ステビアの利用法、ステビアシロップの作り方を紹介します。
ステビアは秋、花が終わった後、一番甘味が強くなります。
今回はこの一年のうちで一番甘いステビアを使ったステビアシロップの作り方、苦味をとる方法について紹介します。
予想通り、以前記事をアップした春から夏にかけての若いステビアの葉を使ったシロップとは前年違う結果になりました。
目次
ステビアシロップ、秋の作り方①ステビアの収穫
1本の太い主枝を摘心して脇芽が大きく育った秋遅くのステビアです。
主枝に直接つく葉よりも一枚の葉の大きさは小さくなります。
1年目のステビアの苗を小さな10.5cmポットで育てましたが、大きく育ち、高さが1m30cm
ほどになりました。
地上部を20cmほど残して刈り取りました。
枯れた葉がそのまま枝についていたものを取り除いた時に、よく乾燥した葉を味見してみました。
ものすごく甘味が強く、よく乾燥していたので香ばしさも感じられ、とても美味しいです。
今回もステビアの生葉を使ったシロップで春との比較をしたいので、上の写真の緑の葉だけを摘み取りシロップを作っていきます。
ステビアシロップ、秋の作り方②ステビアの葉を粗くきざむ
ステビアの葉をよく水で洗ってゴミを落とし、ザルにあげ、よく水気を切ります。
キッチンペーパーなどでステビアの葉の水気をしっかり拭き取ってから、まな板の上で包丁で粗く刻みます。
たくさんステビアを収穫できた時でも、ミキサーやフードプロセッサーなどを使うと、ステビアの細胞組織を壊しすぎて青臭さや苦味が甘みと一緒に出やすくなるので、よく切れる包丁でざっくり刻むだけにします。
ステビアシロップ、秋の作り方③ステビアの成分をじっくり水だしする
春の時と同様、まずはステビアの水だし液を煮詰めてシロップにする方法から試していきます。
刻んだステビアをステビアの4〜5倍程度の量(体積)の水に入れて、まる1日程度置いて、
ステビアの水だし液を作ります。
この時点ですでに上の写真は水にステビアの成分がかなり染み出して水に色がついています。
下の写真は春に作った水だしステビアシロップの同じ工程の写真です。
春のステビアは水の色がまだ透明で、この段階ですでに違いがはっきり出ています。
ステビアシロップ、秋の作り方④ステビアの水だし液を濾し取る
24時間以上おいたステビアの水だし液をキッチンペーパーなどで濾します。
上の写真が今回作った秋のステビアシロップの元になる水だし液、下の写真が春の時のステビアの水だし液です。
ステビアの葉は絞らず静かに漉しとります。
ぎゅっと絞るとステビアの葉の苦味成分も絞り出してしまうので、ぎゅうぎゅうと絞ることはせず、あくまで優しく軽く濾しとります。
春に予想した通り、秋のステビアは水出しの段階からすでに浸出液が褐色です。
秋の水だしステビア液の味は、春のステビア液と比較してはっきりと甘味を感じるのに加えて、香りもよかったです。
この香りのよさは全く予想していなかったのですが、どこかフルーツや蜂蜜が合わさったような香りでした。
この段階で秋のステビアの水だし液は飲み物として美味しいと思いました。
これを煮詰めると美味しいシロップになるのではないかと期待が持てます。
濾し取ったステビアの葉はまだまだ甘さが濃く感じられるので、この後また煮出したシロップを作っていきます。
ステビアシロップ、秋の作り方⑤ステビアの葉を煮出す
水だし液を濾し取った後のステビアの葉に再び水を注ぎ、電子レンジで3分加熱して、煮出したステビア液を濾し取ります。
春の時より色が濃く、成分も濃いように見えます。
温かい状態で味を見てみるとステビアの甘味が強く出ています。
ただし、苦味もかなり強い。
青臭さはあまり無いのですが、苦味が強くて、ちょっとシロップとしては美味しくないです。
ここで濾し取ったステビアの葉はまだまだ甘いので、もう一度、1回めの半分の水を加えて煮出してみます。
前回、春のステビアシロップ作りでは、この2回目に煮出したシロップが一番美味しかったので期待大です。
ステビアシロップ、秋の作り方⑥ステビアの葉をもう一度煮出す
2回目に煮出したステビア液の写真です。
だいぶ色が薄くなり、さらに期待が膨らみます。
色は緑ではなく褐色ですね。
温かい状態で味を見てみると。。。。
甘味は強い、でも…苦い!
うーん、これも1回目に煮出したステビア液と同様美味しくないです。
1回目、2回目共に煮出したステビアシロップの甘味は春より断然甘いのですが、苦味も強くてこれはちょっと使えない感じです。。。
期待感があっただけに、甘味が強かっただけに、苦味が抜けなかったのが残念です。
ステビアシロップ、秋の作り方⑦ステビア液3種類の比較
出来立てのステビア浸出液です。
上の写真が今回作った秋のステビア液、下の写真が春のステビア液です。
どちらも左から、水だしステビア液、1回目に煮出したステビア液、2回目に煮出したステビア液です。
春と秋では全然色も味も違います。
今回作ったものは時間が経過してもステビア液の色もほとんど変わらず褐色のままでした。
味は最初の水だしステビアシロップが一番美味しい。
秋の水だしステビアシロップは苦味はなく、甘味はしっかり感じられ、香りも心地よいのです。
春のステビアシロップと、あまりの違いに驚きを隠せません。
ステビアシロップ、秋の作り方⑧ステビア液3種類を煮詰めてみる
ステビア液をそれぞれ半分から1/3量になるまで煮詰めました。
どれも材料はステビアと水だけ。
煮詰めるのも春に作った時と同じ鍋を使いました。
出来上がりのステビアシロップの色は黒糖を思わせるような濃い褐色。
味の違いですが、水だしステビアシロップは煮詰めても苦味は全くなく、甘味は濃くなりました。
ただし、煮詰める際に、アクがたくさん出て、アクを取り除きました。
春に作ったステビアシロップでは煮詰めてもどれもアクはほとんど出ませんでした。
これは火にかけた分、ステビアシロップの香りが飛んでしまいましたが、味は美味しいです。
最初に煮出したステビアシロップ、2回目に煮出したステビアシロップは甘味は強いですが苦味もかなり強く出てしまっていて、とても使えない感じです。
秋は水だしが一番ですね。
煮詰めるよりも甘味は軽いですが、水出しのまま火を入れず、ステビアシロップの香りがよいところを楽しむのがおすすめだと思いました。
ステビアシロップ、秋の作り方⑨秋の苦味のないステビアシロップの作り方
今回は秋の生葉のステビアから作るステビアシロップの作り方を、春と同じ方法で試して比較みました。
春とは予想以上に出来上がったステビアシロップの味に違いがありました。
結果、2021年は春は二煎目のステビアシロップを煮詰めたもの、秋は水出しのまま火入れしないシロップが一番美味しかったです。
この2つで比較すると、春の春は二煎目のステビアシロップにはわずかに苦味も感じられましたが、色の美しさが素晴らしかったです。
秋の水だしステビアシロップは苦味は全く感じられず、甘味がしっかりあり香りがよかったのが印象的でした。
それぞれのステビアシロップには甲乙つけがたい魅力があり、季節ごとの楽しみがあると感じます。
育った場所によってステビアの成分なども違ってくるでしょうから、もっと違った作り方でステビアシロップを美味しくできる方法もまだまだきっとあるかもしれません。
ステビアシロップ、秋の作り方⑩次回は秋の乾燥ステビアで
地上部を刈り取ったステビアは、春に向けてすでに脇芽が育ってきています。
少し大きな鉢に、植え替えて来シーズンに備えます。
ステビアはあまり寒さに強くないので冬場は暖かい場所で管理します。
来シーズンは葉を大切に育てて秋の乾燥葉を煮出したステビアシロップを作ってみたいと思っています。
乾燥したステビアの葉そのものを味見した時、干し草のような香りと共に、甘味が強く感じられ、苦味はほとんど感じられませんでした。
これがそのままステビアシロップの味になるのなら、美味しいステビアシロップができるのではないかと思ったのですが、結果はまた秋に。
春にステビアシロップを作った時の記事はこちらになります。