イタリアンパセリとパクチーの違いと見分け方、イタリアンパセリとパクチーの食べ方の違いについて紹介します。
イタリアンパセリとパクチーはその違いが、馴染みがないとちょっとわかりにくいハーブかと思います。
Balcofarmもイタリアンパセリとパクチーに出会ったばかりの頃は見分け方がわからなかったです。
ちなみに上の写真は左がイタリアンパセリ、右がパクチー、どちらもBalcofarmで育ったものです。
イタリアンパセリもパクチー も料理に使うととてもおいしいですし、慣れれば簡単に見分けがつくようになります。
この記事ではイタリアンパセリとパクチーの見分け方のポイントやそれぞれの料理への使い方を紹介します。
目次
イタリアンパセリとパクチーはどちらもセリ科の仲間です
イタリアンパセリとパクチーはどちらもセリ科の植物です。
イタリアンパセリとパクチー以外にもセリ科のハーブはたくさんあります。
葉が縮れているいわゆる普通のパセリもセリ科ですしセロリもそうです。
イタリアンパセリをもっと小ぶりに繊細にしたような形のチャービル(セルフィーユ)、葉が針のように細かいフェンネル、サーモンやピクルスによく使われるディル、ハーブというよりスパイスとして使われるキャラウェイやクミンもセリ科です。
日本の三つ葉やセリ、アシタバもセリ科です。
ちょっと変わったところでは茎の砂糖漬けを製菓材料の飾りに使うアンゼリカ、お刺身のつまとして添えられるハマボウフウもセリ科の植物です。
イタリアンパセリとパクチーの違いを見分けるポイントは葉の形
イタリアンパセリとパクチーは見た目が似ています。
馴染みのない人は、ぱっと見、同じに見えてしまうかもしれません。
実際ハーブに興味を持ち始めたばかりの頃の私自身もちゃんと区別がついていませんでした(笑)
でもよく見比べて見るとイタリアンパセリとパクチーの葉の形の違いが見えてきます。
イタリアンパセリの方は葉が三角っぽくて切れ込みが深いです。
パクチーはイタリアンパセリと比べて丸っこい葉の形で切れ込みは細かく浅いです。
写真上がイタリアンパセリで下がパクチーです。どちらも10月8日に種をまいて6週間たったところです。
写真はまだ本葉が4〜5枚の苗の状態ですが二つ並べて見比べるとその違いがわかると思います。
野菜売り場にハーブが置いてあるスーパーなどで実際に実物を見比べてみるとより違いがはっきりすると思います。
イタリアンパセリとパクチーの一番の違いは香りにある!
イタリアンパセリをはじめとするセリ科の植物は総じて爽やかなよい香りがするものですが、その中でパクチーだけは異端の香りを持っています。
セリ科の植物はとても爽やかなよい香りがします。
その香りには柑橘類にも含まれる成分があり、特にセリなどは少しレモンの様な香りを含んでいます。
大抵のセリ科の植物は多かれ少なかれ、その様な柑橘系の様な香りがわずかでもするので、爽やかな香りと感じるものが多いのですが、パクチーの香りだけは独特です。
パクチーは甘い香りにかなり癖のある香りが混ざり合っていて、なんとも形容しがたい独特の香りがします。
パクチーの香りはカメムシの匂いに似ている、と表現されるのですが、先日カメムシに遭遇したとき、ついに本当にパクチーの香りによく似ている、ということを体験しました。
イタリアンパセリとパクチーの香りにはこのように迷う要素がないくらい、はっきりとした違いがあります。
もし見た目だけでは見分けがつかないときは、葉をほんの少しで構わないので手で揉んで香りを確かめて見てください。すぐに違いがわかると思います。
イタリアンパセリは普通のパセリをマイルドにしたような爽やかな香りがします。
パクチーはなんとも言えない独特の香りなので、
「苦手〜!」
という方もいますね。
下の写真はパクチーです。
パクチーは中国ではシャンツァイ(香草)と呼ばれる野菜です。
余談になりますが、炒め物、と言ってもなんだか油で煮込んだ様な、油の汁に浸ったパクチーを中国で食べたことがあります。
そのときは1週間くらい中国南部を回る旅程で、毎日油っこい肉中心の中国料理を食べ続けていて、新鮮な野菜が食べたくてたまらない、といった状況でした。
しかし出てくるのは油たっぷりの料理ばかりで他に選択肢がない、という苦行の中で食べたパクチーの油炒めは最悪に不味い、と思っていました。
生まれて初めて食べたパクチーがそんなだったので、
「もう二度とパクチーは食べたくない!」
その時は心底そう思っていました。
それなのに。。。
帰国して、数ヶ月がたった頃でしょうか、なぜか急にパクチーが食べたいと思う様になりました。
生のパクチーを薬味として食べる東南アジア系の料理がすこぶる美味しくて、多分はじめはベトナム料理の生春巻きに入っていたパクチーを美味しいと思ったのがきっかけです。
それ以来、あんなに嫌だったパクチーがなぜか大好きに。
本当にやみつき、という言葉がぴったりの状態になりました。
一体なぜ急に好みが反転したのか、その理由は今でもわかりませんが今や自分でパクチーをベランダでプランター栽培するくらい、パクチーが大好きです。
イタリアンパセリとパクチーは使う料理のジャンルや食べる部位にも違いがある
イタリアンパセリは名前の通り、イタリア料理などの南欧料理でよく使われます。
パクチーはタイやベトナム、中国料理など東南アジア系の料理で使われ、醤油やナンプラーとの相性が抜群です。
食べる部位ですが、イタリアンパセリは茎から上の地上部の茎葉を食べます。
パクチーは、地上部はもちろん、根も炒め物やスープに入れて食べます。
パクチーの根はほんのり甘みがあって、香りもよく美味しいです。
パクチーの太めの根はご馳走です。天ぷらや素揚げにしても美味しいです。
またパクチーは種もスパイスとして利用しますから、植物全体を料理に利用します。
イタリアンパセリとパクチーは種の形も違う
セリ科の植物は花が咲いた後のこぼれ種でよく増えますし、日本の水場に生息するセリは根茎が広がってきれいな水のあるところならどんどん増えます。
大方のセリ科の植物は花の咲き方や、種のでき方も似ているのですが、パクチーだけは種の形が少し違っています。
他のセリ科の植物は一粒ずつの種になり、イタリアンパセリもそういう種ができます。
下の写真はイタリアンパセリのタネです。
でもパクチーは二つぶの種が丸い殻に覆われた状態で、まあるい形で種として完熟します。
下の写真はパクチーの種です。
この種を覆う殻のせいでパクチーは少し発芽しにくいです。
丸のまま種をまくと二本がくっついて発芽しますのでそのまま共育ちさせるか、発芽が揃ったタイミングですぐに間引きを丁寧にするか、どちらかになりますが、プランター栽培の場合は間引いて一本立ちさせた方が風通しがよく無難です。
間引きするときは丁寧に間引きしないともう一本の根を傷つけてしまいますので注意しましょう。
パクチーの種は丸のまままいても育ちますが、可能なら外側の丸い殻をそっと割って剥がして、中の種を一粒ずつまくと、吸水もしっかりして発芽が揃います。
下の写真の左の二つぶが種の部分、右側が割って剥がした殻の部分です。
まいた翌日には発芽してしまうルッコラなどと比較するとじーっと待たなければなりません。
1週間を越えても芽が出ないと心配になりますが、大丈夫です。
土をひっくり返したりせずにのんびり構えて発芽を待ちましょう。
イタリアンパセリもパクチーもプランター栽培でもたっぷり収穫できます。
以前少し化成肥料を補ってビニールをかけてプランター栽培したときは、パクチーが40〜50cmの立派な草丈に育ち、プランターなのに山盛りの収穫ができました。
ビニールをかけてやると蒸散を防ぐので、イタリアンパセリもパクチーも柔らかく大きく育った葉が収穫できます。
ビニールをかけないと、よくしまった味の濃い葉が収穫できます。
これはイタリアンパセリやパクチーに限らず葉野菜全般に言えることです。
パクチーの種は甘くていい香り
この丸いパクチーの種、外側の殻を外そうとそっと殻を割ったりしていると、種の持つ甘いいい香りがします。
パクチーの種は生の葉の様な独特の感じはあまりなく、甘い香りが心地いいです。
パクチーの種の粉末はスパイスのコリアンダーです。
カレーなどに使われる香辛料、スパイスです。パクチーは根っこも種もいい香りです。
同じセリ科だとフェンネルの種もハーブティとして使われます。
フェンネルの種のお茶はほんのり甘くていい香りがします。
イタリアンパセリもパクチーも美味しくて栄養も豊富
さあ、上の写真はイタリアンパセリ? それともパクチー? もうおわかりですよね?
答えはイタリアンパセリです。
イタリアンパセリもパクチーもビタミンCやAが豊富なハーブ野菜です。
イタリアンパセリは白身魚をこんがり焼いたものやマリネの香りづけにしたり、スープの香りづけに刻んで入れたりすると素晴らしく香りが良くなります。
パクチーはにんにくを効かせたお肉などの炒め物にナンプラーや醤油、紹興酒と一緒に合わせるととても美味しいです。
イタリアンパセリもパクチーも鉢やプランターに種をまいておくとよく育ちます。
ベランダやキッチンで1鉢育てておくととても重宝するので、別記事でイタリアンパセリやパクチーの育て方、プランター栽培のコツを種まきから収穫まで紹介しています。
こちらのページにもリンクを貼っておきますのでよかったらのぞいてみてくださいね。
どちらもハーブとして少量を料理の香りづけに使うのもよいですし、野菜としてたっぷり食べるのも美味しいです!