ステビアの使い方やステビアの苗の選び方、育て方、ステビア栽培について紹介します。
ステビアの使い方はとても簡単で、甘味のある葉を摘んでお湯を注げばステビアのハーブティをすぐに楽しむことができます。
「ステビア」は一般的に甘味料の名前として知られていますが、実はその甘味料の元になっているキク科の植物、それ自体の名前であることをご存知でしょうか?
そしてそのステビアという植物はハーブとして苗から育てることができ、その葉を口に含んで噛むと口の中いっぱいに甘みが広がります。
ステビアの苗はホームセンターのハーブコーナーなどで主に春先に入手できますが少し選ぶ際に気をつけた方がよい注意点があります。
目次
ステビアとは
ステビアは南アメリカ原産のキク科ステビア属の植物です。
草丈は50cmから1mで夏から秋にかけて小さな白い花が咲きます。
古くは南米の先住民が薬草として珍重していましたが、現代においても砂糖の代用として利用したり、その他にも様々な薬効が期待できるとして研究されています。
その甘み成分はステビオサイドで、飲料にも広く利用されています。
ステビアの葉はキク科の植物に多くみられる様に、その表面がとても細かなうぶ毛で覆われていて、わずかに白っぽく見えます。
ただ、触ってみるとよもぎほどのザラザラ感もなく柔らかい茎葉をしています。
ステビアの使い方
ステビアの使い方は、生の葉を必要な分だけ摘んでそのままハーブティなどに使うことや、摘んだ葉を乾燥させてドライハーブとして使うこともできます。
またステビアシロップを作って、飲み物などの甘味づけに利用する使い方もあります。
生のステビアの葉は生育が旺盛な春から秋にかけてはいつでも気軽に摘み取って使うことができます。
ステビアの葉の味は、感じ方の個人差もあると思いますが、砂糖とは違うさらっとした甘みです。
ステビアの生の葉は口に含むと強い甘みとともに少し青草の香りとほのかな苦味を感じます。
ステビアの生の葉はハーブティやサラダのアクセントに使うこともできる他、ステビアの葉を煮出した汁を煮詰めることでステビアシロップとして利用することができます。
ステビアシロップの作り方は別記事で紹介しています。
ステビアの葉の抽出方法によって出来上がったシロップの状態が変わるので、いくつか試した結果を以下の記事で紹介しています。
またお手軽で保存が効く方法としてはステビアの茎葉を刈り取って乾燥させてから、葉の部分をドライハーブとしてお茶にブレンドしたり、料理に使うのがおすすめです。
ハーブの香りは花の咲く直前が一番強くなるものが多いのですが、ステビアの甘み成分は花が咲き終わってから、秋遅くの頃が一番多くなります。
ですのでステビアの葉を乾燥させて保存する場合はステビアの花が終わってから、秋遅めの時期に地上部を刈り取って葉を乾燥させるのがおすすめです。
ステビアの育て方①ステビアの苗の選び方
ステビアの苗はホームセンターなどに入荷する際、売り場面積があまり大きくない店舗ではそれだけがまとまって沢山売られていることはあまりありません。
いろいろなハーブ苗とともに数株お店に入荷する、というのが大抵の様子ですので、ステビアを育ててみたい方はホームセンターなど、お店で見かけたときは迷わずにその場でステビアの苗を入手するのがおすすめです。
ステビアの持つ甘味は株ごとに個体差があるので、ステビアの苗を入手する際には、できればしっかり甘みのある親株からの株分や挿し木苗が選べるとよいです。
ステビアを種まきして育てると、育った苗の中にはあまり甘みがなかったり、苦味を感じるものも出てきますので、ステビアの甘味を利用する目的で栽培したい場合は、種まきから始めるよりも、甘味の強い苗を選んで購入する、あるいは、甘味の強い株の脇芽を株分け、挿し木して育てるのがおすすめです。
よい性質を持ったステビアの株からの挿し木苗や株分け苗は親株の性質をそのまま持って成長します。
そうすれば、甘みがしっかりあるステビア栽培を楽しむことができます。
ステビアの苗はホームセンターなどで春に入手できます。
もし身近なところで入手できなければ通販サイトで検索すれば、送料はかかりますがハーブ専門ショップなどでステビアの苗を入手できます。
ステビアの育て方②用土の準備と苗の植え付け
ステビアは水はけのよい有機質をたっぷり含んだ肥沃な土でよく育ちます。
赤玉6、腐葉土4の割合の用土に元肥を入れて準備したところに苗を植えます。
苗の植え付け適期は4月から5月にかけてです。
鉢は5〜6号鉢に一株を目安にします。
苗を植え付けたらたっぷり水をやります。
ステビアの育て方③植え付け後の管理
ステビアの苗を植え付けた後は、日当たりの良い場所で管理し、表面の土が乾いたらたっぷり水をやります。
春から秋にかけてよく成長するので、週1回は水やりの代わりに液肥を与え、春と秋には追肥をしましょう。
ステビアは暑さにはあまり強くないので真夏は半日陰に鉢を移動するか、寒冷紗をかけて強い日差しを避けます。
また冬も氷点下になる場合はステビアの鉢を室内に取り込むなどして保温しましょう。
ステビアの育て方④病害虫について
ステビア栽培ではあまり病気のことは気にしなくて大丈夫です。
害虫は春先に温度が上がってくると新芽にアブラムシがつきやすいです。
見つけたらすぐに牛乳スプレーなどで駆除しましょう。
たくさんのアブラムシがついてしまった場合は、その部分の茎はカットして処分した方がよいでしょう。
アブラムシの仲介するすす病などの菌が繁殖してしまうと厄介です。
茎をカットして切り戻せばその分脇芽も育ちますので、適宜アブラムシが多くついた茎の部分はカットしましょう。
その他はあまり気になる害虫もありません。
葉を利用したいので、万が一害虫と思われる虫を見つけた場合はなるべく牛乳スプレーなどで農薬を使わずにすむ方法で駆除しましょう。
ステビアの育て方⑤ステビアの葉や茎の収穫(春から夏)
上の写真は5月の初めに小さな5cmくらいのステビアの苗をポットに植えて、育てたものです。
甘味の強い親株の株分け苗です。
2ヶ月で鉢底から60cm以上の大きさに育ちました。
すでに真ん中あたりの脇芽がもふもふと育ってきています。
春から秋にかけては必要に応じてこの茎先を積んで利用することができます。
切り戻せばそこから脇芽が育って枝も増えこんもりとした株になりますのでよい葉の付いているところの上で茎をカットしましょう。
またステビアは夏の高温は苦手ですので梅雨前後に気温が高くなってきたら、少し株に風通しがよくなるよう、ステビアの茎元から何本かの枝をカットして、透かし剪定しておきましょう。
透かし剪定でたくさんステビアの葉が採れた時は乾燥して保存しておけば必要な時に使うことができます。
ステビアの育て方⑥ステビアの葉や茎の収穫(秋)
ステビアの本格的な収穫はステビアの花が咲いた後になり、中間地の目安としては10月終わりから11月にかけてです。
この時期にステビアの甘みが一番強くなります。
上の写真は1つ前の5月の初めの写真の茎を摘心した後、ステビアの脇芽が順調に育って12月の終わりに収穫したものです。
このステビアは10.5cmの小さなポットで育てていましたが、それでも切ったものの長さを測ったら1.2mほどありました。
地上部を15cmほど残して茎を刈り取りました。
残った鉢にはすでに2〜3個ほど、新芽が顔を出しています。
刈り取ったステビアはさっと洗ってほこりやゴミを落としてから水気を拭き取った後、よく乾燥させてから、空きビンなどに入れて保存します。
ステビアシロップ作りなどの用途で甘味を重視する場合は葉の部分だけを取って保存します。
ハーブティーとして利用したりする場合は、茎の部分も一緒に利用してもよいでしょう。
ステビアの育て方⑦冬越しと来春のための手入れ
ステビアは多年草ですので上手に冬越しすれば翌春もまた新しい茎葉がよく育ちます。
秋の収穫を終えたら、有機質肥料などゆっくり効く肥料を控えめに与えて来春に備えます。
また気温が氷点下になるような場所ではステビアは冬越し出来ませんので鉢を暖かい場所に移動します。
地植えの場合は敷き藁やマルチ、トンネル掛けをして保温しましょう。
翌春、新芽が出てきたら追肥をします。
もし鉢植えで根がいっぱいに回っている場合は、春先にステビアの新芽が育ち始めた頃に植え替えや株分けをします。
これでまた春から元気にステビアが育ってくれます。
ステビアをティータイムのお供に
甘いもののカロリーが気になる方や、糖分を控えないといけない方にとってステビアはオススメのハーブです。
カロリーを気にせず軽い甘みを楽しめるステビアのお茶は気分転換に最適です。
ステビアだけでもいいですし、他にハーブとのブレンドでも、紅茶やコーヒーにも合わせられます。
普段のお茶にステビアの葉をプラスして楽しんでみませんか?
ステビアのシロップの作り方はこちらの記事で紹介しています。