菜の花の育て方、菜の花栽培の時期と種まき、間引きについて紹介します。
菜の花はアブラナ科の植物で、観賞用、食用、採油用の品種があり、収穫して楽しめる期間も長く、栄養についてもビタミン、ミネラルがバランスよく豊富に含まれています。
また果樹などを育てていて受粉させるために蜜蜂を呼びたい、という方は菜の花を植えておくと蜜蜂が春先に咲く黄色い菜の花目掛けてやってきてくれます。
菜の花が一面に咲くと周囲がぱあっと明るくなる、春の訪れを告げる花です。
目次
菜の花の育て方①菜の花の種まき時期
菜の花の種まき時期は9月から10月にかけてになります。
露地栽培の食用菜の花の旬は2月から3月になります。
その時期に収穫できるよう、前年の秋に種まきします。
冬を越してぐっと旨味が増した花芽にはコクと旨味とわずかなほろ苦さがあり、これぞ春の味覚、という味です。
営利栽培の菜の花は産地やハウス栽培などによって今では12月ごろからスーパーなどに出回っています。
家庭の庭やプランターで育てる場合、種まき時期があまり早いと虫に食べられやすいので少し気温が下がってからの種まきをお勧めします。
菜の花の育て方②プランター用土
菜の花栽培の用土は有機質に富んだ土を使います。
なるべく太くて柔らかい花茎を育てるにはたっぷりの養分が必要です。
赤玉6、腐葉土や堆肥4の割合の用土に苦土石灰などを混ぜて酸度調整してから、土に元肥を混ぜ込みます。
プランター用土は65cm標準プランター以上の大きさにします。
大きな株に育てて充実した花茎を育てたいので、できれば深型のプランターがよいです。
菜の花の育て方③種まき
プランターに2列、棒などを土に押し付けて種まき用の溝を作ります。
溝の深さは1cmくらい幅は2cm程度にします。
菜の花の種は細かいので溝の底を鎮圧して、種が土の隙間からあまり奥に落ちていかないようにします。
菜の花の種はよく発芽しますので、作った溝の中にタネを1cm程度の間隔でまいていきます。
まき終わったら、軽く土をかぶせて細目のジョウロで水やりしておきます。
菜菜の花の育て方④発芽と間引き
種まき後、2〜3日で菜の花の双葉が発芽します。
綺麗に1cm間隔で種まきできていれば発芽直後は間引きの必要はありません。
偏りがあって密集してしまったり、隣同士の葉が重なってしまうようなところは間引きます。
小さな双葉を集めると大した量にはなりませんが、双葉の時でも間引き菜として食べられます。
たくさん間引く時は小さなザルを片手に、間引きをするとよいです。
本葉2〜3枚になったところで株間3〜4cmに間引きをします。
この時も成長具合に合わせて隣同士の歯が触れ合うかどうか、というくらいの間隔をとります。
本葉5〜6枚、草丈10〜15cm程度になる頃に株間を20cmくらいにします。
このくらいの大きさになった間引き菜は、青菜として茹でておひたしにしてもいいですし、根に土をつけて丁寧に抜き取ると、苗として別の場所に移植して育てることができます。
菜の花はとても丈夫で移植してもよく育ちます。
定植は11月初旬までに行います。
菜の花の育て方⑤定植する場合
苗が15〜20cmくらいの高さになったら、定植します。
用意しておいた用土に根鉢の大きさの穴を開けてその穴に水をたっぷりやって水鉢を作ります。
そこに菜の花の苗を植えて土を軽く押さえ、水やりします。
あとは活着するまではよく観察して土の表面が乾いたら水をやります。
最初はしんなりしていると思いますが、根が土に落ち着くとちゃんと水分を吸い上げて成長を始めます。
菜の花は丈夫ですので根鉢が多少崩れても大丈夫ですので、安心して植え付けをしてください。
初心者の方でも育てやすいと思います。
菜の花の育て方⑥追肥について
菜花は大きく育てたいので発芽後は2週間に1回を目安に追肥をします。
まだ苗が小さいうちは少しずつ、大きくなるにつれて施肥量を少しずつ増やします。
栽培期間が長いこともあり、肥料切れを起こさないように気をつけます。
肥料切れを起こすと、花芽の茎が細くなったり、硬くなったりします。
太くて柔らかい花芽が美味しいので、水と肥料はしっかりやるようにします。
菜の花の育て方⑦間引き菜の利用について
菜の花の種まきでは、点まきにするよりもすじまきにした方が間引き菜をたくさん収穫できます。
少しずつ成長に合わせて間引いていきますが、菜の花は若いうちは葉も薄く、おひたしなどで食べるときにもさっぱりしていて、どちらかというとシャキシャキした山東菜のような食感になります。
大きくなってくると葉色も濃くなり、葉に厚みが出てきます。
そうして菜の花の株の成長が充実すればするほどるほど、コクと旨味が増して菜の花特有の美味しさがはっきりしてきます。
おひたしや油で炒めたり、味噌汁の具にしたり、菜の花の間引き菜は美味しくいただけます。
菜の花の育て方⑧菜花の収穫
菜花は気温が下がってくると花芽ができて、それから徐々にとう立ちが始まります。
最初は株の真ん中から太い花茎が出てきますので15cmから20cmになる頃、茎元のわき芽を残して蕾の先10cm程度を摘み取って収穫します。
この一番芽が一番太くて美味しいご馳走です。
さらに追肥をしながら引き続き育てているとわき芽からどんどん花芽が上がってきます。
二番芽、三番芽くらいまではかなり充実した菜の花を楽しめると思います。
徐々にわき芽の花茎が細くなっていきますが、花芽は同じく美味しくいただけますので順次収穫していきます。
寒い時期の菜の花はコクがあって柔らかくとても美味しいです。
春、徐々に気温が上がってくると成長が早くなるのでその分養分を蓄える期間が短くなり花芽の味は落ちてきますので、適当なタイミングで栽培終了にしましょう。
菜の花の育て方⑧開花と種の取り方
食べる花芽の収穫を終えたあと、花を咲かせて鑑賞したり、翌年用の種を実らせて採種することができます。
種を取りたい場合は、少し太めのよい花芽を1〜2本残して開花・結実させて、種のさやが茶色くなってから種を収穫します。
さらにさやをよく乾燥させてから紙袋に入れた上で缶などに入れて密封保存します。
紙袋が余分な湿気を吸収してくれて、種をよい状態で保存できます。
缶は冷暗所に保管します。
菜の花の保存方法
収穫した菜花はすぐに調理するか、そうでない場合は洗ってしばらく水につけて水分を吸収させてから新聞紙などに包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫に入れておきます。
自分で収穫したものは丁寧に保存すれば冷蔵庫でも1週間程度日持ちします。
それ以上になる場合は固めに茹でて冷凍するのがおすすめですが、冷凍すると解答したときにどうしても繊維が崩れている食感になるので、生のまま調理したのをは少し違います。
やはりとれたてをすぐにいただくのがいちばんのおすすめです。
おひたし、菜の花のペペロンチーノ、菜の花の味噌汁、天ぷらなどがおすすめですが、個人的には塩茹でして食べるか、オリーブオイルとニンニク、塩胡椒でさっと炒めて食べるのがシンプルだけどいちばん美味しくて好きです。
菜花は花の蕾の部分を食べる春の味覚として、スーパーなどで販売されているものは本当に先端の花芽の部分を短く切りそろえたものが販売されています。
でも、20cmほどに伸びた茎を切って収穫した時の、茎や葉もとても美味しいです。
特に太く柔らかい茎は甘みもあり素晴らしく美味です。
これは自分で栽培していないとなかなか食べられません。
栄養豊富な春野菜、菜の花、丈夫で育てやすいのでプランターで作ってみてはいかがでしょうか。
菜の花以外にもアブラナ科の野菜の花芽は食用にすることができます。
アスパラ菜は花芽を食べる野菜ですし、小松菜なども花芽を花菜、あるいは菜花として食用にすることができます。
下記の別記事で花芽を食べる花菜野菜の育て方を紹介しています。
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