ローマンカモミール、ジャーマンカモミールの違いとその効能・効果、カモミールオイルの使い方、気軽に利用しやすいカモミールティーについて紹介します。
ローマンカモミール、ジャーマンカモミールどちらも自分でも簡単に育てることができて、甘いリンゴの香りがします。
カモミールは安心して使えるとても優しいおすすめハーブです。
目次
ジャーマンカモミールとローマンカモミールにははっきりとした違いがある
カモミールにはジャーマンカモミールとローマンカモミールという2つの種類があります。
同じカモミールと呼ばれていますがはっきりとした違いがあり、どちらかといえばジャーマンカモミールの方がハーブとして一般的に利用されています。
カモミールジャーマン、カモミールローマン、と表されることもあります。
比較的安全で効果もありヨーロッパでは古くから薬草として扱われてきたカモミールですが、あえて副作用とも言えるものを考えるなら、キク科の植物にアレルギーを起こす人は、カモミールにも反応が出る場合があるので注意が必要、ということが挙げられるのではないでしょうか。
よく耳にする「ブタクサアレルギー」の「ブタクサ」もキク科の植物ですので、ブタクサでアレルギー症状が出る方はカモミールの利用は注意してください。
※カモミールを含めハーブティーなどを飲まれる場合はご自身でよくお調べになって、ご自分の体質やその日の体調など考慮しながら自己責任の範囲でお楽しみいただければと思います。
カモミールはとても有用な植物、ハーブでお伝えしたい情報量も多いことから2つの別記事でどういう植物なのかということと、その育て方について紹介しています。
この記事の最後に2つの記事のリンクを記載しておきます。
カモミールの効能・効果を得る使い方
カモミールは、ジャーマンカモミールの効能もローマンカモミールの効能も鎮静効果があるため特にハーブとしては同じように扱われることが多いです。
カモミールは花を生でもドライでもカモミールティーとして飲んだり、煮出した浸出液を外用として利用することができます。
またローマンカモミールの場合は葉自体にもりんごの香りがありますので、花だけでなく葉も入浴剤などに用いて香りを楽しむことができます。
そのほかにカモミールは精油(アロマオイル)を抽出してアロマセラピーや香水の原料として利用されます。
この精油に関してはジャーマンカモミールとローマンカモミールでは成分に大きな違いがあります。
一般的にはジャーマンカモミールのオイル(精油)が有名でよく利用されています。
冒頭でキク科アレルギーについて触れましたがそれ以外にも妊娠中や体調が悪く通院してお薬を飲んでいる場合などはカモミールだけでなくハーブ全般の利用に関して必ず医師に相談しましょう。
そういった特別の事情がなければ、適量といわれる範囲の利用であればカモミールは安全なハーブでありその効果は私たちに優しいものですので、気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。
カモミールティーの効果・効能、味
カモミールティーは安心、リラックスのお茶といわれています。
カモミールティーの味は、ほんのりリンゴの香り、ハーブティの中では割とこくがある感じでしょうか。
フレッシュカモミールティーは色は明るい黄色、花を多めに使うと少しとろみを感じながらよりフレッシュな味になりドライハーブのカモモールティーともまた違った味の美味しいハーブティになります。
カモミールは消炎鎮痛効果があることで知られており、喉の痛みを感じたり、風邪のひき始めにハーブティーを飲むとよいといわれています。
そのほかリラックス効果があるため、カモミールのハーブティーを飲んで寝るとよく眠れることは古くから知られています。
逆に車の運転をしたり、何かに集中したいときなどはカモミールティーは避けて、ローズマリーやグレープフルーツなど集中力を高める効果のある香りを利用するのがおすすめです。
カモミールティーに使う花はフレッシュでもドライでも利用できます。
フレッシュは春の時期だけ味わえる初夏の季節の味と香りで、ハーブティーの色も明るい黄色が映えるので是非耐熱性のガラスのティーポットでお茶をいれてその色を楽しんでみて下さい。
カモミールティーとして利用するには花の部分だけを摘み取って使います。
摘み取った花は洗うとカモミールの花粉が落ちてしまいますので、洗わずに使えるように汚れがついていない綺麗な花を注意深く摘み取ります。
カモミールティーはシングルハーブティーでも美味しいですが、ペパーミントとブレンドしたものは口の中や喉もスッキリしますのでとてもおすすめです。
ミントにも抗菌や消炎鎮痛作用があり、ハーブティーとしての効能も組み合わせとして相性がよいですし、何より香りがとても素晴らしいです。
他にもお好みでカモミールがリンゴの香りのするハーブですからレモンやフルーツの香りのするハーブと組み合わせてお好みのハーブティブレンドをしてみるのも楽しいです。
ドライでも乾燥でもカモミールをティーポットに入れて熱湯を注ぎ、5分以上おきます。
風邪の予防などにカモミールティーを飲むときは少し濃いめのハーブティーにするよよいでしょう。
花の量はティーカップ1杯にカモミールの花5〜6輪から始めてお好みで加減してください。
フレッシュはドライより少し多めに花を使うのがおすすめです。
ジャーマンカモミールとローマンカモミールの花のハーブティーは、ジャーマンカモミールの方がマイルドで、ローマンカモミールのハーブティーはキク科特有の苦味が少し感じられます。
ローマンカモミールには八重咲きのダブルフラワーカモミールという品種があります。
こちらも同じくハーブティーに利用されます。
八重咲きのドライのカモミールがハーブティの茶葉としてブレンドされていると見た目にも華やかなハーブティーになります。
マリーゴールドの花びらなどと合わせたブレンドティーもおすすめです。
カモミールオイル(精油)の効果・効能、2つのカモミールオイルの違い
ジャーマンカモミールとローマンカモミールのオイル(精油)はどちらにも消炎鎮痛作用や鎮静効果がありますがその成分は異なります。
ローマンカモミールのオイル(精油)はわずかに褐色がかっているか、ほぼ無色透明で、鎮静効果があるといわれています。
ジャーマンカモミールのオイル(精油)にはアズレンという成分が含まれています。
このアズレンは青色をしていることでよく知られており、採取したてのジャーマンカモミールオイル(精油)も、含まれているアズレンのために青色をしています。
そのためジャーマンカモミールはブルーカモミールと呼ばれることがあります。
ジャーマンカモミールのオイル(精油)は時間の経過とともに徐々に褐色がかっていくので、採取から時間がたったオイル(精油)は上の写真のようにやや緑色っぽく見えてきます。
たくさんの花からごくわずかな量しか採取できないためカモミールオイル(精油)は他の精油に比べて高価です。
このアズレンには消炎鎮痛作用があることから、うがい薬や喉スプレー、胃腸の粘膜の治療薬などに使われている他、化粧品やシャンプーなどにも利用されています。
カモミールの精油は貴重なのでお肌のお手入れなどに活用するのがおすすめです。
お好みのキャリアオイル(ベースオイル)に対してカモミールオイルを0.5%くらい垂らすところから始めて、肌のマッサージに使ったり、関節などの痛みのある部分のマッサージに利用してもよいでしょう。
キク科の植物ですのでくれぐれも事前にパッチテストをしたり、ご自分が使って大丈夫かどうかは自己責任で判断して下さいね。
ジャーマンカモミールのカモミールブルー
上の写真、実は右側にはローマンカモミールのオイル(精油)も垂らしてあるのですが、ほとんど無色透明のため写真では見えませんでした(笑)
ずいぶん前に購入したものでずっと大切に遮光して保存していましたが、購入したての頃のジャーマンカモミールオイルはもう少し青みが強くブルーグレーのような色合いをしていました。
精油でこんなに色があるのはジャーマンカモミールくらいなのではないでしょうか。
この記事を書きながら、あたりには上の写真の陶器の容器に入れられているカモミールオイルの香りが強烈に漂っています。
天然のカモミールブルー、いかがでしたか?
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