水菜の育て方、プランター栽培の方法、水菜の種まきや間引きについて紹介します。
水菜の栽培はとても簡単で、プランターでもよく育ち、病害虫も少ない作りやすい野菜です。
若く柔らかい水菜から大株の水菜の味まで楽しめプランターでの水菜の育て方、栽培方法と上手に育てるためのポイントを紹介します。
目次
水菜について
水菜は冬が旬の鍋やサラダに大活躍の葉野菜です。
アブラナ科の植物なので、大根や小松菜の仲間です。
水菜をプランターで栽培する場合は、こういったアブラナ科の野菜を続けて栽培しないようにして、連作障害がでないようにします。
同じ葉物野菜でも春菊はキク科、ほうれん草はヒユ科ですのでこういったものと交代で育てたり、葉物の後はトマトやナスなどの果菜にするなど、栽培するものを変えて土のバランスが偏らないようにします。
水菜の株が小さいうちは柔らかいサラダ水菜として楽しみ、少しずつ間引いて株間を開けていき、最終的に大株に育てると、徐々に大株の水菜を育てることができます。
水菜の葉茎は淡い色をしているので栄養がないと思われがちですが、とても栄養豊富でカルシウムやマグネシウム、亜鉛などの貴重なミネラルのほか、葉酸も小松菜より多く含んでいます。
水菜の栄養については1つ前の記事で紹介していますのでよかったらご覧ください。
スーパーでも柔らかい若い水菜は一年を通して手に入りやすい便利な野菜ですが、大株に育った水菜を鍋物に入れたり、煮浸しにするなど火を通すと味に深みがありとても美味しいです。
大株になった水菜は白菜のように大きくなるので、扱いが大変なのか関東だとあまりお店で見かけることがありませんので、プランターで大株に育ててみるのもよいですね。
水菜は冬が旬
水菜は本来は冬が旬の野菜です。
秋に種まきをして育てていくと、ある時期から成長が旺盛になりどんどん分けつして冬になる頃にはまとまった大株になります。
サラダ水菜は1年中栽培しやすいのですが、気温が高いと密集した葉や茎が徒長したり蒸れやすいので、大株にするには冬の寒さに当ててじっくり育てます。
こうして育った秋まき冬採りの水菜は味は濃いのにやわらかく美味しいです。
水菜の育て方、プランター栽培①適した用土
水菜はあまり用土を選びませんが、大株にまで育てる場合は栽培期間が長くなることと、栽培期間中に間引き収穫を続けながら大株に仕立てていくため、有機質(堆肥)と元肥をしっかり混ぜ込んでおいた力のある土で育てることをオススメします。
新しい野菜培養土を買って使うならそのままでOKですが、土を再利用したり、自分で配合する場合は腐葉土やたい肥を最低でも3割くらい混ぜ込んで、そこに元肥の肥料も加え、栄養分のある力のある土を作ります。
水菜の育て方、プランター栽培②育て方のポイントは種まき
水菜の発芽適温は20〜25℃ですがこの温度帯を外れても比較的発芽します。
水菜栽培で一番のポイントになるのはおそらく種まきではないかと思います。
アブラナ科の野菜のタネは粒が小さい上に発芽率が高いので、種まきを密にしすぎるとびっしり芽が出てしまい、間引きが大変だったり、間引く時に隣の残す芽の根を痛めてしまう可能性が高まります。
種の量と、種同士の間隔をちょうどよく種まきするために、一粒ずつ丁寧に種まきをします。
まき床の準備も重要です。
65cm標準プランターの土の表面に棒などを押しつけて2筋のまき溝をつけます。
溝同士の間は10cm以上あけて、深さは1.5cm〜2cmくらいにします。
棒を押し付けることで溝の土が鎮圧されて、種まきした時に種が土の隙間に潜り込んでしまうことも防げます。
種同士の間隔が1cmずつになるように丁寧に種を溝に1粒1粒、おいていきます。
土はうっすらと種の上からかけます。
溝が埋まらなくても構いません。
むしろ後で土寄せするので、少し窪んだ溝の中で発芽する方が都合がいいです。
また、土を厚くかけすぎると発芽が揃わなくなったり、発芽しなかったりしますので注意します。
種まきして土を薄くパラパラかけ終わったら、種が流れないように細目のジョウロや霧吹きでそっと水やりしておきます。
以後は発芽して根が出るまで、土の表面が乾かないように水やりをします。
水菜の育て方、プランター栽培③発芽後の間引き
水菜は発芽適温が維持される時期に種まきをすれば、種まき後3日程度で発芽します。
しっかり1cmくらいの間隔をとった種まきができていれば、発芽直後の間引きは必要ありません。
本葉が2〜3枚ほどになり、隣同士の葉がふれあい始めたら、混み合ったところから間引きしていきます。
間引いたものはサラダなどにして食べることができます。
種が密にまかれて間引きが必要な場合、間引きのタイミングが遅れないように注意が必要です。
双葉が開いて隣同士の葉が重なっているところはすぐに間引くようにします。
もし間引きのタイミングが遅れると、発芽後に胚軸が徒長して苗がヒョロヒョロになってしまいます。
こうなると水菜の苗が根本から倒れる苗立枯病の影響を受けやすくなるので、間引きはタイミングを逃さず、株元にもしっかり日光が当たるようにします。
水菜の育て方、プランター栽培④追肥と水やり
1回目間引いた後は液肥をやりましょう。
まだ苗が小さいのであまり強い肥料は必要ありませんし、かえって根を傷めてしまうこともあります。
以降、水菜が大きくなるにつれて成長も旺盛になってくるので、2週間に1回、様子を見ながら固形肥料をパラパラと株間に巻いていきます。
また、水菜という名前の通り水が好きな野菜ですので、水やりは土の表面が乾き始めたらたっぷりやり、水切れを起こさないように管理します。
1週間に1回は水やりの代わりに液肥をやり、2週間〜3週間に1回固形肥料をやると成長が安定するでしょう。
特に栽培後期、水菜が大きくなってくるとプランター にもともと施してあった元肥の栄養成分も水菜に吸収されたり、水やりで流出してしまったりするので、肥料切れにならないよう、成長具合を見ながら成長が止まったり鈍くなってきた、という時には固形肥料の追肥を少しずつ用土に加えていくようにします。
肥料切れになると水菜が筋っぽくなったり、硬くなったりします。
水菜の育て方、プランター栽培⑤気をつけなければいけない病害虫
秋まきの場合はほとんど気になりません。
春まきで気温が暖かい時に気をつけなければいけないのはアブラムシ、ハモグリバエ、ヨトウムシでしょうか。
ヨトウムシは昼間は土の中に潜っていて、涼しくなる夕方や夜に出てきて葉を食害します。
株元を食害するのでやられると全部食べになってしまいますのでよく注意して見回りをして見つけた場合は駆除しましょう。
他のアブラナ科の葉野菜と比較して水菜は虫に葉を食われにくいように思います。
病気もあまり気にしなくてよいため、水菜栽培は家庭菜園にかなりオススメです。
水菜の育て方、プランター栽培⑥間引き収穫の仕方とコツ
10〜15cmくらいに育ったらサラダ水菜としての本格的な収穫が始まります。
残す株に影響がないくらい株間があるなら株ごと抜き取って収穫します。
抜く時は片手でそっと土の表面を抑え、なるべく土が動かないようにしながら間引く水菜を抜き取ります。
株間が狭くて隣の株の根にダメージがありそうな場合は、根の部分を地ぎわでカットして地上部だけを収穫します。
一気にたくさん間引くと残した水菜の株が不安定になりますので株元にそっと土寄せします。
水菜の育て方、プランター栽培⑦大株の収穫
水菜を少しずつ間引きながら育てているとある時期から突然ぐんと大きくなり、株がどんどん分けつして行くのがわかります。
株元が白菜のような幅の大きな株に育ったら、分けつした外側の小さな束から少しずつ収穫すれば、新鮮な状態の水菜を長く楽しむことができます。
水菜の大株を株ごと収穫する時は地ぎわのところで根をカットして水菜の地上部を収穫します。
水菜が大きくならない場合は、日当たりが足りない、元肥や追肥が足りない、間引きが不十分で隣の株との間が狭かった、間引きのタイミングが遅かった、などが原因として考えられます。
水菜のプランター栽培で冬の青菜を楽しむ
水菜の育て方はそれほど難しいものではありません。
水菜がたくさん大きくなって一度に食べきれない、という時は、水菜を白菜のように丸々1株を漬物にしたり、鍋ものの青菜としてたっぷり水菜を入れてもよいでしょう。
どちらもしんなりとして量(かさ)が減るのでたくさん食べられ、しかも美味しいです。
淡白な味なので鶏肉のつくねや水炊きと相性がよくオススメです。
サラダ水菜とは一味違う、京野菜としての味わい深い水菜、ご自分で栽培して味わってみませんか?