玉ねぎの葉は甘味があって美味しい栄養満点の野菜です。
玉ねぎの葉を食べるための葉玉ねぎの栽培について紹介します。
葉玉ねぎ(玉ねぎ)栽培は一年のうちでも最も遅い晩秋から冬にかけての野菜栽培になります。
葉玉ねぎのプランター栽培をすると、ちょうど他の野菜類の栽培が一段落して手があく時期、冬から早春にかけて楽しめるのでおすすめです。
秋にまいた葉もの、小松菜やほうれん草、春菊などの世話も落ち着き成長がゆっくりになり、あとは収穫を楽しむだけ、という時期になります。
年間通しての野菜栽培の中でもっとも遅くに種まきしたり、苗を定植する作業をするのが、おそらくそら豆と玉ねぎやにんにくになるかと思います。
そら豆とにんにく、普通の玉ねぎの栽培については既に別記事で栽培方法を紹介していますので、ここでは玉ねぎの葉を食べる葉玉ねぎの栽培方法について紹介します。
目次
葉玉ねぎについて
葉玉ねぎは玉ねぎの球が太る前、まだ玉ねぎの葉が若くて柔らかいところを食べる野菜です。
青々とした緑の濃い葉にはビタミンやミネラルがたっぷり含まれている栄養野菜です。
特に若い葉玉ねぎの葉は酢味噌であえた「ぬた」にすると美味しく、その他炒め物や汁物に利用できます。
真っ白でまだ太っていない小さな玉ねぎごと、青々とした柔らかい葉を炒め物にしたり、スープにして食べると、柔らかくて甘みがあり、葉玉ねぎはとても美味しい野菜です。
スーパーなどには早ければ12月からみられるようになり、1月から3月ごろが旬になります。
葉玉ねぎ用の特別な品種があるわけではなく通常の玉ねぎを早どりしたものが葉玉ねぎです。
千葉県が生産量日本一の野菜です。
葉玉ねぎの収穫までの栽培期間は通常の玉ねぎの半分と短いので、家庭菜園でも気軽に楽しめるおすすめの野菜です。
葉玉ねぎのプランター栽培①2つの方法について
玉ねぎの栽培については本格的に苗を植えて葉玉ねぎを収穫する栽培方法の他に、もっと手軽に葉玉ねぎを楽しむ方法があります。
玉を食べる玉ねぎ栽培を家庭で楽しむ場合には種まきよりも苗を買って育てるのがお勧めです。
葉玉ねぎは本来はこの玉を食べる玉ねぎを早どりして食べるもので、玉の部分の玉ねぎに先立って早ければ12月か1月ごろから収穫できます。
家庭で苗から育てる玉ねぎ栽培の場合、葉玉ねぎの収穫時期は1月というわけにはいかず、早くて3月か4月ごろになってからになると思います。
でも、もっと楽に、失敗なく冬の間に葉玉ねぎをたっぷり楽しめる葉玉ねぎの栽培方法があるとしたらどうでしょう?
こちらの記事では葉玉ねぎを苗を植えるのとは違う、より簡単に葉玉ねぎを栽培して収穫するもう1つの方法を紹介します。
収穫までの期間も比較的短く、栄養のある緑黄色野菜としての葉玉ねぎを冬の間にたくさんとれば風邪の防止にも一役買ってくれます。
葉玉ねぎのプランター栽培②種球の準備
キッチンでごろごろと保存されている玉ねぎ5〜6個を利用します。
1個でも2個でも構わないのですが、ある程度の量を食べたいな、と思ったら、このくらいの数の玉ねぎを用意すると順番に収穫して楽しむことができます。
玉ねぎは新鮮じゃなくて、持て余してしまっているものでも芯が腐っていなければ全く構いません。
むしろ明るい場所に放置してあって玉ねぎの芽が出初めてしまったような玉ねぎがあれば、それは切って料理に使うよりも、葉玉ねぎ栽培の種球にするのにうってつけです。
葉玉ねぎのプランター栽培③プランターの土について
玉ねぎは球根ですので水はけのよい土を用意します。
赤玉7、腐葉土3程度の土でOKです。
65cm標準プランターで6個くらい並べて密集栽培しましょう。。
あまり肥料などに気を使わなくても球根に蓄えられている栄養で葉が育ちます。
この玉ねぎの玉を植えて、翌年の6月ごろ、2代目の玉ねぎを収穫することもできなくはありませんが、普通サイズの玉ねぎくらいの大きさがあると玉が分けつして育ちます。
また2代目は花芽が上がってくるので早めに摘み取る必要もあり本来の玉ねぎ栽培で収穫できる玉ねぎの玉とは品質が違うことを先にお伝えしておきます。
また葉玉ねぎを収穫すれば、栄養が葉の方に必要になりますので玉が太りにくくなります。
そのため、この方法ではあくまで葉玉ねぎを収穫するための栽培方法、ということで、葉を収穫できたら実質上栽培は終了、と思ってください。
葉玉ねぎのプランター栽培④プランターへの植え付け時期
玉ねぎの玉をプランターに植え付けます。
65cm標準プランターに6個ほど、2列にして互い違いに並べていきます。
植え付けの時期はですが、一番葉の部分が柔らかく美味しいのは10月下旬から11月中旬までに玉ねぎの玉を植え付け、完全に気温が下がって成長が鈍くなる冬の前にある程度葉が育っているのがちょうどよい適期になります。
それ以外の時でも基本的にはいつでも芽が出てしまった玉ねぎを有効活用できますが、真冬になってから植え付ける場合は室内の窓辺などひあたりがよい所にポットやプランターを置いて、成長を促します。
玉ねぎの芽が出るとんがった方を上にして土に植えるのですが、この時球根の1/3くらいは土の上に出ているようにしましょう。
芽が土の中に潜ってしまうような深植えは球根が腐る原因になるので禁物です。
単純に玉ねぎの葉を収穫するだけなので、密植栽培でOKです。
植え付けたら、球根の頭にかからないようにしながらたっぷり水やりをします。
以降は土の表面が乾いてから水をやります。
乾き始めたら、ではなく表面が乾いたら水をやってください。
土の表面が乾いていても、ちょっと表面の土を動かすと、中の土はまだ湿っています。
過湿で根ぐされにならないよう、様子をみながら、あげるときはたっぷり水やりをします。
葉玉ねぎのプランター栽培⑤発芽
植え付けから1ヶ月程度で発芽します。
もともと芽が出始めてしまっている玉ねぎなら植え付けて割とすぐ芽が動き始めます。
最初は根の成長が追いついてなくて、球根の養分だけで葉が伸びます。
根が十分に育って成長が旺盛になる時期は、日も長くなり気温も徐々に上がり始める2月中旬以降です。
根が十分に育ってきたこの頃、液肥や固形肥料で追肥をしてやります。
葉玉ねぎのプランター栽培⑥葉玉ねぎ収穫の時期は冬、1月頃から
もともと種球自体がそのまま料理して食べられる玉ねぎの状態です。
収穫のために玉ねぎの玉が太るのを待つ必要はなく、玉ねぎの芽が出たらその芽や葉もいつでも葉玉ねぎとして食べることができます。
20cmくらいまでの若芽を切り取って食べてもいいですし、玉ねぎの葉が30cm以上に大きく育ってから玉ねぎの芽が出るところの2〜3cm上で全ての葉をカットして収穫してもよいでしょう。
何れにせよ芽が出れば、それはすぐに収穫して食べることができるということです。
逆に暖かくなって球根部分の玉ねぎの収穫時期に近づくと、球根に栄養を蓄える時期に入りますので、玉ねぎの葉がだんだん硬くなってきます。
そうなると葉玉ねぎとしての利用には適さなくなってくるので、10月終わりから11月にかけて種球を植えたら、葉玉ねぎの収穫時期は約90日後くらいから3月一杯を目安に葉玉ねぎを楽しみます。
葉が硬くなってきたら葉玉ねぎ栽培は終了です。
葉玉ねぎのプランター栽培⑦玉ねぎの収穫時期
葉玉ねぎの時期を過ぎるといよいよ本格的に鱗茎が太って玉ねぎへと成長していきます。
葉玉ねぎとして全部を収穫せずに、さらにいくつかはしっかり玉を太らせて6〜7月に玉ねぎを収穫することもできます。
食用の玉ねぎを植えた場合は元の玉ねぎが分球したりして、形はあまりよくはないかもしれませんが、家庭で料理に使うには十分です。
葉の成長が旺盛なものは、わざと玉ねぎの収穫時期が近くになったら麦踏みのように玉ねぎの茎を地際で少し折り倒して玉ねぎの葉の成長を止めます。
こうすることで玉ねぎの鱗茎に栄養が蓄えられるようになり玉ねぎがよく太ります。
十分に玉ねぎが太って、少し葉の先が枯れ込んできたら、晴れた日に玉ねぎを掘り上げて収穫しましょう。
収穫した玉ねぎは風通しがよく日の当たらない涼しい場所で吊るして保存します。
湿度の高い場所は玉ねぎの保存に向きませんので家の中でもなるべく風通しよく涼しい場所に玉ねぎを置くようにします。
葉玉ねぎのプランター栽培⑧葉玉ねぎの後作について
葉玉ねぎを栽培した後のプランターの土の再利用について簡単に紹介します。
収穫を終えた葉玉ねぎの種球をプランターから抜き取り、石灰をまいてから、腐葉土などの堆肥、次の作物のための元肥を加えて土をよく混ぜた後、一度水やりをして土全体を湿らせてから1ヶ月ほど土を休ませます。
それでちょうど時期的に5月に入ってくる頃になると思いますので、夏野菜の苗を植えるのにちょうどよい時期です。
ネギ類は他の植物を元気にするコンパニオンプランツとしての働きがあるので、その後作はあまり気を使わずどんなものでも栽培できます。
強いていうなら玉ねぎは根菜類になるので、同じ根もの野菜は避けると土のバランスもよいかと思います。
土が疲れていそうだったら、堆肥を多めに追加投入するとよいでしょう。
次に何を植えるかを冬の間に考えるのもベランダガーデニングや家庭菜園の楽しみの一つです。