ゼラニウム・シトロネルムはレモンゼラニウムよりレモンの香りが強いゼラニウム、シトロネルムの特徴と育て方

ゼラニウム・シトロネルムはレモンの香りのするハーブの中でもその香りが最も強く、レモンゼラニウムとは比較にならないくらい、鮮烈なレモンの香りがあたりに漂います。

このゼラニウム・シトロネルムは、香りのよいセンテッドゼラニウム類、ハーブゼラニウムの原種と言われ、他のゼラニウム同様の可愛い淡いピンク色の花が咲きます。

希少品種で入手できるチャンスがなかなかありません。

通称ペラルゴニウム・シトロネルムとも呼ばれ、他のゼラニウムと比較して成長がゆっくりなのも、希少な品種のゼラニウムである理由の1つかもしれません。

植物学的にはゼラニウムはペラルゴニウムの仲間です。

日本ではハーブ系の香りがよいものはセンテッド・ゼラニウムと呼ばれます。

希少品種であるゼラニウム・シトロネルムを実際に育てた経験から、その基本的な育て方を紹介します。

本当にレモンの香りが強く香りますので、もし園芸店で見かけたときは大いにお持ち帰りをおすすめします。

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目次

ゼラニウム・シトロネルムはセンテッドゼラニウムの原種

ゼラニウム・シトロネルムはセンテッドゼラニウムの仲間でフウロソウ科、南アフリカが原産の植物です。

ゼラニウムは全般的に南アフリカ原産で、その中で葉に芳香があるものはセンテッドゼラニウムというグループにまとめられています。

和名ではニオイゼラニウムと呼ばれたりしますが、実はゼラニウムもセンテッドゼラニウムも植物学的にはペラルゴニウムに分類されます。

バラやフルーツ、スパイスの香りのする品種が様々ですが、中でもこのゼラニウム・シトロネルムはレモンの香りのするセンテッドゼラニウムです。

センテッドゼラニウムの中には他にもレモンの香りのするレモンゼラニウムという品種もありますが、このゼラニウム・シトロネルムとレモンゼラニウムは別の品種になります。

ゼラニウム・シトロネルムはセンテッド・ゼラニウムの原種と言われており、センテッドゼラニウムの品種改良の交配親として用いられています。

そのためなのかどうかはわかりませんが、レモンゼラニウムよりもゼラニウム・シトロネルムの方がレモンの香りがかなり強いです。

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ゼラニウム・シトロネルムの葉と花

 

センテッドゼラニウムは割と葉が小さめだったり切れ込みが深いものが多いですが、ゼラニウム・シトロネルムの葉はその中では比較的大きくもみじを連想させるような切れ込みの葉です。

原種のせいか、ゼラニウム・シトロネルムの葉は褐変しやすく、水が足りなかったり、わずかな傷から葉が痛みやすい傾向があります。

葉の手触りはザラザラしています。

香りは抜群に素晴らしく、風が吹いてちょっと葉が揺れただけでもあたりにとてもよいレモンの香りが漂います。

鉢植えを入手する前にいろいろ調べていた時、センテッドゼラニウムとしては大きめのピンク色の花が咲くようでしたので、シトロネルムの花が咲くのをとても楽しみにしていました。

花が見事に咲いたので、この記事冒頭の写真を差し替えています。

センテッドゼラニウムや植物学的にお仲間のペラルゴニウム類は個人的にとても好きな花です。

このゼラニウムの花の中心部分のマゼンダピンクの色合いに個人的にとても惹かれます。

 

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ゼラニウム・シトロネルムの育て方①過湿を嫌う

ゼラニウムは乾燥に強く、生命力が強いのでわりと放任栽培にしていてもよく育ち、多少水を切らしてしまっても大丈夫だったりします。

でもこのゼラニウム・シトロネルムは根がとても細くてこまかいせいか、水が足りないとすぐに葉が褐変しやすく、逆に過湿になると、すぐに元気がなくなるので、少し栽培の難易度が高いです。

日本の蒸し暑い夏には風通しよくなるべく涼しい場所においてやることが重要です。

また冬はできれば室内に取り込んでやる方が良いでしょう。

肥料もそんなにたくさんは必要ありませんので、春先新芽が育ち始めたら追肥をしてやって、春から夏にかけての花を楽しみ、暑い時期にはあまり肥料はやらず、秋にまた追肥をやるくらいで十分かと思います。

Balcofarmでは育てて3年目の夏、梅雨の長雨がひどかった時に根腐れさせてしまったようで、残念ながら貴重な鉢植えを枯らしてしまいました。

もしまた苗を入手できるならぜひもう一度育てて香りを楽しみたい品種です。

 

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ゼラニウム・シトロネルムの育て方②植え替え

買ってきた鉢植えは一回り大きな鉢に植え替えるとよいでしょう。

最初に植え替えたらそのあとは2年に1回、鉢増しするか、古い土や根をとって、新しい土と入れ替えて同じサイズの鉢に植え替えてやればよいかと思います。

あまり根が回っているようなら、1年に1回のペースで植え替えましょう。

購入した鉢土にはとても軽くて細かい植物の繊維質が豊富な土が使われていました。

室内で育てるには向いている土のように思いましたが、Balcofarmは風が吹くと風当たりがわりと強いので、鉢がひっくり返らないようにもう少し重みのある土で植え替えました。

ゼラニウム・シトロネルムの根は、幹から直接土の中に伸びたような太い主根からとても細かい根が張っていました。

たまたまBalcofarmのところにやってきた鉢がそういう状態だっただけかもしれませんが、太根と細根の中間の太さがありませんでした。

また、シトロネルムの細根の部分は他のセンテッド・ゼラニウムよりもだいぶ繊細な感じの根のように思いました。

ですのでシトロネルムを植える土の目は根の太さに合わせてある程度細かい方がよいかもしれません。

ゼラニウム・シトロネルムの根を触るときは少し丁寧にしてやるように気をつけた方がいいかな?と感じました。

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ゼラニウム・シトロネルムの育て方③増やし方は挿し木・株分けで

 

 

ゼラニウム・シトロネルムは挿し木での繁殖が難しいと言われているようですが、Balcofarmで実際に挿し木してみて思うことは、挿した枝はほとんど活着して発根しましたので、挿し木自体はそんなに難しくないかもしれない、という結果に落ち着きました。

ただし、通常のゼラニウム類は挿し木でよく増えるので株を増やしたい時にはわりと簡単にできるのですが、ゼラニウム・シトロネルムは発根した後の成長は他のゼラニウムに比べてだいぶゆっくりです。

ですからシトロネルムの苗が小さいうちは水やりなどを丁寧に管理する必要があります。

親株から脇芽も出ますので、株を増やすには株分けという方法もあります。

シトロネルムの成長がゆっくりなだけに、最初から根がある株分けの方がおすすめの増やし方です。

写真のように地下茎から脇芽が上がってきますので、ある程度大きくなってから、親株から丁寧に根を分けて新しい小さな鉢に植え替えて育苗しましょう。

植え替えのところでもお伝えした通り、シトロネルムの根はとても細くて繊細です。

シトロネルムの子株は特に丁寧に扱った方がよいです。

シトロネルムの子株の茎は土の中で親株に繋がっていて、その先に根があるので、茎を途中で折らないように、必ず根が付いた形になるように丁寧に株分けしましょう。

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ゼラニウム・シトロネルムの育て方④株分け後

 

株分け後のゼラニウム・シトロネルムです。

シトロネルムは乾燥には強いですが、根がしっかり張って活着するまでは半日陰から日陰で管理します。

脇芽が4つあったのですが、一つは付け根の部分で折れてしまい、根をつけることができなかったので、鉢植えではなく、初めての挿し木にトライしました。

 

 

不覚にも根のついた部分をつけられず、折れてしまったゼラニウム・シトロネルムの脇芽。

シトロネルムの挿し木はもともと難しいと言われていたのでわざわざ挿し芽用の茎をとったりはしませんが、たまたま出てしまったので、挿し木を試みました。

切り口を斜めにカットして、発根促進剤につけてあります。

これを用土に挿して発根するかどうか。。。しばらく室内管理になります。

他にいちじくや八重咲きカリブラコアの花苗からとった挿し穂も管理しているエリアに仲間入りです。

プロでも発根率は低いようなのですが、元気なこの脇芽をなんとか根付かせられるか、実験してみたいと思います。

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ゼラニウム・シトロネルムの育て方⑤挿し木に成功しました

 

 

株分けの時に根をつけることができなかったシトロネルムのひと枝を挿し木しました。

小さな新芽が動き始めたので見てみると、無事に発根していることが確認できました。

挿し木をする時は根がなく水の吸い上げ力が足りないので大きな葉をとって挿し穂の負担を減らします。

上の写真、別れている二つの枝のそれぞれの中心に小さな新芽が出ているのがわかるでしょうか。

 

 

挿し木は挿し穂に蓄えられている栄養だけで新芽が動くこともあるので、芽が出ても発根していない場合もあります。

そのため発根が確認しやすい自家製の容器に挿し木しておいて、時々横から根が出ていないか状態を確認していました。

確かにシトロネルムの細い根が縦に伸びているのが見えます。

シトロネルムの挿し木、無事成功です!

2019年4月29日に挿し木して発根まで10日でした。

難しいと聞いていたのでダメもとで挿し木してみたのですが、意外にあっさり発根してくれて嬉しい誤算でした。

株分けで根をつけられなかった株元の挿し穂だったからたまたま成功したのかもしれませんが、これから挿し木を試してみる方の参考になるかもしれませんので、気をつけていたポイントについて書いておきますね。

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ゼラニウム・シトロネルムの育て方⑥挿し木のポイント

1.挿し木用の用土

植え替えの時に見たゼラニウム・シウトロネルムの根はとても細かったです。

そのため普段ほかの植物を挿し木する時は赤玉土の小粒を使ったりするのですが、今回はより目の細かい用土に挿しました。

 

2.発根促進剤メネデールを利用

少しでも発根率を高めようと思い、メネデールという発根促進剤の溶液入りのコップに挿し穂を挿して1時間以上置いてから挿し木しました。

メネデールは透明でサラサラの液体で匂いなどもないので使いやすいです。

100倍に薄めて使うので小さなボトルが1本あればかなり長持ちします。

価格もそんなに高いものではありませんjから1本手元に持っていると重宝するおすすめアイテムです。

 

3.挿し木後の置き場所

シトロネルムの挿し木後は2〜3日に1回霧吹きをして水を切らさないようにしながら直射の当たらない明るい窓辺で水を切らさないように管理しました。

約1週間ほど様子を見て挿し穂が萎れたり枯れたりしないことを確認してから今度は窓越しに午前中2〜3時間だけ日の当たる窓辺に移動して置いておきました。

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4.ゼラニウム・シトロネルムの発根後

シトロネルムが発根して、根が容器の表面にも見えてきたので、根に光が当たらないように容器をアルミホイルで覆いました。

もう少し根が回って小さな根鉢ができたら小さな鉢に植え付けます。

根が出てしまえばゼラニウムは丈夫な植物なのであとは問題ありません。

根付きで株分けしたゼラニウム・シトロネルムも親株含め、皆元気に育っています。

次に楽しみなのは花です。

センテッドゼラニウムとしては割と大きめの花が咲くようなので今から楽しみです。

 

ゼラニウム・シトロネルムの育て方⑦挿し木についてのまとめ

上記の実験をした時はまだゼラニウム・シトロネルムの挿し木は難しい、という情報しかなかったのですが、実際にこの後、挿し木を何本もやってみたところ、シトロネルムを発根させること自体はさほど難しくないことがわかりました。

今のところ挿したものは失敗なく発根して成長しています。

ただしシトロネルムはその後の成長がゆっくりなこと、それから葉が痛みやすく、すぐに茶色くなりやすいところがあり、そういう部分は園芸品種というよりやはり原種であるところから来る部分なのかな、と個人的には思っています。

いずれにせよ、軽く葉に触れたり、風で葉が揺れるだけでも、あたりにレモンの香りが強烈に漂います。

シトロネルムのこの香りの強さは他に類をみないほどで、ガーデニングの作業をしていても、フワッとレモンの香りがあたり一面に漂うことがあり、ベランダガーデニングの楽しみが増えました。

シトロネルムは少し繊細で育てるのが難しい面もありますが、とてもおすすめのセンテッドゼラニウムです。

 

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