ズッキーニの立体栽培、支柱立てと受粉でズッキーニをプランターで栽培する方法

 

ズッキーニの立体栽培をするときの支柱の立て方や、実を確実ならせるズッキーニの受粉について紹介します。

ズッキーニはイタリア料理でよく使われるカボチャの仲間、ウリ科の西洋野菜です。

ズッキーニは支柱を立てて立体栽培するのが露地栽培でもプランター栽培でもおすすめの育て方になります。

ズッキーニの立体栽培は簡単でそのポイントは支柱立てになります。

なぜズッキーニは立体栽培をするのがいいのか、その理由についても紹介します。

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目次

ズッキーニとはどんな野菜?

ズッキーニはウリ科の野菜、果菜です。

ウリ科の野菜はきゅうりを始め、カボチャ、ゴーヤ、へちまなど、どれもつるが伸びるものばかりです。

スイカやメロンも植物の分類としてはウリ科の野菜になります。

しかしズッキーニはつるが伸びず、太い茎と大きな葉が成長に応じて伸びていくだけなので、割と育てやすい野菜です。

ズッキーニは過湿と高温を好まず日本の梅雨の時期は少し苦手です。

露地栽培なら高畝にする、またプランターでも露地栽培でも、支柱を主幹のすぐ横に垂直にたてて上へ上へと伸ばす立体栽培することで土から上がる湿気や雨による土の跳ね返りで病害虫の害を受けるのを防ぐことができます。

ズッキーニは生でも火を通しても、とても美味しい夏野菜でスペースさえあれば長い期間、たくさん収穫できます。

早どりした小さめのズッキーニから、お店ではなかなかみられないくらい大きく育てたものまで、それぞれの食感を楽しむことができますし、花も食べられますので、いろいろ楽しむことができます。

イタリアではズッキーニの花は季節のご馳走です。

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ズッキーニの立体栽培⓪支柱を立てる立体栽培がおすすめの理由

ズッキーニは土の状態にもよりますが、有機質に富んだよい土で育てると株がとても大きくなります。

主幹の高さは1m以上になることもありますし、葉もゆうに50cm以上に大きくなります。

支柱を立てずに育てると、特に主幹がよく伸びれば伸びるほど、その重みに耐えられず徐々に左右どちらかに倒れ込んできます。

ズッキーニをそのまま地這いさせて育てることもできますが、その場合は敷き藁をたっぷり敷く必要があります。

敷き藁をしかないとズッキーニの葉が土に触れてしまい、水やりや雨が降った時の土の跳ね返りで葉の裏が汚れ、そこから病気になったり、土の中にいる虫が葉に上がりやすくなります。

またズッキーニは多湿を嫌うので、土の湿気があるのは好ましい環境ではありません。

ですから接地面が少なく、ズッキーニの主幹がまっすぐ上に伸びるように支柱を立て、ズッキーニを立体栽培することで株元の風通しも良くなり、一枚一枚の葉にしっかり日光があたり、病害虫の防除にもなるため、ズッキーニは立体栽培の方がよい結果につながります。

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ズッキーニの立体栽培①用土

ズッキーニの用土は、水はけのよい土が好ましいです。

たくさん実がなりますので有機質堆肥をたっぷり含んだ土だとよい実を次から次へと収穫できます。

露地植えなら堆肥をたっぷりすき込んでおきましょう。

堆肥の量を多く入れるので植え付け1ヶ月前には土の準備をしておくのが好ましいです。

プランターの場合は赤玉土6、腐葉土や堆肥4以上の割合で土を作り、有機質の元肥を施しておきます。

こちらも肥料がこなれるように、1ヶ月前には土の準備をしておくのがおすすめです。

有機物を多く土に入れる場合、すぐに作物を植えると未熟な部分の堆肥の発酵で出る熱やガスなどで根が傷んでしまいます。

土が馴染んでから植えられるよう十分な準備期間をとる方が無難です。

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ズッキーニの立体栽培②種まき

ズッキーニの種まきはポット蒔き、直播きどちらもできます。

ポットに種まきするなら3月中旬くらいから室内の暖かい場所で管理して育苗できるので気温が上がった5月には定植でき、早い時期から収穫できるのでおすすめです。

露地やプランターで直播する場合は十分に気温が上がってから種まきをします。

発芽適温が25〜30度とかなり高めです。

それに対して生育適温は17〜20度と冷涼な気候を好みます。

露地で直播する場合は、黒ビニールでマルチングしたり、ビニールキャップをかぶせて保温するなどして地温をあげる工夫をしましょう。

1箇所に3粒ほど種まきして、本葉が出揃ったところでよい株を1本残して他は間引きます。

ポットに種まきする場合も1ポットに3粒種まきして同様に間引きます。

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ズッキーニの立体栽培③定植

本葉3〜4枚になったら定植します。

ズッキーニは葉が大きくなり横に広がるので株間は十分に取る必要があります。

堆肥や肥料を十分にやって大きく育てる場合は1mの株間は取りたいところです。

プランターの場合は用土が最低でも25リットル以上入る野菜用の深型の大型プランターに1株です。

丸鉢なら10号鉢に1株を植えて育てます。

植え付け適期は5月に入ってからで、露地植えの場合は植え付けてすぐはビニールで囲いをするなどして保温してやるとよいです。

土や肥料の入っていた透明な袋の上下を切って筒状にした袋を使い、支柱を3本立てて苗の周囲を囲ってやるとよいでしょう。

プランターは日当たりのよい場所におき、必要なら全体にビニールがけして保温します。

また定植したら土の跳ね返りを防ぐために敷き藁をしいたり、ビニールマルチをかけましょう。

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ズッキーニの立体栽培④露地栽培の支柱の立て方

 

ズッキーニの苗が育ち始めたら立体栽培するための支柱を立てます。

保温のためのビニールの覆いを外して、株から15〜20cmの位置にしっかりした太い支柱を1本垂直に立てます。

ズッキーニの茎が上へ伸びていく時に、葉や実の重みで倒れないように支柱をしっかりと、まっすぐに立てて葉柄がちょうどよく寄りかかるくらいの感じでズッキーニが垂直に上に伸びるように株を支えます。

支柱を立てないとズッキーニの株は倒伏してだらしなく横に伸び始めます。

ズッキーニの立体栽培がおすすめの理由のところでも紹介しましたが、ズッキーニをまっすぐに上に伸ばす立体栽培をすることで株への日当たりもよく、土に触れる部分が少なくなるのでズッキーニの病害虫の予防にもなります。

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ズッキーニの立体栽培⑤支柱を立てる時の注意点

支柱を立てるタイミングでは、まだズッキーニの苗は小さいです。

そのため、ついピッタリと支柱をズッキーニに寄せてしまいがちですが、あまりズッキーニの株の近くに支柱を立てると、葉柄が大きく太く育つので、ズッキーニが大きくなってくると、葉柄が支柱にあたり傷ついてしまいます。

ズッキーニの立体栽培で支柱を立てるときはズッキーニが大きくなるのを見越して少し株の中心から離して支柱を立てるのがポイントです。

ズッキーニはカボチャの仲間ですが皮が柔らかく実が傷つきやすいのも注意が必要なポイントです。

1本支柱を立てても成長するにつれて重みで反対側に傾いていくこともありますので、株から少し外側の位置にバランスよく最低でも3本くらい、しっかり垂直に支柱を立てズッキーニの主幹を支えるのがおすすめです。

支柱を1本だけ立てて、その1本の支柱をズッキーニの葉柄2本で挟んで支柱の外側でゆるく紐で縛る方法もありますが、ズッキーニは葉が大きいだけに風が吹くと影響が出やすく、紐が葉柄に食い込んだり、支柱ごと倒れてしまうことがあります。

そのため、紐で縛ることはせずに株を取り囲むように複数の支柱で支えるだけの方が葉柄やズッキーニの果皮が傷つくこともなく、紐でゆわえる手間もなく手入れが楽です。

立体栽培ならまっすぐ上に伸ばすことで場所も取らなくてすみ、そのままどんどん上に伸ばすことが出来るので、きれいな実を長く収穫し続けることができます。

ズッキーニが横に伸びてしまうと、隣の株にぶつかってしまうため、それ以上伸ばすこともできません。

ズッキーニは葉茎も大きいため株自体がかなりずっしり重たくなります。

またズッキーニの実がなると、あっという間に大きくなり、これもまた重みを増す要因になりますから、立体栽培の支柱は太くてしっかりしたものを地中深く差し込んで固定します。

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ズッキーニの立体栽培⑥花が咲いたら受粉を

 

ズッキーニの花が咲き始めたら、特に生育初期や育てている株数が少ない場合は受粉を手伝って、確実に結実するようにします。

昆虫がいる場所での栽培なら放っておいても気温が上がると次から次へと実がなります。

ベランダでのプランター栽培はちょっとお手伝いしてあげた方が確実かも知れません。

ズッキーニの花には雄花と雌花があります。

雌花には花のガクの部分に小さな膨らみがあり、すでにズッキーニの形をしているのですぐにわかります。

雄花にはその膨らみがありません。

受粉は朝早い時間に行います。

咲いている雄花を摘み取り、花びらを取り去って雄しべだけの状態にします。

雄しべの花粉をちょんちょんと雌花のめ雌しべにつけてやればOKです。

ちなみにズッキーニの花は「花ズッキーニ」という野菜として食べることもできます。

ヨーロッパでは初夏の味覚として人気の野菜です。

雄花も雌花も食べることができます。

雌花の方はまだ小さなズッキーニの実の部分ごと蕾をいただきます。

花びらの部分にチーズを詰めてフリットにするのが定番のレシピです。

和食だったら天ぷらがおすすめです。

ズッキーニは花が咲き始めたら2週間ごとに追肥しましょう。

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ズッキーニの立体栽培⑦プランターでの育て方

ズッキーニをプランターで育てる場合も育て方はほぼ同じです。

軒下など雨の当たらない場所を置き場所として選ぶこともできるので、露地栽培より梅雨時期の過湿を心配しなくてよいかも知れません。

プランターは大きく深めのものを選び、ズッキーニの苗の植え付け後、すぐに支柱を立てておきましょう。

ズッキーニのプランター栽培の場合は土が限られていることもあり露地栽培よりはズッキーニの株が大きくなりませんので、支柱も露地栽培ほどガッチリしたものでなくても大丈夫です。

水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと、を繰り返します。

ズッキーニの株の背丈が高くなるのに合わせて主茎と支柱を緩く紐で結んで株が上に伸びるように誘引します。

ズッキーニの花が咲いたらはじめのうちは受粉を手伝うのも露地栽培と一緒です。

暑くなってきて放っておいても実がなるようになったら受粉は必要ないでしょう。

花が咲き始めたら2週間に1回追肥をします。

また週1回は水やりの代わりに液肥を与えます。

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ズッキーニの立体栽培⑧ズッキーニの実が腐る原因と対策

ズッキーニ栽培でありがちな失敗は実の先端が腐ってぐにゅぐにゅに崩れてくることです。

これは受粉できなかったズッキーニの果実に起こります。

受粉できなかったズッキーニはこのように実の先端から腐ってきますので見つけたら茎元から切り取って早い段階で処分しましょう。

受粉しなかったズッキーニが腐ること自体は病気ではありませんが放っておくと病害虫の原因になります。

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ズッキーニの立体栽培⑨ズッキーニの実が腐る病気

ズッキーニ栽培でよく見られる病害虫をいくつか紹介しておきます。

一つは軟腐病といってズッキーニの実が腐る病気です。

トマトやレタス、キャベツなどでも見られる作物が腐る病気です。

受粉できなかった果実が腐るのは病気ではありませんが、この軟腐病は細菌性の病気のためにズッキーニの実が腐るのです。

見つけたらすぐにその部分を切り取って処分します。

ズッキーニの立体栽培をすると実ったズッキーニが土に触れることがなくなるので軟腐病のリスクを減らすことができます。

もう一つの細菌性の病気がうどんこ病です。

ズッキーニは葉にうどんこ病が見られることがあります。

どちらも過湿や風通し、日照条件が悪いことで起こりやすくなります。

ズッキーニが受粉せず実が腐るのを放置してしまうことでも雑菌が繁殖して、軟腐病が起こる原因になりますので、いずれにせよ傷んでいるズッキーニの実を見つけたら早め早めに処分します。

うどんこ病は食酢を1000倍程度に薄めたものをズッキーニの葉に散布して普段から予防しておくのもよいです。

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ズッキーニの立体栽培⑩害虫

ズッキーニによく見られる害虫はウリハムシです。

ウリバエとも呼ばれるオレンジ色っぽい茶色の虫で、大きさは7〜8mm、ウリ科の植物を食害します。

幼虫は土中で根を食害し、成虫は葉を食害します。

ウリハムシにズッキーニの葉を食われると最初は小さく丸く葉に穴が開き、次第にその箇所が増え、ひどくなると葉の結構な面積が食われて、食われた部分は葉脈だけが残ります。

ズッキーニの場合、大きくなってからなら多少の葉を食われてもあまり深刻ではありませんが、幼苗を食害されるとズッキーニが光合成ができなくなりその後の生育が悪くなりますので、生育初期はウリハムシに注意します。

もし見つけた場合は捕殺するか、数が多ければ殺虫剤を使うことになります。

飛来予防には銀色のマルチをするなどして光を反射させる方法が有効です。

虫は光の乱反射を好まないため、ウリハムシだけでなくアブラムシなどその他の害虫の飛来予防にもなります。

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ズッキーニの立体栽培⑪収穫とズッキーニの大きさについて

花が咲いたあと、1週間するかしないかくらいの日数で長さ20cmくらいのズッキーニができます。

大抵はこの20cmくらいのところで収穫して、と説明されていると思います。

で、それは実際正しいです。

20cmくらいのズッキーニは柔らかくみずみずしくて美味しいです。

ただし、せっかく育てているのなら、ぜひ味わっていただきたいズッキーニの味があります。

ヨーロッパに行くと、もっと大きなズッキーニを市場で山積みにして売っていたりします。

この大きなズッキーニ、20cmくらいの柔らかいズッキーニとは違った美味しさがあります。

果肉がしっかりしていて、火を通してもしっかりした食感で味わいもより深みが増します。

実はズッキーニはかなり大きくなっても美味しいです。

そして大きいものの方が冷蔵庫で保存しておくにも長持ちします。

これはかぼちゃの仲間だからかな、と思うのですが、25〜30cmくらいにまでなったズッキーニは冷蔵庫でビニール袋に入れておくと1ヶ月くらいは平気で保存できます。

大きくなりすぎると種の部分の綿が柔らかくなってきますが、それもくり抜いて取ってしまうと周囲の果肉の部分は火を通す料理に使えます。

20cmのズッキーニで太さ3〜4cmくらいだと思いますが、25〜30cmのズッキーニだと太さ6〜7cm以上になります。

かなり大きくてずっしりですが、淡白な味のズッキーニは火を通した料理だといくらでもペロリと食べられてしまいます。

自分で育てているからこそ味わえる味ですので、収穫の大きさを調節して柔らかいズッキーニから、しっかりかみごたえのある大きなズッキーニまでぜひ色々試してみることをおすすめします。

生育初期は株の負担を減らすため小さいうちに収穫して、いよいよ株の勢いがついてきたところで大きなズッキーニに育てて収穫するのがおすすめです。

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ズッキーニは美味しくておすすめレシピもたくさん

 

ズッキーニは味が淡白ですが旨味がある野菜です。

そのため色々な調理法で楽しむことができます。

生のままサラダにしてもほんのり甘みがあって美味しいですし、ラタトゥイユや、野菜の煮込み、そのままソテーしてもグリルでも美味しいです。

皮をむいて中の白い部分だけを使ったズッキーニのポタージュはあたたくても冷たくてもとても美味しいです。

油との相性がいいのでひき肉を詰めて焼いてもいいですし、ズッキーニの花はフリットや天ぷらがお勧めです。

ズッキーニの実を大きく育てたものは収穫した後も冷蔵庫で保存がききますので、冷蔵庫にあるととても重宝します。

葉がとても大きくなるので、立体栽培でも比較的スペースは必要ですが、その分収穫もたくさんできます。

保存もできて、料理のレシピも豊富なおすすめ夏野菜です。

 

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