キンセンカ(カレンデュラ)の育て方、種まきや間引き、害虫対策について紹介します。
キンセンカ(カレンデュラ)の正式な和名はトウキンセンカ(唐金盞花)です。
中国からの伝来を示す「唐」の文字が含まれており、オレンジ色の花弁が盃のような形状をしていることから名付けられました。
温暖地では冬に花を咲かせ、また一つの花の開花期間が長いため、日本では古くから冬に彩りを添える貴重な切り花として栽培されてきました。
欧米ではカレンデュラ、ポットマリーゴールドと呼ばれ消化促進や、湿疹、炎症によいハーブとして、また若葉や花を食用として利用されています。
ハーブとしてのキンセンカとその利用法については下記の記事で紹介しています。
観賞用としてだけでなく、とても利用価値の高いハーブであるだけでなく、丈夫でプランターでもよく育ちますのでこちらの記事ではキンセンカの育て方、キンセンカの栽培について紹介します。
目次
キンセンカ(カレンデュラ)の花の時期
キンセンカ(カレンデュラ)は暖地では秋、8月〜10月の種まきで12月〜5月頃まで開花します。
開花期間が長いので、少しずつ時期をずらして種まきをしておくと、長く花を楽しむことができます。
寒冷地では春、3月〜4月の種まきで6月〜8月が開花時期になります。
開花期間そのものが長く、また1輪の花も長持ちするため、観賞用として花壇や切り花に好まれます。
キンセンカ(カレンデュラ)の育て方①土
キンセンカ(カレンデュラ)の育て方のポイントは、キンセンカが酸性土を好まない、と言うことです。
ですからキンセンカを栽培するための土はあらかじめ苦土石灰などでしっかり酸度調整をしてから堆肥や腐葉土、元肥を混ぜておきます。
培養土を使う場合はそのまま利用できます。
乾燥には比較的強く、過湿になると根腐れするので水はけのよい用土を準備します。
プランターの土を自分で配合する場合は赤玉7、堆肥や腐葉土3の割合で混ぜたものに元肥を加えて使います。
再利用の土を利用する場合は苦土石灰を混ぜて1週間以上置いて酸度調整したものに土壌改良剤や堆肥を加えてからキンセンカの苗を植えたり、種まきします。
キンセンカ(カレンデュラ)の育て方②種まきとこぼれ種
キンセンカは種まきから育てるのが簡単です。
キンセンカ(カレンデュラ)の種は比較的大きいので扱いやすいため、あまり失敗することもありません。
また、キンセンカはこぼれ種から発芽してよく増えます。
こぼれ種からキンセンカが発芽したら、少し育ったところで丈夫そうな株を植えたい場所に移植しても良いでしょう。
キンセンカは直播もできますし、ポットに種蒔きして育苗してから植え付けることもできます。
キンセンカをポットに種まきする場合は3号ポットに3粒ほど種まきして土は1cmくらいかけておきます。
直播の場合は、地植えなら株間25〜30cm、プランターなら20〜25cmの間隔をとり、1ヶ所に3粒の種まきをして土を1cmかけます。
種まきが完了したら水をたっぷりやっておきます。
キンセンカ(カレンデュラ)の育て方③間引き
キンセンカ(カレンデュラ)の種まきから発芽するまでは1週間ほどでしょうか。
キンセンカの発芽後に本葉が出たら、元気な苗を1か所に1本残して他を間引きます。
間引いた後はキンセンカ(カレンデュラ)の株がぐらつかないようにそっと土寄せしておきます。
ポットに種まきして土寄せができない場合はキンセンカの苗がぐらつかないくらいに土を少し足します。
キンセンカ(カレンデュラ)の育て方④植え付け
キンセンカ(カレンデュラ)をポットで育苗する場合は本葉が4〜5枚になる頃になれば、根もしっかり回ってきます。
鉢底からキンセンカの根が回っているのが確認できたら、プランターや花壇に必要な株間をとって植え付けます。
65cmプランターなら2列に互い違いになるように2株ずつ、4株のキンセンカを植えられます。
キンセンカ(カレンデュラ)は葉もよく茂り大きくなりますので、最初から欲張って密植させると病害虫が出やすくなります。
キンセンカを育てる場合の株間はある程度しっかりとるのがおすすめです。
キンセンカ(カレンデュラ)の育て方⑤水やり
キンセンカ(カレンデュラ)は乾燥には比較的強いため、地植えの場合は水やりはほとんど必要ありません。
プランターの場合は鉢土の表面が乾いたらたっぶり水やりをします。
元肥だけで育ちますが、プランターでキンセンカを育てる場合は水やりで養分も流出しますので、週1回は水やりの代わりに液肥をやるとよく育ちます。
水やりはただ水をやるだけなのですが、その場所の環境や土の質、育てる植物によって土の乾き具合が全く違い、意外と難しいものです。
キンセンカ(カレンデュラ)の様子を観察しながら過湿にならないように、必要なタイミングで水やりをするようにします。
キンセンカ(カレンデュラ)の育て方⑥病害虫
キンセンカ(カレンデュラ)は基本的には丈夫な花で、冬の間はほとんど病害虫の心配はありません。
春になって気温が上がってくると害虫はアブラムシ、病気はうどんこ病や炭疽病が出ることがあります。
キンセンカ(カレンデュラ)をハーブとして利用するなら化学農薬はなるべく避けたいところですので、自然なものを利用してアブラムシを駆除するなら、牛乳スプレーや木酢液、除虫菊スプレーなどで駆除します。
また最近では収穫するその日も使える食品成分で作られた薬剤もあります。
物理的にアブラムシの呼吸する気門を塞いで窒息させるタイプのものなので、虫が薬剤の成分抵抗力を持つようになることも関係なく、何度でも使える利点があります。
これらの食品成分の薬剤はうどんこ病や灰色かび病にも使えるものがあります。
キンセンカ(カレンデュラ)の葉は風通しが悪いとうどんこ病が出やすくなるので、アブラムシとうどんこ病、どちらにも使えるこれらの薬剤が便利です。
どちらも大量発生してしまうと厄介なので早めに予防も兼ねて時々散布すると良いでしょう。
除虫菊スプレーについては自家製の作り方をこちらの記事で紹介しています。
うどんこ病や炭疽病はいずれも異なる種類のカビ菌による病気です。
化学的な農薬を使いたくない場合は酢を薄めたものをスプレーするのも効果があると言われますが、それには初期の段階で対処することが重要です。
キンセンカの葉に白っぽい粉が吹いていたり、灰色っぽい斑があるときはすぐにその部分のカビ菌が飛び散らないように静かに切除してから酢水をスプレーします。
酢が濃すぎるどキンセンカ(カレンデュラ)が痛みますので最低でも100倍以上、200〜500倍に薄めて使います。
また病気が広範囲に広がってしまった時は残念ですが、他の植物に病気が移る前にその株を抜き取って処分します。
キンセンカ(カレンデュラ)の病気の予防としては、土壌に苦土石灰や有機石灰をまいて土の準備をしっかりしておくのがポイントです。
石灰は酸度調整の役割もありますが、カルシウムは植物体を丈夫に育てます。
ただし石灰をまきすぎると土が固くなりますので、まきすぎないように説明書きにあるとおり、規定の量を土に混ぜ込むようにします。
石灰は色々な種類があり、肥料としての役割もあり奥が深いので、別記事で紹介できたらと思っています。
キンセンカ(カレンデュラ)の育て方⑦開花と収穫
キンセンカ(カレンデュラ)の花が咲いたら、そのまま鑑賞してもよいですし、ハーブとして花を収穫してもよいでしょう。
キンセンカ(カレンデュラ)を鑑賞用として楽しむ場合は、一つ一つの花が終わったら摘花して綺麗に整理しておきます。
キンセンカ(カレンデュラ)の花をハーブとして収穫する場合は、花が完全に開いてから花の部分をカットして収穫します。
キンセンカ(カレンデュラ)花をそのまま天ぷらにしてもよいですし、ハーブティなどに利用する場合は花びらの部分だけをがくから外してほぐしてバラバラにして、乾燥、空き瓶などに保存します。
ハーブティの他にも色々な利用法がありますので、キンセンカ(カレンデュラ)の利用法についての記事もよかったらチェックしてみてくださいね。