アスパラ菜の栽培、プランターでの育て方を紹介します。
アスパラ菜という名前を聞くと、アスパラガスの葉っぱなのかな?と思うかもしれませんが、アスパラ菜はアスパラガスとは全く別の野菜です。
アスパラ菜はプランターでも栽培しやすく、繰り返し収穫できるので冬場の青物野菜として重宝します。
丈夫でとても美味しく育てやすい野菜ですのでぜひ作ってみて下さい。
目次
アスパラ菜とは
アスパラ菜はアブラナ科の植物で菜花や小松菜の仲間です。
菜花のようにとう立ちした花茎を収穫して食べますが、菜花よりも茎が長く伸び、その茎の部分が柔らかく甘くて大変美味しい野菜です。
中国野菜の菜心(さいしん)、紅菜苔(こうさいたい)が近縁種の仲間です。
紅菜苔は茎が赤紫色です。茹でると鮮やかな緑色に変わります。
アスパラ菜は種でも、野菜としてでも「オータムポエム」という商品名で栽培されているものが多く、最近スーパーでも時々アスパラ菜をよく見かけるようになりました。
菜花の仲間ですが名前の通り、アスパラのような風味、甘みがあって柔らかくとても美味しいおすすめ野菜です。
アスパラ菜の持つ栄養素
アスパラ菜は栄養豊富な野菜です。ベータカロテン2600mg、ビタミンC110mg、その他ミネラル類も豊富に含んでいます。さっと茹でておひたしにするととても美味しいですし、アスパラによく似た味なので、ベーコンなどと炒めるのも相性がよいです。
売られているものは花茎に葉も少しついていますね。
アスパラ菜は茎だけでなく葉の部分もとても美味しいので一緒に茹でたり炒めたりして食べましょう。もちろん花も食べられます。
アスパラ菜はプランターでも栽培できますので、美味しいアスパラ菜を収穫する栽培方法を紹介します。
自分で栽培することで、花茎の部分だけでなく大きく育った葉の部分も野菜として利用できます!
アスパラ菜のプランター栽培|プランターと土
アスパラ菜は栄養をたくさん吸収して大きくなります。
プランターは標準の65cm以上のプランター、できれば深さのあるものがいいです。
小さなプランターでも作れますが、プランターのサイズに応じたサイズのアスパラ菜を収穫することになります。
最初のアスパラ菜の花芽を収穫したあとも脇芽が育ち繰り返し収穫出来ますので、土が多い方が2回目、3回目に収穫するアスパラ菜が太くてよいものが収穫出来ます。
上の写真は長さが35cm、高さが13.5cmの小さなプランターで12月の終わり頃に種まきしたアスパラ菜です。
寒いので室内において、暖かい日は昼間外に出して直射日光に当てながら、2ヶ月半ほどかかって結構立派に育ちました。
この後細いですが花芽もしっかり上がってきたので葉っぱごと収穫していただきました。
太くて立派なアスパラ菜花芽を食べたい場合は大きなプランターを用意しましょう。
土の少ないプランター栽培の場合は有機肥料をベースに化成肥料を少し併用した方が生育が安定するかもしれません。
使い古しの土を使う場合は石灰で酸度調整をしたあと、しっかりと元肥と有機質の完熟堆肥を入れて土を作っておきましょう。
一般的な野菜の用土は赤玉7:腐葉土3が基本と言われますが、アスパラ菜は栄養に富んだ土で作った方が甘くて太くて柔らかいものが採れますので、赤玉6:腐葉土4、あるいはもっと腐葉土を多くして赤玉5:腐葉土5でもいいかもしれません。
元肥や完熟堆肥を多めに入れる時は、混ぜた後の土を置いておく時間を少し長目にとって、肥料や堆肥を土と馴染ませましょう。
理想は1ヶ月前に準備しておくのがよいです。
アスパラ菜のプランター栽培|種まき
アスパラ菜の種はルッコラや小松菜のように細かくて、購入したものは薬剤処理されていたので青かったです。
秋まきで9月中には種まきします。
太くて柔らかい花芽がたくさん出るように大株に育てると美味しいものが収穫できます。
株を充実させて花芽を次から次へと育てるために収穫期間が長くなります。
そのためプランターへの直まきで育てる場合にはすじまきではなく、点まきで1箇所5〜6粒の種をまくようにしましょう。
すじまきで間引き菜を収穫して食べてもいいのですが、なるべく土の栄養分を花芽を育てて収穫する株のために使う方がしっかりした株に育ちます。
65cmプランターで3株を育てるくらいでしょうか。
欲張って数を増やすとその分一株が小さくなり花芽も細くなります。
葉の収穫が目的の小松菜などであればすじまきして若い葉をたくさん収穫しますが、アスパラ菜の場合は株をしっかり成長させて花芽を収穫したいので、ここはぐっと我慢して3株ほどで育てましょう。
アスパラ菜のプランター栽培|間引きのタイミング
アスパラ菜の種は小さな粒状、アブラナ科の植物の種なので発芽は早いです。
1回目の間引きは双葉が出て本葉2〜3枚のころ、3本立てになるように元気のいい芽を残して間引きます。
2回目の間引きは本葉5〜6枚。この頃になると苗の成長が安定してきて、しっかりした株を見分けられるようになります。
一番いい株を残して残りの2本を間引きます。
間引きをした後は土を株元に寄せて、アスパラ菜の苗がぐらつかないようにします。
アスパラ菜のプランター栽培|水やりと追肥
過湿はよくありませんが、水と肥料は切らさないようにやります。
水やりの代わりの液肥を1週間に1回与えることはもちろん、固形の肥料については量を控え目にしてその分2〜3週間に1回、株間の土にまいて軽く表面を混ぜておきます。
プランター栽培の場合、土の量が限られているので一度にたくさんの肥料を入れると根が肥料焼けしてしまいます。
毎回少しずつの量を、間隔を短くして追肥することで肥料切れを起こさないようにしましょう。
最初の小さなうちは少し小松菜に似た葉ですが大きくなるにつれてより色濃く、艶と厚みのある葉になっていきます。
大きな葉が育って株が充実すればするほど、しっかりしたよい花芽が上がってきます。
ベランダなどは乾燥しやすく、たくさんの葉が育ってくると冬場でもプランターの土が乾きやすくなります。
表面の土が乾いていないか常に注意して、表面が乾き始めたらたっぷりと水をやってください。
アスパラ菜のプランター栽培:花芽の収穫
アスパラ菜の株が大きく育ち、60日ほど経つと株の中心から花芽が上がってきます。
アスパラ菜の一番芽が一番太く美味しいです。
株の中心から初めて上がる花芽は蕾が見え始めたら、外葉10枚以上を残して摘心します。
プランターの場合はそんなに外葉が十分に育たない場合もあるかと思います。
そういう時は花芽の茎の下から2芽くらいを残してカットします。
花茎が太いのでハサミよりも包丁などでカットした方が切り口が痛みません。
芽ものは一刻一刻の成長が早いので収穫の適期を逃さないようにしましょう。
アスパラ菜の株の成長の状態がよければ、外葉も1〜2枚収穫してもよいでしょう。
栽培がうまくいっていると、アスパラ菜の外葉はとても大きくて分厚い葉になります。
かなり大きいので硬いかな?と思っても火を通すとアスパラ菜は葉も柔らかく滋味深く美味しい野菜として食べられます。
炒めたり、お味噌汁に入れるといいです。
アスパラ菜のプランター栽培|二番芽からあとの脇芽の収穫
アスパラ菜の一番芽を収穫した後、追肥と水やりをしていると、脇から再びアスパラ菜の花芽が順番に上がってきます。
その後の脇芽も20〜25cmになるまでの間に花茎の根元から包丁で切り取ります。
何度かアスパラ菜の花芽を摘み取って、もうこれ以上はあまり花芽もよいものができないな、というところまできたら、株ごとアスパラ菜を全部抜き取り収穫してしまって、残っている葉の柔らかい部分を食べてしまいましょう。
太くて柔らかいアスパラ菜の脇芽を育てるには追肥をしっかり効かせるのがコツです。
収穫後にパラパラと追肥をして、次のアスパラ菜の脇芽を収穫したらまた追肥をする、ということを繰り返します。
アスパラ菜の柔らかい葉が育つよう、水やりもしっかりします。
アスパラ菜のプランター栽培|プランターでの育て方のコツ
アスパラ菜をプランターで栽培するときの育て方のコツは、とにかく少ない土でも肥料を切らさないで、十分な栄養をアスパラ菜が吸収できるようにしてやることです。
少し手がかかりますが、追肥の仕方を参考に、少しずつこまめに回数を分けて肥料分を土に補給していきましょう。
秋まき栽培は虫がつきにくいので育てやすいですし、アスパラ菜をじっくり大株に育てることで太くて柔らかい花茎が上がったものを収穫することができます。
アスパラ菜の葉の部分も美味しい野菜ですので、葉を食べるためにもしっかり大株に育てましょう。
菜花もそうなのですが、アスパラ菜は幼苗のうちは葉は割と薄くて軽い感じなのですが、成長するにつれてしっかりと葉に厚みと艶が出てきます。
こうなってからのアスバラ菜は炒めたり汁物の具にしたりするととてもコクが感じられます。
アスパラなの花茎はもちろん、葉にも甘みと旨味があってとても美味しい野菜ですので、ぜひお試しくださいね。