野菜くずの堆肥作り、プランター栽培の堆肥、発酵と腐敗の違いと上手に堆肥を作るコツ

 

野菜くずの堆肥作りでプランター栽培の肥料をまかなう少量でも堆肥を作れる方法を紹介します。

野菜や花を育てる時、野菜くず堆肥を土に混ぜると植物が元気に育ちます。

一口に堆肥と言っても牛糞堆肥、馬糞堆肥、植物性のバーク堆肥や腐葉土などがありますが、この他に野菜くずなどなどの生ゴミを活用した生ゴミ堆肥もあります。

一般的には畑や庭の隅っこに堆肥ボックスを作って、そこに材料をどんどん積み重ねて、途中でなんども切返しながら発酵させて半年以上かけて未熟な有機物を堆肥にします。

でも庭がない場合は堆肥ボックスを設置するほどのスペースもないし、そもそも堆肥自体もそんなにたくさんの量は必要ありません。

プランター栽培用に少量の堆肥を野菜くずからご自分で作りたい方は参考にされてみてください。

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目次

野菜くずの堆肥づくりをプランターでする方法

野菜くずの堆肥づくりをプランターでする方法を紹介します。

これは本当に手抜きで、そのままプランターに野菜などの植え付けもできる簡単な方法です。

ただしプランターは最低でも65cm標準プランターくらいの大きさの方がよいのと、堆肥づくりのためにプランターを少しの間寝かせておいた方がいいので、それでも構わない、という方はお試しください。

野菜くずの堆肥作りでプランターを使わず、少量を作る方法についてはこの後詳しく紹介していきます。

そちらはプランターの空き状況にかかわらずいつでも野菜くずの堆肥を仕込むことができます。

まずは、野菜くずの堆肥をプランターに直接仕込んでいく方法を紹介します。

プランターの底に鉢底石をひと並べした後、赤玉と腐葉土などを混ぜた用土を2〜3cm敷きます。

その上に細かくした野菜くずを2cmくらいの厚さにまんべんなく敷き詰め、上から米糠をふりかけます。

野菜くずがプランターの中で均等に分解されるよう、野菜くずは細かく刻んでおくようにします。

あれば微生物資材の土壌改良剤もパラパラとまいて、上からまた赤玉と腐葉土を混ぜた用土をプランターの縁から2cm下まで入れてジョウロで水をたっぷりかけます。

プランターは目皿付きのものであれば鉢底石はなくて構いません。

しばらくしたらプランターを傾けて、下にたまる水を排水穴から全て捨てます。

この状態で最低2週間ほど寝かせておきます。

土の表面が乾いたら軽く水やりして土が軽く湿っているようにして、また底に溜まった水は全て捨てておきます。

乾燥が激しい場合はビニールシートをかけて水分を保つようにします。

野菜くずが分解されると土の高さが沈んでくるので、2週目以降、沈んだ分の土を足してタネをまいたり、苗を植え付けます。

堆肥作りは野菜くずが発酵することでできますので、温度や水分によって状況が違ってきます。

まだプランターの野菜くず堆肥が未熟だと植えた植物の根を痛めますので、ご自身で様子を見ながら色々試してみてください。

冬場など気温が低い時はなるべく土の温度が上がるよう日の当たる場所において、1ヶ月以上寝かせてから使うようにします。

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野菜くずの堆肥作り①堆肥作りの大敵は虫、ハエ

野菜くずの堆肥作りの一番の悩みは生ゴミの匂いに引き寄せられてハエなどの虫が寄りつくことです。

広い庭などの屋外ならあまり気にしなくて済むかもしれませんが、ベランダにハエが飛来するのは嫌ですよね。

そこでハエも寄りつきにくい状態で堆肥を作るコツを紹介します。

ポイントは匂いを出さないこと。

そのために必要なのは密閉と水分調節です。

 

野菜くずの堆肥作り②発酵と腐敗の違いとは?

堆肥は有機物を微生物の力を借りて分解して作ります。

このとき、人間にとって有用な菌による分解を発酵と呼び、人間にとってはありがたくない菌によって分解されることを腐敗と言います。

乳酸菌で作るチーズやヨーグルト、麹菌、酵母で作るお酒や味噌は発酵食品。

食べ物が雑菌が繁殖して悪臭とともに分解されるのは腐敗。

人間様のご都合により呼び方が変わるわけです。

堆肥もなるべくよい菌で分解してもらいたいのでそのための環境を整えてやる必要があります。

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野菜くずの堆肥作り③必要な材料

野菜くずの堆肥作りに必要なのは、野菜クズなどの生ゴミと、微生物が基本です。

野菜くずだけでなく、プランターで育て終わった野菜の残渣なども利用できます。

卵の殻は天然の石灰なので殻の内側の膜を取ってから砕いて3〜4個分の殻を入れると酸度調整ができるのと、植物がカルシウム補給ができるのでお勧めです。

そのほかに、野菜くずが程よく発酵するためには水分調節が大切なので、野菜くずの1/3から1/4量の土を、大雑把で大丈夫なので用意します。

使い古したプランター用土を再生を兼ねて利用するとよいでしょう。

自然な材料で野菜くず、生ゴミの発酵を促進するなら、米ぬかを混ぜるのがよく使われる方法です。

さらにビシッと有用菌で決めたいときは生ゴミ堆肥用や、土壌改良用の微生物資材を使うとよいです。

米ぬかは近所にお米やさんや精米所があれば、そこで安価に入手可能です。

米ぬかの入手が難しい場合はホームセンターなどで、土壌改良剤、生ゴミ堆肥用の微生物資材を購入するのがおすすめです。

家庭で少量の野菜くず堆肥を作る分くらいなら1000円前後で入手できて結構使えます。

余るようなら、土に土壌改良剤としてそのまま混ぜてやればよいので無駄がありません。

Balcofarmは米ぬかがあるときは米ぬかも混ぜながら生ゴミ堆肥用の微生物資材も併用して使います。

米ぬかは肥料としても優れていますので手に入るなら積極的に取り入れたいところです。

最後に堆肥ボックスを用意しますが、これ、ベランダで少量を作る方法なので、スーパーやドラッグストアでもらうビニール袋などでOKです!

ただし袋があまり薄いと破れたり日光で劣化しますので、少し厚めのしっかりしたもの、できれば日光で温度が上がりやすい色が濃いものがあればベストです。

必要なものは以上です。

慣れるまでは扱いが楽なように少量ずつ作ってみて下さい。

ただあまり量が少ないと発酵しにくいので、目安として最低でも総量が2リットル以上になるように仕込むことをお勧めします。

スーパーの買い物袋のLサイズくらいの大きさの袋に1/3くらい資材を投入するくらいが目安です。

あとで袋の中で上下を返したり混ぜたりしたいので、袋いっぱいに中身を詰めないで下さい。

袋の1/3くらいに量を控えておくと、仕込んだ野菜くず、堆肥の上下を切り返す際に、袋の口を閉じて袋のまま材料をふり混ぜることができます。

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野菜くずの堆肥作り④ベランダでの少量の堆肥作りに適した時期

野菜くずの堆肥作りをベランダなどでするには上手く発酵させるために適した時期があります。

少量でも温度を上げて発酵をしっかり促進させたいので、春、暖かくなってこれから気温が上がっていく4月から5月始め、というのが一番の適期です。

しっかり有機物の分解が進むために6ヶ月は時間を取りたいので、その時期に作り始めれば、気温が下がる前の9月か10月には十分に分解が進んだ堆肥が使える状態になります。

ちょうど栽培期間が長く楽しめる秋冬の野菜を育て始める時期にあたります。

自家製の堆肥をたっぷり投入すれば、美味しくて甘みのある葉肉の厚い小松菜やほうれん草、アスパラ菜、春菊や大根栽培を楽しむことができます。

 

野菜くずの堆肥作り⑤堆肥を仕込むための野菜クズを用意する

台所ででる野菜の皮などは、皮を剥いたらその場でざっくり刻んでざるにとっておきます。

ついやりがちなのですが、上の写真のようにシンクの生ゴミカゴに入れておくと濡れて水分が多くなりますし、雑菌がついてしまいます。

野菜くずの堆肥に利用したい場合は、野菜くずも綺麗なうちにまな板の上でザクザク刻んで平たいざるなどに乗せて風通しのよい場所においてとっておきましょう。

野菜くずは少しずつ出ると思いますので、そのままざるに広げて水分を飛ばします。

ある程度乾いたら、ざるの隅に寄せて、また次に出た新しい野菜くずを空いたスペースに広げて、乾かします。

程よくまとまった量がたまったら、いよいよ堆肥の仕込みです。

仕込みをする日には、その日に出たばかりの乾いていない野菜くずも水分をよく切っておけば多少投入しても大丈夫です。

ただし生の野菜くずの量が多くなると発酵して野菜くずが分解される過程で水分が多くなりますので気をつけてください。

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野菜くずの堆肥作り⑥仕込み:材料を投入する

用意したビニール袋の底に2cmくらい土を入れます。

土の代わりにココピートやピートモスを入れてもOKです。

万が一失敗したとき、ココピートやピートモスなら植物素材ですから燃えるゴミとしてそのまま袋ごと捨てられます。

失敗が心配な方は最初は土の代わりに使ってみるのも一つの選択肢です。

ただ、水分が多くならないように管理すれば、野菜くずの堆肥づくりにほとんど失敗はありません。

土には余分な水分を吸収してもらう役目があるので、乾いた状態の土を入れます。

その上に土の2〜3倍の量の野菜くずや収穫を終えた作物の茎や葉を細かく切ったものを投入します。

野菜くずに米ぬかをたっぷり2〜3握りくらい、微生物資材なら1握りをまんべんなくふりかけます。

野菜くずや作物残渣が完全に乾燥している状態のものばかりなら軽く湿らせるために表面全体に霧吹きします。

軽く湿り気があるくらいの水分になるよう調整します。

野菜くずや作物残渣が生の状態なら霧吹きは必要ありません。

生の野菜くずなどは分解するときに水分が出ますので霧吹きすると水分が多くなります。

水分は多すぎると失敗しますし、匂いが出てハエなどを誘引する原因になります。

水分が多すぎるよりは少なめの方がうまくいきます。

ここまでできたらビニール袋の中身を均一になるように混ぜ返します。

空気を入れて袋の口をぎゅっと閉じて袋が膨らんだ状態でフリフリすれば簡単です。

材料が均一に混ざったら袋の空気を出来るだけ抜いて口をしっかり閉じます。

ぐるぐると硬くねじって簡単にほどけないくらいにしっかりねじって巻きつけておくと密閉できて匂いも漏れませんし、虫の侵入も防げます。

次に開けるときにも簡単に開けられるのでおすすめです。

この状態で1〜2週間置いておきます。

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野菜くずの堆肥作り⑦発酵を促す

野菜くずの発酵を促進するために温度を上げたいので、できれば袋ごと日光が当たる場所におきます。

発酵には酸素が必要ですので、最初の1〜2ヶ月は2週間に1回程度袋を開けて中を混ぜ返し、再び中の空気を抜いて口をしっかり閉じます。

米ぬかを入れて、上手に発酵が始まると最初は甘いよい香りがします。

そこからしばらくすると米ぬかの発酵が進み、糠みそのような匂いがしてきます。

また袋を開けたとき、表面に白いカビのようなものが生えているのが見えたりします。

白いカビなら米糠がうまく発酵している状態ですので心配いりません。

定期的に袋の中身を混ぜ返して、酸素を送り込み、また余分な空気を抜いて袋の口をしっかり閉じます。

徐々に糠みその匂いもしなくなります。

もし赤とか緑色っぽいカビが生えてきたときは一度中身をシートに広げて日光に当て水分を飛ばしてから再び袋に戻して微生物資材をさらに一握り追加して同じように管理します。

発酵が落ち着いてくると匂いや白いカビが徐々に見られなくなり、袋を開けたときの状態があまり変わらなくなります。

こうなったら中身を混ぜかえす回数はもっと間隔をあけてOKです。

分解が進んで水分が多くなってきたときは乾いた土や米ぬかを足して余分な水分を吸収させるか、シートに広げて天日干しして水分を少し飛ばしてから袋に戻します。

シートに広げて干した場合は、袋に戻すときに米ぬかや微生物資材を追加してやります。

時々混ぜ返しながら、有機物が分解され、柔らかくなったら堆肥の完成です。

発酵が完了して十分に熟成した堆肥は甘い香りでもなく、糠味噌のような乳酸発酵の香りでもなく、広葉樹林を歩いている時のような、腐葉土の匂いがします。

堆肥の色も最初の頃よりも濃くなります。

この色と匂いの違いを覚えておくとよいと思います。

出来上がったものは日光の当たらない場所に移動して保管します。

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野菜くずの堆肥作り⑧この堆肥作りでハエや虫が来ない二つの理由

堆肥作ると大抵はハエがやってくるのですが、この堆肥の作り方だと高さのあるベランダという環境もあるのかも知れませんがほとんどハエは来ません。

最大の理由はビニール袋をしっかり密封するので匂いが漏れにくいこと、水分を少なめにコントロールしているので、匂いの元となる余分な液体が染み出さないこと。

そしてそもそも量が少なくコンパクトであることでそんなに匂わないこと。

どちらも匂いに関するポイントですが、この二つは大きなポイントになっています。

Balcfarmでは、昨年栽培して今年の春に片付けた春菊の作物残渣に野菜くず少々、米ぬか、土壌改良剤の微生物資材で4リットルくらい、ベランダ堆肥を作ったものが夏を越してふっかりしてきました。

最初に何回か袋の中身を混ぜ返しただけであとはほんとにたまにしかまぜかえさず、ほとんど放置でしたが(笑)それなりにいい感じになってます。

そろそろ秋冬の作物の準備を始めていますので、プランター用土に混ぜて土の準備をしようと思っています。

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野菜くずの堆肥作り⑨ベランダでの堆肥づくりのコツ

畑での堆肥づくりは発酵させるために資材も大量に必要です。

積んだ資材を混ぜかえすのも重量があるため大変な肉体労働なのですが、ベランダでいくつかのプランターに必要な分の堆肥を作るくらいならこんな風に手軽に堆肥を作ることができます。

野菜くずの堆肥をたくさん作りたいときは大きな袋、一つでたくさん作ることもできますし、そんなに大きくない袋で、その分袋の数を増やして作ることもできます。

小分けにした方が混ぜ返したり、中身の野菜くずの発酵状態、水分調節などの管理が楽です。

使える時期が少し先になっても構わなければ、野菜くず、生ゴミが溜まった段階で少しずつ袋に追加投入して作り足すこともできます。

ベランダのプランター栽培用であれば野菜くず堆肥が少しあれば十分なので、こんなふうにコンパクトに小回りがきくベランダでの野菜くず、生ゴミ堆肥づくり、試してみてはいかがでしょうか。

よい堆肥で植え床を用意してやると、植物の育ちは目に見えて違います。

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野菜くずの堆肥作りまとめ、自家製堆肥を使うときの注意点

出来上がった野菜くずの堆肥は土に混ぜる前に嫌な匂いがしないか、虫が湧いていないか、変な色のカビが生えていないか、未熟な部分がないかなどを確認しましょう。

自家製の野菜くず堆肥をプランター用土に混ぜ込んで使う場合には、1年以上置いたものなら土に混ぜてすぐに作物を植えても大丈夫だと思いますが、特に秋以降に仕込んだ野菜くず堆肥で、仕込んでから半年くらいまでのものは、作物を植える1週間前には土に混ぜて少しの間熟成する時間を取りましょう。

夏前に仕込んだものは気温も高く発酵が進みますので半年くらいでもしっかりこなれていればすぐに使って大丈夫でしょう。

万が一未熟な部分が残っていてもプランターの土に混ぜてから1〜2週間おくことで、分解されます。

十分に分解される時間を置いてからプランターに苗を植えたり種をまけば、元気に育つ野菜や花を楽しむことができます。

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