そら豆の美味しい食べ方、そら豆の薄皮や皮のわたの食べ方と栄養について紹介します。
そら豆の薄皮や外側の皮のわたも食べられて、美味しいということをご存知ない方もいらっしゃると思います。
そら豆は短い時期しか出回らない季節の旬野菜。
短い季節の初夏の味、そら豆は塩茹でなどで食べらることが多いと思いますが、栄養豊富なそら豆は他にもいろいろな美味しい食べ方があります。
そら豆の薄皮や皮のわたも美味しいので、その食べ方、そら豆を味わうのにおすすめのスープや炊き込みご飯の他にも、シンプルにそら豆を美味しくいただく食べ方とレシピを紹介します。
目次
そら豆の旬について
そら豆は暖かい地域で秋遅くに種をまき、少し育ったところで冬越しさせて育てます。
そら豆の産地では冬から春にかけて、あたり一面がそら豆畑になります。
農家でも、家庭の庭先でも、そこここでそら豆がすくすくと育っている様子はまだ冬のうちから春を感じさせてくれる風景です。
そら豆は幼苗の状態で冬を越し、春を迎えると早ければ4月の下旬から最盛期の5月にかけて収穫することができます。
本来は初夏、5月ごろが旬の野菜ですが、早いと2月ごろから鹿児島産のそら豆が店頭で見られることもあります。
そら豆の栄養
若採りした青々としたそら豆は野菜として扱われ、中の豆が熟成して茶色く乾燥したそら豆は豆類として扱われます。
野菜としての若いそら豆であっても豆類ですので栄養としてタンパク質が100gあたり10.9グラムと豊富に含まれています。
その他、抗酸化作用だけでなく免疫機能の強化に役立つビタミンCや、骨の健康を支えるビタミンK、葉酸、鉄や亜鉛も含んでいます。
成熟した豆類としてのそら豆になるとさらにタンパク質の量が増えます。
そら豆の一番美味しい定番の食べ方
そら豆の一番美味しい食べ方は、なんと言っても採れたてのなるべく新鮮なものをすぐに料理する、これに尽きます。
そら豆はとうもろこしや竹の子と同様に鮮度が重要な野菜です。
時間と共にその香りは少しずつ変わっていき、鮮度が落ち過ぎてしまうとアンモニアに似た匂いが立ち始めます。
そら豆が苦手という人にはこのアンモニアに似た匂いが苦手、という人もいます。
薄皮部分に匂いを感じやすく、気になる時は茹でる時に塩と日本酒を茹で湯に加えてそら豆を茹でるとよいとされています。
新鮮なうち、特にそら豆が若いとこの匂いはほとんどなく、豆の甘味を味わうことができます。
そら豆をどのように料理するにせよ、新鮮なそら豆を使うことで、そら豆を一番美味しく食べることができます。
そのことを踏まえた上で、そら豆のいろいろな食べ方を紹介します。
そら豆の薄皮、皮のわたの食べ方
早めに若取りしたそら豆は中の薄皮がまだ柔らかく、塩茹でしたものを皮ごと食べることができます。
そうなるとさらに上記で紹介したよりもそら豆の栄養価は高まります。
若取りしたそら豆の薄皮は柔らかくて口に当たることもなく、ほんのり甘味もあり、塩茹での空豆により一層旨味が加わります。
ただし、そういう若採りのそら豆はあまりお店では売っていません。
強いて言えば、そら豆が出回り始めたごく早い時期のものは豆の成熟具合が若いものがあります。
そら豆の薄皮がうんと柔らかいうちに食べたいのであれば、栽培しているところで分けてもらうか、自分で育てるのが確実です。
自分で育てているとそら豆の成熟段階に応じて好きな時に収穫して色々な味を楽しめますので、そら豆栽培をご自分でされてみるとそら豆の楽しみ方が倍増するかもしれません。
しっかり豆が熟したそら豆になると、外皮であるさやの内側の白い綿の部分を食べることもできます。
そら豆の皮、さやの白い綿を食べるには、さやごとたっぷり焦げ目がつくまでグリルや炭火でそら豆を焼きます。
こうすると中のそら豆は蒸し焼き状態になりホクホクととても美味しく火が通ります。
そしてこのさやを二つに割ってそら豆を取り出した後、スプーンでふわとろ状態のさやの内側の白い綿をすくい取ってそのままいただきます。
ふわふわの綿ですがスプーンですくいとると、しっとり水分を含んでとろとろの状態になっていて、そら豆自身の水分と、ほんのりかすかな甘み、その食感が美味しいです。
新鮮なそら豆だからこそ味わえる味覚です。
そら豆の人気レシピ①そら豆のポタージュスープ
淡いグリーンのそら豆のスープ、ポタージュです。
冷やしても美味しいのでたくさん作っておけば冷蔵庫で2〜3日保存できます。
材料
そら豆200g
玉ねぎ1/2個
牛乳2カップ
水1カップ
塩胡椒
作り方
そら豆はさやから出し、皮ごと塩ゆでして皮をむきます。
何個か飾り用によけておきます。
玉ねぎはみじん切りにして焦がさないように弱火で甘みが出るまでバターかオリーブオイルで炒めます。
焦がしてしまうとスープの色が悪くなりますので、弱火でじっくり、炒めます。
茹でたそら豆、炒めた玉ねぎ、牛乳、水、塩胡椒をなめらかになるまでフードプロセッサーにかけます。
鍋で沸騰させないように温めて、塩味を調節して出来上がりです。
器に盛って、飾り用にとっておいたそら豆をトッピングして出来上がりです。
塩だけで、そら豆の旨みを味わいますが、どうしても物足りない、という方は味付けにコンソメを使ってください。
そら豆の人気レシピ②そら豆の炊き込みご飯
定番のそら豆ご飯です。
若採りのそら豆より、ホクホク感が出てきたしっかり熟したそら豆を使うと美味しいです。
そら豆の採れる季節に一度は食べたいそら豆ご飯、作り方は簡単です。
材料
そら豆:皮をむいた状態で1カップになる量
米3合
だし昆布 10cmほど
酒 大さじ1
塩 小さじ2弱
作り方
そら豆をさやから取り出し、生の状態で皮をむきます。
皮を剥くときはお歯黒と反対側の皮に包丁で少し切れ目を入れて、皮をむくとむきやすいです。
茹でてから皮をむいて炊くと火が入りすぎてそら豆が崩れてしまいますので、必ず生の状態からお米と一緒に炊きます。
昆布を米と同量の水につけておきます。
できれば前の晩に水につけておくとだしがよく出るのでおすすめです。
時間がないときは、準備を始めるとき一番最初に昆布を水につけて、お米を炊く時に昆布ごと鍋に入れてしまいます。
お米を研いで、昆布の出汁(前の晩から昆布を水につけた場合は昆布は入れません)と酒、塩、そら豆を鍋に入れて炊きます。
強火で火を入れ沸騰したらとろ火にして15分、が目安です。
最後に強火で30秒数えて余分な水分を飛ばして火を止めます。
そのまま蓋を開けずに5分蒸らしてからしゃもじで全体に空気を含ませるようにお米の上下を手早く返してからまた蓋をします。
そこからさらに5分待って出来上がりです。
炊飯器の場合は炊飯器の説明の分量の水分で炊いてください。
そら豆の人気レシピ③そら豆のトルティージャ(スペイン風オムレツ)
スペイン風オムレツ、トルティージャは通常じゃがいもで作りますが、これをそら豆に置き換えて作るトルティージャです。
これでもか、というほどそら豆がたくさん入ったトルティージャをスペインで食べた時、本当に感動しました。
大変贅沢なそら豆の美味しい食べ方です。
そら豆を大量に用意しなければ作れませんが、とにかく美味しいので一度は作ってみて頂きたいおすすめレシピです。
Balcofarmが畑でそら豆を栽培していた頃のとびきりのご馳走でした。
20cmの深型フライパンで作ります。
材料
卵10個
そら豆:ホクホクの完熟そら豆 茹でて皮をむいた状態でフライパンに一杯になる量
塩胡椒
オリーブオイル1/2カップ
作り方
そら豆は塩ゆでして皮をむいておきます。
卵をボウルに割り入れ卵白を切るようによく混ぜて、塩胡椒で味を整えます。
フライパンにオリープオイルを入れ温め、そら豆を加えてさっと炒めます。
そら豆に熱が回ったらコンロの火力を最大にしてフライパンの温度を上げてから卵を一気に流し入れます。
卵液がフライパン一杯になると思います。
そら豆を崩さないように慌てず全体をゆっくりと大きく混ぜながら均一に火が通るようにします。
全体的に卵が半熟状態になってきたら火を弱火にします。
フライパンに蓋をして、ここからはごく弱火で焦げ目をつけないようにじっくりと卵に火を通していきます。
スペイン風オムレツは半熟ではなく完全に火を通して卵を固めます。
ごく弱火で10分から15分、じっくり火を通します。
竹串を刺して卵液がついてこなくなったら中身の上下を返します。
返し方はちょっとコツがいります。
フライパンの蓋を外し、平らなお皿をかぶせてフライパンをひっくり返し、中身を上下返した状態でお皿にとります。
フライパンをコンロに戻し、お皿のオムレツをそのままスライドさせるようにしてフライパンに戻します。
これで上下が返りましたので、再び蓋をして弱火で7〜8分、卵に完全に火を通します。
最初の火の通りが甘いとお皿に取って上下を返す時に壊れてしまうので、形が崩れないよう、しっかり卵に火を通すのがコツです。
ケーキのように高さのあるスペイン風オムレツの出来上がりです。
熱々をいただいてもいいですし、冷まして味が馴染んでから切り分けて食べても美味しいです。
そら豆の大量消費や、若採り、完熟など、時期を選んでそら豆を味わうには自分でそら豆栽培をするのが一番です。
別記事でそら豆栽培の方法を紹介していますので、下記にリンクを貼っておきます。
