レモングラスは丈夫で地植えにすると増えすぎだと思うくらいよく育ちます。
この記事ではレモングラスの基本の育て方のほか、レモングラスが増えすぎた時の手入れ、レモングラスが枯れたと思われる時の対処法など、育てるにあたって知らないと損するレモングラスの茎のこと、レモングラスの株分けや挿し木での増やし方、冬越しのしかたなどについて紹介していきます。
レモンの香りがするハーブの中でもハーブティーやポプリなどに人気があるのがレモングラスです。
目次
レモングラスについて
レモングラスは東南アジア原産のイネ科の植物です。
細長い葉が稲のようにすっと伸びて、どんどん分けつして増えすぎるくらいよく増えます。
暑い地域の植物なので日本では花を見かけることはあまりなく、耐寒性がなく多くの日本の地域の冬の寒さには耐えられないのでレモングラスの冬越しは手を加えてやる必要があります。
レモングラスを育てる場合は苗を買うか、育てている人から株分けしてもらって育てましょう。
一株育てているとレモングラスは増えすぎるくらいにどんどん増え、葉をたくさん収穫できるのでレモングラスティーを気軽にいつでも楽しむことができます。
ドライにするのも簡単で扱いやすく香りもいいハーブですのでおすすめです!
レモングラスの茎について
意外に知られていないレモングラスの茎のこと、これを知らないと損してしまうので簡単にご紹介します。
レモングラスの育て方のことを書くに当たって、一番お伝えしたいと思っていたのが実はこのレモングラスの茎のことです。
日本ではレモングラスは単にレモングラスとして苗が売られていてあまり区別がわかりにくいのですが、レモングラスにもいくつかの種類があります。
その中で是非とも知っておきたいのはレモングラスの茎がふっくら太くなるものと太くならないものがあるということです。
これらのレモングラスは別の品種です。
上の写真のレモングラスの茎もとがふっくらしているのがわかります。
タイ料理のトムヤムクンなどに使われるレモングラスの茎は写真のように茎もとが柔らかくてふっくら太くなる品種のものが使われています。
そしてこれまで日本でハーブとして売られてきたレモングラス苗の多くは茎が太らないタイプのレモングラスです。
ですからレモングラスの生の茎を刻んで料理に使いたい場合には注意が必要です。
以前Balcofarmでもレモングラスの苗を育てていた時にいっこうに茎が太くならないので、育て方が悪いのだと思っていた時期がありました。
丈夫で葉はよく茂り、香りもよくてお茶にすればフレッシュもドライもとても美味しい。
「あとは茎が太るだけなのになあ。。。?」
なんて不思議に思っていました。
育て方や気候が合わないのかと思いよくよく調べてみると、どうやらそもそも品種が違うらしいことがわかり、がっかりして残念に思ったことがあります。
今もインターネットで検索してみると詳しい情報が少ないので、レモングラスの苗をこれから育てる方は、手に入れようとしている苗がどちらの品種のレモングラスか購入前に確認することをオススメします。
今はインターネットで情報もあっという間に広がりますから今後は茎が太るタイプのレモングラスの苗も入手しやすくなるかもしれませんね!
レモングラスの育て方①基本の知識
レモングラスは丈夫で育て方は簡単で増えすぎるくらいよく育ちます。
ハーブや花を初めて育てるという方でも無理なく育てることができ、地植え、鉢植えどちらもよく育ちます。
レモングラスは春先に苗を購入して育てるのがおすすめです。
苗は春の新芽が出る前だと直立した一本棒のような形をしているかもしれませんが、たった1本のその茎から分けつしてよく増えます。
初めてレモングラスの苗を見ると貧相な苗に思えるかもしれませんがちゃんと育ちますので大丈夫です。
香りもいいのでハーブを初めて育てる方でも育てやすいと思いますのでレモンの香りがお好きな方はぜひ育ててみられるとよいのではないでしょうか。
ここからは実際の苗の植え方やその後の手入れ、株分けや挿し芽での増やし方、冬越しについて紹介していきます。
レモングラスの育て方②苗から育てる
レモングラスは熱帯の植物なので苗はハーブ苗を扱う園芸店などに遅めの春先に出回ります。
あまり数は多くないと思うので、ハーブ専門店などで探す方が確実だと思います。
ハーブ苗は3号ポットの小さなものなら価格も安く入手できます。
レモングラスは小さくてもよく育って大きくなりますからポット苗で十分です。
レモングラスの育て方③苗の植え付け
春、暖かくなってポット苗を入手したら5〜6号サイズの鉢に植えるか、地植えにします。
土はあまりこだわらなくて大丈夫です。
地植えなら植え穴を掘る時に腐葉土や堆肥を混ぜてやれば十分です。
レモングラスを鉢植えする場合は、イネ科の
ですので水はけがよくても水持ちするよう、赤玉6と腐葉4くらいの割合で用土を準備してやるとよいと思います。
水はけのよい土にするために川砂を1割ほど混ぜるやり方もありますが、なくても十分植物は育ちます。
Balcofarmでは赤玉と腐葉土か牛糞などの堆肥を使い、混ぜる割合を変えることでほとんどの植物を育てています。
土についてもなかなか奥が深いので機会があったら記事でご紹介したいと思います。
レモングラスは短期間に大きくなるので有機質がしっかり含まれている土の方が育ちがよいので腐葉土の割合を多くします。
酸性度を嫌うのでできれば2週間前くらいに苦土石灰で土の酸度を調整しておき、その後元肥を混ぜ込んでから苗を植えます。
レモングラスは根も丈夫ですから植え付けの時はあまり気にせずポットからレモングラスの苗をさっと抜き取って植え替えましょう。
鉢植えの場合は鉢底に鉢底石をひとならべしてから用土を1/3くらい入れて、鉢の中央に苗を置き、根鉢の周囲の隙間に土を入れていきます。
最後に鉢の周囲の土を割り箸などでつついて隙間がないようにしっかり土を締めてからたっぷり水やりします。
レモングラスの育て方④水やり
地植えの場合は水やりはほぼ必要ありません。
鉢植えのレモングラスは水が切れると葉先から枯れてくるので、鉢土の表面が乾いたらたっぷり水をやりをして、いつも葉が青々とした状態になるように管理します。
だからといって乾かさないように常に鉢土を湿らせておくのではなく、鉢土の表面が乾いてからたっぷり、鉢底から水が流れ出るくらいの水やりを繰り返します。
鉢土の表面が乾く前に水をやると根腐れの原因になります。
よっぽど水生植物など特別な場合を除いではこれが多くの植物の水やりの基本になります。
レモングラスの育て方⑤肥料
レモングラスは成長期には葉がわっさわっさと茂り、1m以上の草丈になります。
ですので植え付けて苗が成長を始めたら、月に1回は固形肥料の追肥をします。
肥料切れになるとレモングラスの葉色が薄くなったり元気がなくなります。
春から秋にかけては1週間に一回は水やりの代わりに液肥をあげるのもおすすめです。
よく育つので1回の量を多くやるのではなく、量は規定量か少し控えめに、ただし肥料切れを起こさないよう回数は定期的にこまめにやるのがよいでしょう。
香りのよい葉を収穫するなら様々な微量要素を含んでいる有機肥料をおすすめします。
野菜もそうですがどんな肥料をやるかで味が変わりますから、ご自分の好みの肥料を見つけられたらいいですね。
レモングラスの育て方⑥レモングラスが増えすぎた時の植え替えと株分け、株の増やし方
春から秋までの間、レモングラスはどんどん大きくなります。
レモングラス が増えすぎて鉢の中に根がいっぱいになってきたら植え替え時です。
一回り大きな鉢に植えるか、鉢の大きさを変えたくない時は株分けします。
鉢が小さいと水切れしやすくなりますので、できれば8号以上の大鉢で育てた方が育てやすいです。
草丈も高くなるのでその方が転倒防止にもなります。
5〜6号鉢からの最初の植え替え時には鉢増し(サイズアップ)して、それ以後は株分けや古くなった根株を整理して同じ鉢に新しい土を足して植えるのがおすすめです。
株を分けるときもザクザクとおおざっぱに株を割ってしまって大丈夫です。
多少根が折れてしまっても、レモングラスはどんどん新しい根が出ます。
根鉢が回りすぎてほぐれない時は、ハサミやカッターで根鉢を切り分けで古い根や土を落として綺麗に整理してから植え替えます。
切り分けた株を鉢に植えればあっという間にレモングラスの株分け完了。
こうしてどんどん株を増やすことができます。
レモングラスの育て方⑦挿し芽(挿し木)、水挿しでのレモングラスの増やし方
レモングラスは根のついていない茎を土に挿して増やすこともできます。
切り口が痛まないように挿し木用の土か赤玉土など清潔な土を十分に湿らせてレモングラスの茎を2〜3cm土に埋めます。
発根して新芽が育ち始めるまで土を乾かさないようにします。
発根して成長を始めるまで3週間ほど見てください。
気温が高い時期はより短い時間で成長します。
熱帯の植物ですので挿し芽は春から夏にかけての暖かい時期にします。
成長を始めたらあとは少しずつ鉢増しをして大きく育てていきます。
レモングラスはイネ科で水と相性がよい植物ですのでレモングラスの茎を水挿しして、発根させてから土に植え替えたり、しばらくの間はそのまま水耕栽培で育ててもよいでしょう。
レモングラスは大きくなりますので、水耕栽培は発根した初期のうちまでにして、発根してある程度育ったら早めに土に植えるのがおすすめです。
レモングラスの育て方⑧収穫
レモングラスはある程度大きくなれば春から秋にかけて葉が茂っている時期はいつでも収穫できます。
必要な量をカットして料理の香りづけやハーブティなどでフレッシュな香りを利用しましょう。
夏場、葉が蒸れると枯れこんでくるので、暑くなり始めたら、収穫を兼ねて葉をすかすように刈り取るとよいでしょう。
葉を摘み取る時は地上部15〜20cmのところで葉をカットします。
茎の部分を料理に使いたい場合は茎もとから地上部を全てカットします。
レモングラスはよく分けつして育つのであまり密植になってくるようなら茎もとからカットすれば新しい茎が太るスペースもできます。
レモングラスの増え過ぎ対策にもなりますね。
レモングラスの育て方⑨冬越し
レモングラスは熱帯の植物です。関東以西なら屋外でもある程度冬越しも可能ですが、霜が降りたりするようだと枯れてしまいます。
最低でも5度以上を保てる場所でなければ鉢植えで育てて冬は室内に取り込みます。
地植えの場合は秋に株の一部を掘り上げて鉢上げしてもよいでしょう。
もし地植えの株が枯れたとしても鉢上げしておいた株をまた春に植え付けることができます。
冬越し前、秋深くなった頃に地上部15〜20cm程度を残して葉を全部刈り取り、その状態で冬越しさせます。
冬の間も回数は少なくなりますが、土が乾いたら水やりをして、根が乾燥しないように管理します。
土の表面に敷き藁などでマルチをして寒さ対策をしてあげるのもよいです。
レモングラスの育て方⑩レモングラス が枯れた?!と思っても復活することもある
冬場にレモングラスが枯れた!と思っても春先に復活して新芽が育つことがあります。
基本は冬越しの際にマルチをするなど保温してやればちゃんとレモングラスは復活します。
寒さで地上部が枯れてしまい、完全に死んでしまったように見える場合でも、根が凍ったりせず生きていれば、春先に暖かくなると、枯れた地上部の隙間から新しい葉が出て復活することがほとんどですので、諦めずに様子を見てみましょう。
レモングラスの育て方⑪葉を堆肥やマルチに
レモングラスは育つと葉がたくさん茂ります。
特に鉢植えの場合は増えすぎ、と思ったら株の維持のために適度に刈り取りをしたほうが管理がしやすいです。
夏場の蒸れ対策や冬越しの準備で増えすぎた葉をたくさん刈り取った時は、刈り取った葉を短く切って他の鉢植えのマルチとして利用したり、堆肥に入れると植物の成長がよくなります。
レモングラスにはそのレモンの香りの成分に穏やかな虫の忌避効果がありますので、堆肥やマルチはおすすめの利用法です。
少しの量ならベランダ菜園でも堆肥を簡単に作ることができます。
堆肥の作り方も順次ご紹介していければと思います。
まずはレモングラスを気軽に育ててその香りを楽しんでみて頂けたらと思います。
レモングラスのハーブティや茎を料理の風味づけにするととても美味しいです!
レモングラスの利用法は次の記事でご紹介していきます。