでしょう。
クコのベランダ栽培・育て方③クコの病害虫
クコは丈夫な植物ですが、道端に自生しているクコでも気温が高くなるとうどんこ病にかかっているのをよく見かけます。
上の写真は4月中旬に街中で見かけたクコですがうどんこ病がかなりひどい状態です。
また、クコの春の新芽は虫にとっても美味しいようで、アブラムシがつきやすいです。
クコをベランダで栽培する場合はうどんこ病やアブラムシにしっかり気をつけて、予防した方がよいです。
春から夏にかけて、クコの苗が元気な時から、先にアーリーセーフなどの食品由来の薬剤を月に1〜2回、定期的に散布しておくのがおすすめです。
うどんこ病は植物組織を元気に育てることが予防になりますので、カリやカルシウム成分、アミノ酸などを補給するよう、土壌改良や施肥もしっかりすることをお勧めします。
カリは草木灰、カルシウムは石灰、アミノ酸は酢や、家庭で簡単に作れる微生物資材のえひめAIがおすすめです。
えひめAIについてはこちらのブルーベリーの記事でも少し触れています。
作り方はインターネットで検索すればすぐに見つかると思いますので作ってみてはいかがでしょうか。
クコのベランダ栽培・育て方④収穫
夏から晩秋にかけて花が咲き実がなりますので、クコの実が赤くなったら順次収穫します。
葉は状態がよければ柔らかいところをいつでも摘み取って使う事ができます。
茎を摘み取れば脇芽が育ちます。
地下茎がどんどん増えていきますので、鉢植えの場合は1〜2年に1回は植え替えを行います。
あまり手もかからずよく育ちますし、オレンジ色の小さな実が鈴なりになっている姿は可愛らしいです。
そして冒頭でも紹介しましたがクコの葉はとても美味しいですよ。
クコの実の栄養と効能効果
クコの実にはビタミンB1、B2、C、βカロチンが豊富で、その他鉄分、カルシウム、リンなどのミネラルが豊富で食品としても大変優れています。
漢方の生薬としてはクコの実(枸杞子)、クコの葉(枸杞葉)、クコの根皮(地骨皮:じこっぴ)を用います。
いずれも滋養強壮によく、クコの葉や実は目によいとされています。
乾燥したクコの実は1日3粒くらいを目安に食べ、多くても10粒くらいまでにすることと、妊娠、授乳中の方は避けた方がよいとされています。
クコの薬効について詳しく知りたい、漢方として利用したい方は漢方薬局のホームページなどで枸杞について検索したり、漢方製剤薬局で薬剤師の方に相談してくださいね。
ここでは家庭果樹、食品としてのクコの食べ方や育て方について紹介します。
クコの実の食べ方①生食
クコの実は生で食べると少しとろりとした食感で、甘いです。
クコの実が熟してオレンジ色になったところを摘み取ってさっと洗ったらそのまま口に放り込みます。
小さな種がありますがあまり気にならずそのまま食べることができます。
クコの実の食べ方②ドライフルーツ
干したクコの実はドライフルーツとしてそのまま食べても美味しいです。
かぼちゃの種やアーモンドなどのナッツ類、ドライフルーツミックスなどにもクコの実が入っていたりします。
欧米ではゴジベリーと呼ばれスーパーフードとして人気があります。
干したクコの実はそれだけを食べても美味しいですし、控えめな甘さがナッツ類ともよく合います。
クコの実の食べ方③クコの実のお茶
生、あるいは乾燥したクコの実をそのまま食べる他、ティースプーン1杯程度の乾燥したクコの実をティーポットに入れ7〜8分蒸らしてお茶として飲むのもおすすめです。
最後にお湯で柔らかくなったクコの実を食べるのも美味しいです。
お茶にはほんのりとクコの実の甘味が感じられますので他のお茶にブレンドするのもおすすめです。
手軽な薬膳茶になります。
クコの実の食べ方④ヨーグルト、杏仁豆腐のトッピング
ヨーグルトのトッピングにする食べ方も人気があります。
杏仁豆腐のトッピングにクコの実が使われることもあります。
少し時間をおいてヨーグルトや杏仁豆腐の水分でクコの実が柔らかくなるのを待って食べるのがおすすめです。
クコの実の食べ方⑤お粥
中国料理などではクコの実をおかゆに入れて食べます。
また韓国料理の参鶏湯にもクコの実が使われます。
おかゆに入れたクコの実は水分が戻ってふっくら柔らかくなり、ほんのり甘くて美味しいものです。
出来上がりにトッピングとしてクコの実を散らすのも彩りが綺麗です。
薬膳料理にクコの実は欠かせません。
乾燥したクコの実はそのままで食べられるものですので、気軽に色々試してみてはいかがでしょう。
ちなみに参鶏湯には乾燥したナツメの実も使います。
クコの実とナツメを煮出したお茶もすばらいしい薬膳茶です。
このブログではナツメの育て方についても紹介しているのでよかったら読んでみてください。
ナツメもクコと同様、生でも乾燥したものでもその果実はとてもおいしくておすすめです。
クコの葉の食べ方①クコの葉のお茶
クコの若葉は乾燥したものが枸杞葉という生薬名で漢方で使われます。
少し硬くなった茎や葉を乾燥して軽く炒ってお茶にします。
また生のクコ葉をハーブティにしてもよいでしょう。
強壮の効果の他、クコ葉やクコの実に含まれるベタインには血行促進などの効果もあるそうです。
疲れた時のリフレッシュティーとしておすすめですね。
クコの葉の食べ方②クコの葉を野菜として食べる
生のクコの葉は野菜として食べるととても美味しいです。
クコの葉はスーパーではほとんど売られていないので、食べた事がある方は少ないかも知れません。
機会があったら本当に美味しいのでぜひおすすめしたいです。
運が良ければ春先に農産物直売所などでクコの葉を手に入れる事ができるかも知れません。
川原や野山に自生しているので、綺麗な場所に生えているよいクコを見つけたらぜひクコの葉摘みを楽しんでみてください。
クコの葉が美味しいのは、春先にのびた枝先の柔らかい茎葉の部分です。
上の写真は線路ばたに自生しているクコの春先の芽吹きです。
暖かい冬だったので、オレンジ色の実が一つ残っていますね。
こんな風に伸びた春の新芽のなるべく太くて柔らかい茎先15cm前後を摘み取って使います。
摘み取ったクコの葉茎はよく洗って使います。
刻んで味噌汁に入れてもいいですし、高温の油でジャッと短時間で炒めても美味しいです。
さっと塩ゆでして炊きたてのご飯に混ぜ込めば、色あざやかなクコ菜飯になります。
クコの葉の食べ方③イチオシは油炒め
クコの葉はコクと旨味のある滋味深い味で初めて食べた時、とてもコクがあり美味しくてびっくりしました。
食べられることはずっと以前、子供の頃から知っていたのですが、どうしてもっと早く食べなかったのか、後悔したほどです(笑)
食べ方は味噌汁の青菜か油でさっと炒めるのがおすすめですが、個人的にはこの油でさっと炒めたものが素晴らしく、イチオシのおすすめのクコの葉の食べ方です。
その他、クコの葉をよく洗ってから塩もみししたものを細かく刻んで、炊き立てのご飯に混ぜるクコ飯もお勧めです。
枸杞葉には滋養もあります。
お店ではなかなか手に入らないのが残念です。
利用価値の高いクコ
紹介したようにクコの食べ方は様々で、クコの実は生でもドライでも甘く美味しいです。
また葉もお茶や野菜として大変美味しく、根も生薬として利用できます。
捨てるところがなく、単に無駄がないだけでなく、滋養があり体にもよく、味もよいクコはとてもお勧めです。
ぜひご自分でも育ててみてはいかがでしょうか。