セージの種類、用途別おすすめのセージ、セージとホワイトセージの違い、クラリーセージやメドーセージ、セージの効能について紹介します。
ゼージはハーブの中でも代表的な植物でたくさんの種類のセージがハーブや観賞用の花として親しまれています。
古代エジプトやローマの時代から薬草として用いられてきました。
セージはハーブの中でも抗菌作用や抗ウィルス作用が強く、セージティーでうがいすることで喉の炎症や口内炎、風邪の感染予防になると言われています。
その高い抗菌作用から肉の防腐剤として用いられてきましたが、その香り高さからソーセージなどの香りづけとしてもなくてはならないハーブです。
セージはシソ科の多年草、もしくは常緑の低木ですので一度植えると長く楽しめます。
目次
セージの種類とそれぞれのセージの効能・利用方法
セージは種類が多く、薬用や料理に用いられるものや観賞用など目的に応じた品種があります。
同じセージの仲間でもコモンセージは殺菌作用が強く、ハーブとしてお茶や料理に用いられますが、クラリーセージのように精油をアロマセラピーとして利用するものもあります。
クラリーセージは月経不順やPMS、更年期障害などによいとされ、甘い香りで女性にとって助けになる精油ですが、妊娠中には控えた方がよい精油です。
それぞれのセージの種類の特徴、セージとホワイトセージの違いなどを紹介します。
セージの種類①コモンセージ
コモンセージは薬用、料理に使われるセージの代表格で、ガーデンセージとも呼ばれます。
和名はヤクヨウサルビア。
その名の通りヨーロッパでは古くから抗菌作用や消化促進、収れん作用がある薬草として知られ長寿のハーブとして親しまれてきました。
お茶や料理に使われるのはこのコモンセージです。
かなりスパイシーな香りで、肉の香りづけの他に、防腐効果や脂肪分解、消化促進の効果があります。
「ソーセージ」のセージはこのセージのことでソーセージを作るときに防腐と香りづけのために使われていたことに由来する、とも言われています。
特に豚肉との相性がよく、羊の腸が手に入らなくても豚肉の挽肉に塩、おろしにんにく少々、黒胡椒と一緒にセージを細かく刻んだものを合わせ、よくこねて棒状にまとめたものをフライパンで焼き上げると、とても美味しい皮なしのソーセージになります。
肉の臭みを消してくれて、セージの爽やかな風味が食欲をそそります。
セージの種類②コモンセージの変わり葉の種類
コモンセージには斑入りの葉のゴールデンセージとトリカラーセージ、そして全体が紫がかったパープルセージなど葉色が美しい種類があります。
いずれもコモンセージと同じように利用できますが、パープルセージはセージビネガーを作るとコモンセージにはない色味が出るのでおすすめです。
セージに限らず斑入りの種類は模様の出方が不安定な場合があり、季節や環境で斑が消えてしまうこともありますが、トリカラーセージやゴールデンセージは見た目が美しいので植栽としてもよく利用されます。
セージの種類③クラリーセージ
クラリーセージは甘い香りのするセージで花と葉から精油を取ります。
他のセージよりも葉が大きく草丈も高くなります。
アロマセラピーでは月経不順やPMS、更年期障害、抑うつ気分を楽にして気分を高揚させてくれる女性のための精油として知られています。
ただしクラリーセージは子宮の収縮作用があるので妊娠中や月経中の利用は控えてください。
葉は食用になり、スープの具にすることができます。
クラリーセージとホワイトセージの違いの大きな点はクラリーセージは食用になり花も大きく鑑賞価値がある、というところかと思います。
この後ホワイトセージのところでも紹介しますが、ホワイトセージは食用にはなりません。
セージの種類④アメジストセージ
コモンセージよりも背丈が高くなります。
丈夫でよく育ち明るい紫色の花がたくさん咲いて綺麗なことから観賞用の花として庭先に植えられているのをよく見かけます。
アメジストセージも葉からよい香りがします。
アメジストセージは主に観賞用であり、食用にされることもありませんし、精油も流通は見られません。
セージの種類⑤メドーセージ
深い青色の花が咲くメドーセージ。
セージは多年草、もしくは常緑の低木なので一度植えれば大きく育ちます。
こちらのメドーセージもアメジストセージと同じくよく庭先に植えられている鑑賞用のセージの種類になります。
リンドウの花のような深いブルーの色が遠目に見ても目を引きます。
ところでこの花の形はサルビアによく似ていることに気づいた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
アメジストセージやこのメドーセージ、サルビアなどは花を鑑賞する植栽用のセージです。
こういった観賞用のセージにはハーブのような効能は期待できないので、薬用、食用に用いられるセージの効能を利用したい場合には、コモンセージ、クラリーセージを利用します。
観賞用に栽培されている植物は農薬などが使われていますので、食用にしたい場合は食用ハーブとして栽培されているものを利用します。
セージの種類⑥サルビア
花壇に植えられることの多いサルビアもセージの仲間です。
赤い花が主力品種ですが他に白い花や紫、黒い花のサルビアもあります。
観賞用のサルビアの歴史は古く、街中の花壇の植え込みなどにもサルビアがよく植わっています。
セージの種類⑦チェリーセージ
花が可愛いチェリーセージも観賞用です。
アメジストセージやメドーセージと比べると華奢な姿で草丈も低く葉が他のセージに比べて小さいです。
葉を手で軽く揉むと、さくらんぼのような甘い香りがします。
フルーツの香りがするセージをフルーツセージと呼ぶこともあり、他にパイナップルやオレンジの香りのするセージもあります。
セージの種類⑧パイナップルセージ
これもフルーツセージの一つです。
チェリーセージとはまた違った甘いパイナップルの香りがするセージです。
チェリーセージより葉が大きくトロピカルないい香りがします。
セージの種類⑨ホワイトセージ、コモンセージとの違い
ホワイトセージはネイティブアメリカンが古くから儀式の時に使う聖なるハーブです。
コモンセージとホワイトセージの違いは、ホワイトセージは食用には使うことがなく、乾燥した葉を燃やすことで浄化・お清めをするために使われます。
独特の香りがあり、名前の通り葉の表面が白い産毛で覆われており、乾燥するとその白さが際立ちます。
浄化のためには少しあれば十分ですので、もしたくさん取れた時にはドライにして保存したりお風呂に入れて使うのがおすすめです。
日本の気候で育てるのは温度も湿気も高くて少し難しいですが、それでも育てることは可能です。
近年はだいぶ手に入りやすくなりましたが、セージの中では今でも貴重な種類として珍重されることが多いです。
セージの利用法①セージティー
セージをハーブとしてお茶や料理に使う場合、主にコモンセージを用います。
以下はコモンセージの利用法になります。
乾燥したセージでも生のセージの葉でも、セージティーを楽しむことができます。
セージは香りが強いので、お茶に使う量は他のハーブと比較して少し控え目にします。
冒頭で紹介した抗菌作用の他にも、脂肪分解、消化促進、血流を良くするなどの効果があり、セージティーでうがいをすると口の中を清浄にして、感染症の予防や口内炎や喉の炎症の予防に繋がります。
セージの利用法②肉料理の香りづけ
セージは香りもその効能も、どちらの面でも肉と相性がとてもよいです。
特に豚肉と相性がいいので、肉を焼くときにセージの葉で香りづけしたり、挽肉に細かく刻んだセージを混ぜ込んで料理するととても美味しいです。
コモンセージの説明のところにも書きましたが、豚肉の挽肉に塩、おろしにんにく少々、黒胡椒と一緒にセージを細かく刻んだものを合わせ、よくこねて棒状にまとめたものをフライパンで焼き上げるととても香ばしくて美味しいです。
防腐抗菌作用があるハーブとしてローズマリーも挙げられます。
豚肉にセージとローズマリーを組み合わせてローストポークなどを作るのもおすすめです。
セージの利用法③ハーブオイルやハーブビネガー
セージを摘んでよく洗ってから水気をよく拭き取り、お好みのオイルやビネガーに入れて香りを楽しみます。
コモンセージの変わり葉種のパープルセージの葉色がよく出ている時期を選んでその葉をビネガーに使うと色も楽しむことができます。
セージの利用法④入浴剤として
セージは日本の蒸し暑い夏が苦手です。
6月ごろ、蒸し暑くなる前に風通しがよくなるようセージの枝を剪定しますが、たくさんセージの枝を切った場合は乾燥してドライセージとして利用する他、不織布の袋に入れてお風呂に浮かべるのもおすすめです。
セージには抗菌作用の他にも収れん作用がありますので、入浴剤として利用すると肌を清潔に保つだけでなく、引き締めてくれる効果もあります。
セージの利用法⑤ホワイトセージは浄化用のお香に
先ほど少し触れましたが、ホワイトセージは食用に用いることはなく、お香のように葉を燃やして浄化のために用います。
ネイティブアメリカンの古くからの風習で今では広く知られるようになりました。
ホワイトセージの葉を炊いた煙を浴びて浄化する儀式はスマッジングと呼ばれています。
日本でも浅草の浅草寺などのお寺には、お線香をたくさん炊いている大きな香炉があって、その煙をありがたく頂戴しますよね。
使いやすいようにセージの枝葉をスティック状にまとめたものなども作られています。
コモンセージはお茶にしたり、ハーブとして料理に使ったり食用に用いられますが、ホワイトセージは食用にはされないのが大きな違いです。
セージの種類の多様性を楽しむ
セージは花の蜜を吸うことができます。
花の額からすっと伸びた細長い花びらを抜き取ってその根元の部分を吸うととても甘く、子供の頃、次から次へとサルビアの花の蜜を吸って遊んだものです。
セージは香りもよくミツバチも集まるので、ハーブとしてだけではなくセージの花の蜂蜜もヨーロッパでは好まれています。
コモンセージはその効能から薬草やハーブとして用いられ、アメジストセージやメドーセージ、チェリーセージのように観賞用の花や香りを楽しむセージ、お清めの儀式に使われるホワイトセージなど、種類ごとに様々な用途で親しまれています。
セージは香りもとてもよいのでご自分のお気に入りの種類のセージを見つけて鉢植えで育ててみてはいかがでしょうか。
セージはの育て方は別記事で紹介しています。
日本の夏の暑さと湿気が苦手なことや、木質化すると成長が鈍くなるので株を更新する方法などのポイントをまとめています。
これらのポイントさえ抑えればセージの鉢植え栽培は簡単です。