いちじくの甘露煮の作り方、秋遅く熟さない未熟いちじくを甘露煮で最後まで楽しむ方法

いちじくが秋遅くになって熟さなくても大丈夫、秋の終わりの未熟いちじくは甘露煮にすると美味しくいただけます。

未熟ないちじくで甘露煮を作るときのアク抜きの注意点と共にいちじくの甘露煮の作り方を紹介します。

いちじくの甘露煮の作り方は簡単で、材料もいちじくと砂糖があれば作れます。

未熟ないちじくは実がかたい分、甘露煮にしても煮崩れしにくく実がしまったものが出来上がり、美味しいのでよかったら作ってみてください。

青いちじくの甘露煮は東北地方など寒い地域ではよく楽しまれているようです。

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目次

秋のいちじくの実が甘露煮に向いている理由

いちじくには、夏果、秋果があり、品種によって、夏果専用品種、夏秋どちらも実がなるもの、秋果専用品種があります。

同じ1本のいちじくの木でも収穫の時期が一年のうちでも早いうちはいちじくの実はみずみずしく、秋果になると水分が少なくなり甘味が凝縮されて濃厚な味になっていきます。

そのため、秋のいちじくは完熟してもそのまま樹上に置いておくとセミドライいちじくのように柔らかいけれど、甘味の凝縮した乾燥いちじくのようになります。

こういった水分が少なめのいちじくは味が濃く火を入れても煮崩れしにくいため、いちじくを丸ごと形を残して甘く煮る甘露煮に適しています。

また、いちじくは暖かい年などは秋遅くなってもいくつかの実が熟しますが、気温が下がると、樹上に実がなっていても最後まで熟さず、青くて硬いまま冬を迎えることになります。

こういう実は鉢植えの場合、ずっと樹上に置いておくよりも完熟しないと分かった時点で摘み取って、その分栄養を来年の木の成長に回してあげた方がよいでしょう。

まだたくさんいちじくの木に実がついているのに、もぎ取らなければいけないのはもったいない気もしますが、こういう未熟ないちじくも甘露煮に使うことができるため、収穫シーズンの最後にいちじくの甘露煮を作ると、樹上に残った未熟ないちじくを余すところなく利用することができます。

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いちじくの甘露煮の作り方①未熟ないちじくってどのくらいの実のこと?

 

樹上に残っている未熟ないちじくを全て収穫します。

青いままのいちじくの実のうち、まだ小さなものは甘露煮にしても硬くて美味しくないので残念ですが処分します。

あとは色がつくだけ、と言ったくらいの大きさになっているいちじくであれば、まだ完全に青いままでも甘露煮にすると美味しく食べられます。

完熟したときの大きさよりほんのひとまわり小さいくらいの大きさの未熟ないちじくなら甘露煮に使うことができます。

上の写真のように色づき始めているけれど完熟前のものなどは甘露煮に一番良い時期かもしれません。

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いちじくの甘露煮の作り方②未熟ないちじくの実をとるときの注意点

いちじくの樹液にはフィシンというタンパク質分解酵素が含まれています。

いちじくの葉を折ったりすると、白い汁がでますが、この白い汁にフィシンが含まれています。

いちじくの白い汁は肌につくと肌荒れを起こしますが、未熟ないちじくの実は、軸の部分からもフィシンがでてきますので、実をとるときはできればゴム手袋をすることをお勧めします。

慣れているからと、素手で収穫する場合も、この白い液体はひどくベタベタしてなかなか取れないので、万が一肌や服についてしまった場合はすぐに流水でよく洗って擦り落とすようにします。

フィシンは加熱することで分解しますので甘露煮にすれば、未熟ないちじくでも美味しく食べることができます。

完熟したいちじくの実にもフィシンは含まれていますが、よく完熟したいちじくは実をとっても、軸からあまり白い汁は出ません。

また完熟いちじくを生で食べるのは、タンパク質分解酵素が消化促進によいとされています。

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いちじくの甘露煮の作り方③洗ってヘタをとり水にさらす

 

収穫したいちじくの実をよく洗い、包丁を使ってヘタの部分をしっかり目に切りとります。

ヘタをとると、またそこから白い汁がでてくるので、水をはったボウルなどにヘタをとったいちじくの実をどんどん入れていき、時々水を変えながらフィシンをきれいに洗い流します。

できればこの作業もゴム手袋をするか、流水で手元を洗い流しながらするとよいでしょう。

ヘタをとり終わってもしばらくそのまま水につけて、水があまり濁らなくなるまで何度か水を替えます。

未熟な度合いが強ければ強いほどフィシンが出るので、その分水にさらす時間をとります。

上の写真は小さめのいちじくの実がなる品種で、色はついているけれどまだ完熟していないものや、色がつき始めているけれどちょっと小さいな、と思うものまで甘露煮にするよう下処理しました。

欲張ってだいぶ小さめのものも使っています。

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いちじくの甘露煮の作り方④アクが出るので茹でこぼす

水にさらしてフィシンを洗い流したいちじくを、沸騰させたたっぷりのお湯に入れて5分ほど茹でます。

するとアクが出て、あっという間に茹で汁が濁って黒っぽくなってくるので、これもまた様子を見ながら、茹で汁の色がこれ以上は濃くならないな、というくらいまでさっと茹でてから、鍋のお湯をすべて捨てて、いちじくを再び流水で洗い流します。

このときいちじくの表面の皮は柔らかくなって傷がつきやすいので、流水を直接いちじくに当てたりせず、丁寧に扱うよう注意します。

ここまでが下処理になります。

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いちじくの甘露煮の作り方⑤砂糖を入れて煮る

先ほど下茹でに使った鍋にもいちじくのアクがついているので、同じ鍋を使う場合は鍋もよく洗ってアクをきれいに落とします。

その後、いちじくと、いちじくの重さの3割以上の砂糖を鍋に入れてごく弱火で火にかけます。

いちじくと砂糖のみ。

水は加えません。

これがいちじくの甘露煮を作るときの最低限の材料になります。

極弱火でじっくり火を入れていくと、いちじくから水分が出てくるのでずっと極弱火のままアクをすくいとり、アクがそれ以上でなくなったら落とし蓋をして、極弱火のままことことと煮含めていきます。

トロリとして、水分がほとんどなくなってきたら火を止めます。

すぐに食べ切ってしまう量なら、火を止めたら蓋をしたまま冷まして出来上がりです。

どうしてもいちじくの水分が足りなそうで心配なときは、火をつける前、一番最初に、いちじく、砂糖と一緒にひたひたより少し少なめの水を加えます。

途中で水を加えると水っぼくなってしまうので、水分を足したい場合はかならず最初に入れるようにします。

水を入れない方が日持ちはします。

また、水の代わりに日本酒を呼水程度に加えたり、レモン汁を少し加えても風味の良い甘露煮を作ることができます。

煮含める時間はいちじくの量や水分量によっても違ってきますので、目で見て汁気がわずかに残っているくらいまで、と覚えてください。

時々焦げ付かないように鍋底を揺するのも忘れずに。

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いちじくの甘露煮の作り方⑥保存は清潔な容器に

いちじくの甘露煮は、水分を多くさっと煮るコンポートよりも砂糖の量が多く、糖度が高いため長期保存ができます。

たくさん作って保存したいときは、ジャムを瓶詰めにするときの手順を参考にします。

保存用のガラス瓶はよく洗って煮沸消毒、あるいは熱湯をかけてから清潔なふきんの上に口をしてにして置いて、乾かします。

いちじくの甘露煮が煮上がったら、熱いうちに消毒したジャム瓶のように密閉できるガラス瓶に詰めて蓋をしっかり閉めて冷まします。

さらに長期保存したい場合は、瓶ごと冷凍保存したり、甘露煮を詰めて蓋をしたあと、さらに瓶ごと煮沸します。

瓶詰めの煮沸のしかたはいくつかありますが、出来立て熱々のいちじくをすぐに瓶に詰めて熱いうちに行う場合にやりやすい方法を紹介します。

ガラスの瓶が半分から7割くらいつかる量のお湯を沸かし、グラグラと沸騰したら火傷しないように一度火を止めます。

鍋に密閉したガラス瓶を入れて並べてから、また火にかけ、鍋の蓋をして5分間煮沸します。

出来立てでいちじくが熱いので時間が短くても大丈夫ですが、冷めているものの場合は中をしっかり加熱消毒したいので30分ほど煮沸消毒します。

こうして煮沸が終わったら瓶を取り出し、すぐに一度ほんの少し瓶の蓋を緩めて中の空気抜きをしてから、もう一度しっかり蓋を閉め直して、瓶を逆さまにして布巾などの上に置いて冷まします。

こうすると瓶の中が熱で消毒され、しかも冷めるにつれて中に残った空気の体積が小さくなるので、瓶の内側が真空に近い状態で密閉され、常温でも保存ができます。

たくさん作ることができたら、次のシーズンにいちじくを収穫するまでの間もいちじくを楽しむことができますね。

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いちじくの甘露煮でいちじくを余すところなく楽しむ

シーズンの最後に「まだいちじくの実がなっているのに熟さないなあ」なんて残念な気持ちにならず、未熟ないちじくも最後まで美味しく楽しむことができる、いちじくの甘露煮、ぜひ作ってみてください。

アク抜きだけ手間かもしれませんが、材料はいちじくとお砂糖があればすぐに作れます。

日本酒を白ワインや赤ワインに置き換えても良いですが、いちじくのコンポートとの違いはお砂糖を濃くして蜜のようにとろ〜りとなるくらいつやつやに仕上げること。

こうすることでコンポートよりも長期保存ができるいちじくを楽しむことができます。

出来上がったいちじくの甘露煮は艶やかなあめ色になります。

今回は出来上がりの写真をとるのも忘れて、あっという間に食べてしまいました。

 

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