へちまの育て方、へちまを食用にする、食用へちまのおすすめレシピのほか、へちまの利用法の王道であるへちま水やへちまたわしの作り方を紹介します。
へちまは食用にも観賞用にも実用品にもなります。
日本では古くからへちまを食用、観賞用の他、へちま水(へちま化粧水)やへちまの繊維を活用したへちまタワシとして利用してきました。
へちま水は「へちまコロン」というそのままの商品名で販売されている化粧品もあり、美容効果があることは古くからよく知られています。
へちまの栽培、育て方自体はとても簡単で、へちま水やへちまタワシも作り方はシンプルで、利用価値が高い日本古来のハーブといってもいいかもしれません。
このへちま、沖縄ではナーベラーと呼ばれていて若い実を食用にします。
へちまの皮をむいて火を通すと、とぅるんとした食感がとても美味しい野菜です。
観賞用や、へちま水、へちまタワシとして利用するだけでは勿体ないのでへちまの育て方・栽培方法と合わせてへちまを食用として料理するときの注意点、おすすめレシピを紹介します。
目次
糸瓜(へちま)の読み方
「糸瓜」と書いて「へちま」と読みます。
へちまの実に繊維質が多くあることから文字通り「糸瓜」という名前がつけられ、もともとは「いとうり」と呼ばれていたそうです。
それが徐々になまって「とうり」と呼ばれるようになり、そこから「へちま」と呼ばれるようになった理由は「いろは唄」の文字のならびに由来するという説があるようですが、正確なところはわかっていません。
実際には「へちま」「ヘチマ」と表記されることの方が多いので、「糸瓜」とあってもすぐにへちまだとわからない方も多いのではないでしょうか。
ちなみに金の糸瓜と書いて「金糸瓜」、こちらはそのままの読み方で「きんしうり」と読みます。
これ、なんだかわかりますか?
そうめんカボチャのことです。
こちらも本当にその名前がぴったりですね。
へちま栽培・育て方①へちまの栽培は簡単、ただし連作はNG
へちまはウリ科の植物です。
へちま栽培は地植えでも鉢植えでも育て方は簡単です。
ただしウリ科同士の連作を嫌いますので植える場所、あるいは鉢土が再利用の場合は過去2〜3年きゅうりやゴーヤ、かぼちゃやスイカ、ズッキーニなどを育てていない土で栽培します。
ウリ科の植物を育てた鉢土の場合は土をそっくり入れ替えます。
へちま栽培・育て方②種まきもしくは苗から育てる
へちま栽培はキュウリやゴーヤとほぼ同じような育て方で日光によく当たる場所で行います。
へちまは大きく育ち次から次へと実がなるので、土もよく肥えて有機質に富んだ水はけのよい土に元肥をしっかり施して準備します。
へちまの種まきは室内なら保温できるので春の早い時期からできますが、屋外の場合は5月になってから種まきします。
へちまの苗から育てる場合も5月に入って地温が十分に上がってから苗を植え付けます。
へちまは地上部だけでなく根もよく広がりますので土をしっかり耕して、地植えの場合は株間90cmくらい取るようにします。
へちまを鉢植えで育てる場合は10号鉢に1本、65cmプランター(できれば深型)に1本を植えます。
種まきから育てる場合は1箇所3粒ほど種まきして双葉が出揃ったら形がよいものを1本残して他を間引きます。
へちまをポットに種まきした場合は本葉が2〜3枚出たところで定植し、支柱を立てます。
へちまはつるが伸び、葉も大きくなりますので支柱を複数立てて、横にも支柱を渡してしっかりとへちまの重みに耐えられるようにします。
つる植物栽培用のネットを張ってそこにつるを這わせてもいいでしょう。
へちまを観賞用で楽しむ場合は棚づくりにすると、たわわに実ったへちまが垂れ下がる姿が夏場に涼しげて、へちまの実の柔らかい緑が美しいです。
へちま栽培・育て方③水やり
へちまは水が大好きですが過失は嫌いますので、水はけがいいようにしっかり畝上げしたところで育てます。
地植えの場合はあまりへちまに水やりは必要なく、定植から苗が活着するまでは水をやりますが、それ以降はよほど雨が降らない、ということでなければ水やりは必要ありません。
夏の暑さで土が乾かなように敷き藁をたっぷりかけてマルチングして栽培します。
こうすることで水やりや雨による土はねも防止することができます。
へちまの鉢植え栽培の場合はへちまが大きく育ってくると1枚1枚の葉の面積が大きく蒸散が激しくなるので鉢土が乾き始めたらたっぷりと水やりをします。
夏場は朝晩2回の水やりが必要になると思います。
へちま栽培・育て方④花が咲いたら最初は人工受粉を
へちまには雌花と雄花があります。
上の写真左の花がへちまの雌花です。
花びらの下のところが縦に長く少しだけ膨らんでいます。
受粉するとこの部分が徐々に肥大してへちまの実になります。
写真右の花がへちまの雄花になります。
こちらは花びらの下のところに膨らみはありません。
定植したへちまに雌花の一番花が咲き始めたら、雄花を摘み取って雄しべの花粉を雌花のめしべにちょんちょんとつけてやり人工授粉をします。
へちまの人工授粉はまだ花が少ない時期だけ手伝ってやれば大丈夫です。
本当は人工授粉しなくてもへちまはよく実がなるのですがせっかくの初雌花、早く実をならせたい!という場合にしっかり人工授粉をしてやると、早く実が収穫できます。
また一番花が咲き始めた頃から2週間に1回の追肥を開始します。
花が咲く前に肥料をやってしまうとつるボケしてつると葉ばかりが伸びて、実がなりにくくなります。
あまりへちまのつるの勢いがつよい場合は親づるの先端を摘心してそれ以上は上に伸びないようにします。
先端の成長点を止めることでへちまの脇芽が広がります。
へちま栽培・育て方⑤食用へちまの収穫
へちまを食用として栽培・収穫する場合もへちまの栽培の方法、育て方は特に変わりません。
開花後、1週間から10日程度でへちまの実が程よい大きさになりますので、このタイミングでへちまの実を収穫します。
へちまの実を食用として利用する場合、美味しい時期の目安はへちまの実が20〜25cm程度ですので、この長さになったら収穫します。
食用へちまはへちまの未熟果を野菜として利用します。
この時期を逃すと、美味しくなくなります。
へちまの実は油断するとあっという間に大きくなってしまうので収穫タイミングを逃さないようによく注意して観察しましょう。
へちまの食べ方の注意点、レシピについては後ほど紹介します。
へちま栽培・育て方⑥へちまたわしの作り方
へちまたわしを作る場合は、逆に大きくなり完熟したへちまの実を利用します。
へちまの実が50cmほどになってゴツゴツと硬くなったへちまの実を収穫します。
収穫した実は屋外でたっぷり水を張ったバケツやタライなどの中に沈めてそのまま繊維以外の果肉の部分を腐らせます。
十分に腐らせたものをもみ洗いして果肉を綺麗に落とし、中のタネを取り出すとへちまの繊維だけが綺麗に残ります。
これを乾燥させればへちまたわしの出来上がりです。
屋外とはいえ腐らせて置いておくことに抵抗がある方やにおいが気になる方は、へちまを30分くらい煮て果肉を柔らかくして、人肌以下の温度に冷ましたものをもみ洗いして果肉とタネを掃除する方法もあります。
どちらもいい時期に収穫ができていればへちまの繊維は白っぽいです。
もし収穫時期が遅くてへちまの実が過熟すると、へちまたわしにした時の繊維は茶色っぽくなってきます。
出来上がったへちまたわしの色が気になる方は、台所用漂白剤を使って漂白すれば綺麗な白いたわしができます。
市販されているへちまたわしはあらかじめ漂白されて色を白く仕上げているものもあります。
へちま栽培・育て方⑦へちま水(へちま化粧水)の作り方
へちま水(へちま化粧水)を作りたい方はへちまの実ではなくへちまの根と親蔓を土に植わっている状態のまま利用します。
8月に入って成長が旺盛になったへちまの親蔓を地上50cmくらいのところでカットします。
カットした上の部分はそのまま処分することになります。
地上部をごっそり剪定された状態になったへちまの親蔓ですが、根の部分は地上部に伸びていた全ての葉やへちまの実の水分、養分を吸い上げるだけの大きさに育っています。
水分、養分を供給する能力はたっぷりある状態になっているので、この親蔓の先端をくるっと折り返して清潔に消毒した遮光ガラス瓶の口に差し込みます。
瓶の口の部分はゴミや埃が入らないように綿を詰めて蓋をします。
親蔓の切り口に根から吸収された水分がどんどん上がってくるのでそれをガラス瓶の中にためていきます。
植物ですので個体差や天候による差がありますが、1昼夜で500cc〜のへちま水が取れます。
ガラス瓶は直射日光が当たって温度が上がるとせっかく溜まったへちま水が腐敗しやすくなるのでアルミホイルでくるんで直射日光が当たらないようにするか、瓶底から2/3くらいの部分を土の中に埋めます。
集めたへちま水はエタノール(無水アルコール)やグリセリンを少量加えて調整します。
エタノールには殺菌や防腐、グリセリンは肌を柔らかくし保湿を促す働きがあります。
100ccのへちま水に対してエタノール10cc、グリセリン5ccを目安に加えて混ぜます。
これをガーゼなどで漉して冷蔵庫にいれて必要な時に利用します。
流通している化粧品のような防腐剤を入れていないので必ず冷蔵庫に保管して1週間程度で使い切るようにします。
もしそれ以上保存したい場合は集めたへちま水の原液を小分けにして冷凍保存しておくのも一つの方法です。
出来上がったへちま水は自家製化粧品になりますので、あくまで自分や家族用、自己責任の範囲での使用に留めましょう。
へちまを食用として料理する際の注意点|沖縄ではナーベラーと呼ばれるれっきとした野菜
へちまの未熟果を食用に出来ることはあまり知られていないか、知っていても食べたことがない方もいらっしゃいます。
へちまは沖縄ではナーベラーと呼ばれる日常的に食される野菜です。
食感はナスのように柔らかく「とぅるん」とした食感、淡白な味で味噌や油との相性が抜群です。
カリウムやサポニンなどを含むみずみずしい夏野菜です。
とても美味しいへちまですが、料理する際は注意点が一つあります。
それは皮は向いて食べることです。
キュウリもゴーヤも皮をむかずに食べることができますが、へちまの場合は必ず皮を剥いて利用します。
皮を剥くときはケチらずにしっかり厚めに皮をむきます。
薄く削るように皮を剥いて料理に利用すると、へちまの皮の泥臭さが残ってしまって美味しくありません。
同じウリ科だと、ズッキーニやカボチャは皮ごと煮たり焼いたりして食べると美味しいですが、へちまの皮は本当に泥臭くで美味しくない、まずいです。
なのでへちまの皮は少々もったいないな、と思ってもしっかり厚めに皮をむいてから料理するのがへちまを美味しく食べるコツです。
そうすることで淡白で柔らかく優しいへちまの味を堪能することができます。
へちまのレシピ|ナーベラー(へちま)チャンプルー
ナスのように柔らかく色も白くて水分をたっぷり含んでいるへちまはどんな料理にも利用できますが、やはり味噌との相性は抜群です。
沖縄料理のナーベラー(へちま)の味噌炒めはとても美味しいです。
気のおけない家庭料理ですので分量はお好みで調整して作ってみてください。
<材料>
ナーベラー(へちま)20cm〜 2本
豆腐 1丁
豚肉(SPAMでも!)
生姜の千切り 1かけ分(少々)
ごま油 大さじ2
甘味噌だれ(味噌30g さとう大さじ2 酒大さじ2 ※あらかじめ練っておく)
<作り方>
- 豆腐をしっかり水切りして大きめの一口大に切っておく。
- ナーベラー(へちま)は厚めにしっかり皮をむいて、1cmほどの輪切りにする。
- 豚肉は一口大に切る。
- 中華鍋に油を熱して高温にして生姜を加え香りを出す。
- 豚肉を加えて火が通ったら、ナーベラー(へちま)、豆腐の順に加える。
- 全体に火が通ったら仕上げに甘味噌だれを鍋に加えて全体に行き渡らせる。
- へちまと豆腐から水分が出て汁気が上がってくるので強火でしっかり炒めて出来上がり。
ナーベラー(へちま)の実は厚めに皮を剥くことと、千切り生姜を加えて香りを出すことでナーベラー(へちま)の臭みがなくなり、とても美味しい一皿が出来上がります。
へちまは食用、観賞用、へちま水、へちまたわしまで、用途が多彩な美味しい夏野菜!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
へちまは暑い暑い夏に涼感を与えてくれる観賞用としても人気がありますし、化粧水であるへちま水も簡単に作れます。
古くからへちま水の効果は折り紙つきですし、へちまたわしまで作れてしまう利用価値の高い植物です。
へちまの未熟果を使った料理もとても美味しいですし、1本のへちまの苗を栽培するだけで色々な形で楽しめます。
ツルを這わせる支柱やネットさえしっかり用意すればへちまの実はポコポコとたくさんなりますので、ぜひ育ててみてはいかがでしょう?
ナーベラーチャンプルー、とろっとした食感がすごく美味しくておすすめです!