アスパラの茹で方、茹で時間はどのくらいがいいのか、アスパラの味が全く別物になる2つの茹で方を紹介します。
アスパラは茹で時間と茹で方を変えることで色々な味わいを楽しめる芽野菜です。
春から初夏にかけてが美味しい季節野菜です。
日本では今は一年中スーパーでグリーンアスパラが手に入りますが、ヨーロッパでは春に旬のホワイトアスパラをたくさん茹でて大皿に山盛りにして、旬の味覚を楽しむのだそうです。
ヨーロッパの人はアスパラの茹で方にこだわっていて、アスバラを茹でるための専用の鍋があるくらい、春の訪れを楽しみに親しまれている野菜です。
目次
アスパラの茹で時間ゼロ!アスパラを茹でない選択肢もある
アスパラの茹で方や茹で時間を紹介する前に。
アスパラの茹で時間ゼロ、つまりアスパラを茹でないで、生で食べることについても紹介します。
日本で一番アスパラの収穫量が多い産地は北海道、ついで長野や佐賀が代表的な産地となっています。
アスパラの畑は他の野菜畑とちょっと様子が違っていて、春先に地上部に何も生えていないただの土(に見える)にいきなりニョキッとあのグリーンアスパラの茎が伸びてきます。
以前アスパラの収穫が最盛期の時期に北海道を旅行した際、そんなアスパラ畑でアスパラの収穫をしていたおじさんと話をしたことがあります。
収穫の時期になると、近所の人がカゴを持ってアスパラを直接買いに来たりすることもあり、その時、一緒について来た子供達が畑のアスパラをポキポキ折って、おやつに生のままかじったりしてるよ、と畑のおじさんは教えてくれました。
その場でおじさんの許可をもらってアスパラをポキっと折り取って生のままポリポリと食べてみると、とってすぐのアスパラは柔らかくみずみずしく、甘みがあってとても美味しかったです。
鮮度がいいからこそ茹でないで食べても美味しいアスパラの生食、とても贅沢な体験でした。
アスパラや、竹の子などの芽もの野菜は植物の成長点を頂く野菜なので成長が早いことから、鮮度がものを言うのです。
アスパラを収穫後、時間が経つと芽が成長することに栄養が使われてしまうのでその分味も香りも落ちていきます。
とれたての新鮮なアスパラほど、茹でないで生で食べても甘味があり美味しいのです。
新鮮なアスパラが手に入った時は、生のアスパラをそのままポリポリとかじってもいいですし、スライスしてサラダにするのもおすすめです。
新鮮だからこその味わいです。
グリーンアスパラとホワイトアスパラの違い
アスパラは春先の短い期間に出回るホワイトアスパラと1年中手に入りやすいグリーンアスパラがあります。
ホワイトアスパラはアスパラを軟白栽培したものです。
アスパラの芽が伸びる時に日光に当たらないようにアスパラにおがくずや土をかぶせて遮光して栽培します。
日光が当たらないので緑にならず白いアスパラになります。
軟白栽培なのでグリーンアスパラよりも柔らかく、香りも優しく繊細で、日本でも旬の時期はイタリア料理やフランス料理でホワイトアスパラがよく使われています。
缶詰で出回っているのはこのホワイトアスパラの水煮です。
最近は紫アスパラも見かけるようになりました。
紫アスパラの色はアントシアニンによるもので、茹でたり加熱すると色は緑色に変化して、普通のアスパラとあまり変わらなくなってしまいます。
アスパラの茹で方と茹で時間①理想の茹で方はアスパラを立てたまま
野菜は生えていた時の状態にして保存するのが一番鮮度を保てる、ということがよく言われます。
大根や人参は葉の成長点の部分を切り取って新聞紙に包んで立てた状態で冷蔵庫の野菜室に保存する、葉物も洗って水分がついた時状態でで新聞紙に包ん立てて保存する。
アスパラもそれは同じで、冷蔵庫で保存している間に成長するので真直ぐに立てて保存しないと穂先が曲がってくるのです。
方向を変えて伸びようとするのはアスパラにとってストレスなので、茎に蓄えてある栄養を余分に使ってしまうそうです。
ヨーロッパではアスパラは春を告げる特別な野菜でその時期は誰もが沢山のホワイトアスパラを茹でて食べます。
そのためでしょうか、茹で方にもこだわったアスパラ専用の茹で鍋があります。
大きさはそれほどではないのですが縦に細長く内カゴがついていて、アスパラを立てた状態で茹でられて、しかもその内カゴのまま茹で上がったらさっと引き上げられるようになっています。
新鮮なアスパラの風味を最大限楽しむための茹で方なのだそうです。
アスパラの穂先を一番のご馳走として食べるために、こうやって茹でるとよいのですね。
個人的にはアスパラの穂先よりも茎もとの太くて甘い部分の方が好きです(笑)
アスパラの茹で方と茹で時間②茹で方、茹で時間で全く変わるアスパラの味を楽しむ
アスパラの茹で方を二つ紹介します。
二つ目の方法は、初めて聞いた時に
「えー! そんなのありえない!」
と思うようなアスパラの茹で方、茹で時間でした。
ですので知ってから2〜3年、実際にそのアスパラの茹で方を試すことはありませんでした。
でもある時、ふと試してみる気になってやって見たら、びっくりするほど美味しくて。
フレッシュなアスパラを味わう茹で方とはまるで別物の味わいを楽しむことができるので、今はその日の気分でこちらの茹で方も楽しむようにしています。
料理は人によって好みもあるので、ご興味があればやって見てくださいね。
詳しいアスパラの茹で方はこのあと紹介します。
アスパラの茹で方と茹で時間③アスパラの下ごしらえも茹で方のうち
売られているアスパラの茎元は硬くて食べられない部分があります。
ただし、外側の皮をむくと中は柔らかいところもありますので、何センチも切り落としてしまってはせっかくのアスパラがもったいないです。
様子を見ながら、切り口の乾燥したところを5mm程度切り落として、切り口がみずみずしい部分が出て来たら、それ以上は切り落としません。
切るときに包丁でゾリゾリした感触があるときはまだ皮だけでなく茎の中心の繊維も硬いのでもう少し切り落としましょう。
次に包丁でアスパラの切り口部分の表面の皮をこそげ取るように少しだけ刃を立てて手前に引くと皮の硬い部分だけがスーッとむけて来ます。
ぐるりと1周、アスパラの茎元の部分だけ皮をはいだら下ごしらえ完了です。
グリーンアスパラでもホワイトアスパラでも同じ方法で下ごしらえします。
これで茎元も無駄なく美味しくいただくことができます。
アスパラの茹で方と茹で時間④アスパラのフレッシュな茹で方
さて、アスパラの茹で方、その1のご紹介です。
アスパラの茹で時間が比較的短いフレッシュな風味を楽しむ茹で方です。
アスパラを茹でるためのお湯を沸かします。
アスパラを1本丸ごと切らずに茹でられるサイズの鍋がよいです。
なければアスパラを半分の長さに切って茹でます。
塩ひとつまみを加えて煮立ったところにアスパラを根元から立てて入れて30秒から1分先に火を通します。細めなら30秒、太いものは1分弱でしょうか。
その後穂先の部分も含めてアスパラ全体を湯に潜らせさっとゆであげます。
茹で時間はアスパラのカリッとした歯ごたえを楽みたいなら全体で2〜3分、柔らかめにしたいなら3〜4分が目安です。
アスパラに限らず野菜は鮮度によって火の通りが違いますので様子を見ながら加減しましょう。
アスパラを湯に入れると最初はパッと色が鮮やかになり、そこから少しその色鮮やかさが浸透していったように表皮に透明感が出てきます。
色鮮やかになったところで引き上げればフレッシュな感じ、透明感が出てきたら、しっかり火が通って軟らかめの食感の茹で具合になります。
アスパラの茹で方と茹で時間⑤アスパラの甘くてやわらかい味を楽しむ茹で方
アスパラの茹で方、その2です。
アスパラの茹で時間を長くとる方法です。
この茹で方をご存知の方はあまりいないかもしれませんが、とてもやわらい、缶詰のアスパラのような味を楽しむことができます。
冷蔵庫でよく冷やしていただくと本当に美味しいのでぜひこのアスパラの茹で方も試してみてください。
ホワイトアスパラでもグリーンアスパラでもこの茹で方は使えます。
グリーンアスパラの場合は色は少し悪くなってしまいますが、アスパラの甘くてとろとろの食感を味わうことができる、一度は試してみて欲しい茹で方です。
なるべく太いアスパラを用意します。
下ごしらえやお湯を沸かすところまでは一緒です。
この茹で方でアスパラを茹でるときは、茹で時間が長いため養分が流れ出ないようにアスパラは切らずに長いまま茹でててください。
旨味が抜けないように少ないお湯で茹でるため、フライパンを使います。
塩の量はフレッシュな茹で方より控えめにします。
お湯が沸騰したところに塩を少々入れてからアスパラを入れ、再び沸騰し始めたら、ごく弱火にしてそのまま15分ほどじっくり茹でます。
塩を控えめにするのは茹で時間が長く、水分が蒸発して最終的に味が濃くなりますので最初は水に対して控えめな量の塩で大丈夫、ということです。
じっくり時間をかけてとろ火で茹でるとアスパラがくたくたに柔らかくなりますので、崩れないようにそっとヘラなども使ってアスパラをお皿にとります。
温かい状態で食べる場合は茹で上げた熱々を食べるよりも、少しアスパラの温度が下がって落ち着いてからの方が甘みがはっきり感じられます。
そのまま冷蔵庫で冷やしてからいただくのがとても美味しくておすすめです。
アスパラの茹で方と茹で時間⑥ホワイトアスパラの茹で方
ホワイトアスパラを茹でるときは、上記で紹介した方法でも十分ですが、より丁寧に、色よく白く仕上げようと思ったらレモン汁を少し加えるか、農薬を使っていないレモンがあれば、レモンの皮を鍋に入れて茹でます。
レモン汁はたくさん入れすぎると酸味がついてしまいますので、味が変わらない程度に加えましょう。
レモンの皮を使う場合は酸味を気にしなくていいので、果肉をすべて取り除いてから加えるとよいでしょう。
春の芽野菜アスパラは滋養たっぷりの野菜
アスパラギン酸はアスパラから発見された必須アミノ酸です。
栄養ドリンクなどにも使われる成分ですが、料理の面から言うとグルタミン酸と似ている旨味のもとです。
日本の筍のようにヨーロッパでは春を告げる芽野菜。
これからぐっと成長する植物の成長点を食べる野菜です。
風味豊かで美味しくて滋養栄養もたっぷりのアスパラ、ぜひいろいろな茹で時間を試してみてください。
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