にんにく栽培、プランターでの育て方、にんにくが大きくならない原因と対策、栽培時期と肥料について

 

にんにくの栽培はプランターでも簡単にできます。

ご自分で育てるとにんにくの芽や葉も食べられるので家庭菜園におすすめの香味野菜です。

ただしいくつかのポイントを押さえないとにんにくが大きくならないことがありますので、にんにくの育て方と合わせてその原因と対策について紹介します。

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目次

にんにくについて

にんにくは連作障害もあまり気にしなくてよいのでプランターで栽培しやすく、葉も食べられるので、ベランダガーデニングに向いている香味野菜です。

もともと冷涼な気候を好むので青森で盛んに栽培されているホワイト六片などがよく知られています。

暖かい地域での栽培には暖地系の品種の赤にんにくや紫にんにくがあります。

にんにくを栽培すると他の作物とのプランターのローテーションも効率よく組み合わせられます。

1かけのにんにくから1株のにんにくが育ちます。

とれたての新にんにくは初夏が旬でみずみずしくシャキシャキ感があり、保存のために干した後のにんにくとは一味違う季節の味です。

スペインではこの新にんにくの風味を生かしてトマトの冷たいスープ、ガスパチョを作ります。

干して乾燥させたにんにくは収穫したての水分が抜けているので、ホイル焼きにするとほくほくして甘みがあり、これもまた美味しいですね。

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にんにくのプランター栽培①連作障害について

にんにくの栽培は連作障害の心配があまりないため、プランターでも土を再利用しやすく翌年も同じ土で栽培することが可能です。

にんにくは多年生の作物であり、根の張り方やニンニクの持つ特性により、他の一部の作物よりも連作障害に対する抵抗力が高いとされています。

にんにくが連作障害に強い理由:

1.抗菌作用:にんにくには抗菌作用があるため、土壌中の病原菌の発生や増殖を抑制する効果があります。

2.根の張り方:にんにくは根を地中に深く伸ばし、土壌中の栄養分を効果的に吸収します。このため、連作しても土の栄養分の枯渇を相対的に緩和します。

3.成長の速度:にんにくの栽培期間は比較的長くゆっくり成長します。そのため、土壌中の栄養分の枯渇が起きにくく、連作障害が出にくいです。

ただし、同じ作物を何年も同じ場所で栽培するとどうしても土壌の成分は偏ってきますので、堆肥や土壌改良材を土に混ぜるなど、土の手入れはしっかり行いましょう。

また、できれば連作障害が出にくいにんにくであっても、連作は2年までにして、3年目は別の野菜を育て、にんにくはまた別のスペースで栽培することで土の負担を減らすようにします。

にんにくのプランター栽培で土を替える時は、プランターの土を1/3以上、新しい土や堆肥と入れ替えて次のにんにくを植えるか、にんにくを栽培するプランターを別のプランターにするのがおすすめです。

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にんにくのプランター栽培②時期と栽培のメリット

 

にんにくの種球の植え付けは9月〜10月に行います。

発芽して葉が2〜3枚出ているポット苗なら11月中旬までの植え付けでも間に合います。

その後冬越しして春を迎えると成長が旺盛になり、花芽が出たのち、5月6月に収穫を迎えます。

にんにくの栽培は約8ヶ月、と栽培期間が長いですが、あまり世話がいらず手がかからない上に、花芽は摘み取ってにんにくの芽として楽しむこともできます。

春先にポットでトマトやなす、ピーマンなどナス科の果菜か、エンツァイやモロヘイヤなどの葉野菜、枝豆を育苗しておいて、にんにくの収穫後、プランターに石灰をまき、堆肥を追加して1〜2週間おいてから植えつければ効率よく一つのプランターを連作障害なく繰り返し利用することができます。

にんにくの栽培は連作障害の心配をしなくてもいい野菜なのでまた秋に土の手入れをしてにんにくを栽培しもいいですし、他の秋冬の葉野菜を育ててもいいでしょう。

にんにくはもちろんのこと、ネギ類はコンパニオンプランツとして他の植物の病害虫を抑える働きもありますので、ぜひプランター栽培のローテーションに加えておきたい野菜です。

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にんにくのプランター栽培③プランターの準備

にんにく栽培用のプランターは普通のサイズのにんにくなら65cm標準プランターがあればできます。

深さも20cm程度あれば大丈夫ですので、根茎を育てる野菜ですが思ったほど場所をとりません。

もし大玉にんにくを栽培して、しっかりにんにくを大きくしたい場合は深型プランターを用意しましょう。

にんにくは標準プランターでよく育ちますが、水はけが悪いと種球が腐ってしまうので、プランターの底には鉢底石を敷いたり、水はけのよいスリット入りのプランターがおすすめです。

スリット入りのプランターだと、鉢底石なしでも水はけがよいので、その分土をたくさん入れられ、にんにくを大きく育てやすいと思います。

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にんにくのプランター栽培④用土

にんにくは酸性土を好まないため、石灰でしっかり土壌の酸度を調整しておきます。

秋ににんにくの種球を植えて冬を越して翌年の5月か6月に収穫します。

にんにくは栽培期間が長いので土には堆肥と元肥としての肥料をしっかり混ぜ込んで土を用意します。

赤玉6、堆肥4の割合の用土に元肥を肥料の袋に書かれている規定量加え、さらに根や球根を太らせるリン酸やカリを補う肥料である骨粉や草木灰を少し加えます。

ネギ類は窒素肥料が多すぎると葉に病気が出るので量を増やさなくて大丈夫です。

肥料をよく混ぜた土をプランターに入れたらたっぷり水をやって土全体に水分が行き渡るようにしておきます。

堆肥や元肥を多めに入れるため、2週間前には土の準備を終えておきましょう。

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にんにくのプランター栽培⑤種球の植え付け

にんにくは種用の球根の鱗片を一個ずつにバラしたものを用土に植え付けます。

ひとつひとつの鱗片の薄皮はきれいに剥いて取り除きます。

薄皮を剥く時に鱗片を傷つけてしまうと鱗片が腐ったり病気になりやすくなるので、気をつけて丁寧に薄皮を取り除きます。

畑の場合は株間20cm、深さ10cm、標準プランターでの栽培の場合は株間最低10cmから、できれば15cmくらいにして、5cmの深さに植えます。

深さに関しては深型プランターで深さを取れる場合は畑と同様深さ10cmとります。

最初に必要な深さの穴を掘り、鱗片の芽が出る方を上にして土の中に置きます。

その上にふんわりと土を入れて穴を埋めます。

たっぷりと水をやって、以降は土の表面が乾いてきてから水をやります。

にんにくは過湿にすると鱗片が腐ってしまいますので水はけには注意しましょう。

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にんにくのプランター栽培⑥冬越し

にんにくの栽培では植え付けからだいたい1ヶ月後に芽が出てきます。

冬になると地上部の生育がほぼストップして変化が見られなくなりますが、それまでに葉が最低でも2〜3枚は育っている状態になるようにします。

成長が遅い場合は黒マルチを張って地温をあげるか、ビニール掛けして保温して成長を手助けしましょう。

 

にんにくのプランター栽培⑦追肥

にんにく栽培では、追肥を収穫までに3回行います。

1回目は植え付けから1ヶ月後、発芽した後に行います。

もし12月に入ってからの時期になる場合は冬に向けての寒肥になり、にんにくはほぼ成長が止まりますので少し控え目にやります。

2回目は冬越しした後、2月中旬ごろ、3回目は成長が旺盛になる3月下旬から4月にかけて、固形の肥料を追肥します。

窒素、リン、酸カリが同じ割合で配合されているものか、リン酸、カリが多くなっているものを施肥します。

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にんにくのプランター栽培⑧花芽つみ

 

春になるとにんにくがとう立ちして花芽が上がってきます。

この花を咲かせてしまうと栄養を花に取られて球根が肥大しなくなったり、にんにくが成長をやめて枯れてしまうこともあるので、花芽は早くに摘み取ります。

写真のように葉よりもかなり大きくなっている花芽は育ちすぎですので、もっと早い段階で摘み取ります。

花芽はにんにくの芽として食べられますので、春の楽しみの一つになります。

早いうちに摘み取った花芽は柔らかく甘く、油炒めにすると美味しいです。

手入れというより収穫、と思うとにんにくの花芽を摘み取るのは楽しい作業です。

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にんにくのプランター栽培⑨収穫

 

にんにくは5月ごろから徐々に下葉が黄色くなってきます。

これはにんにくが球根の肥大を終えて休眠期に入ったことを意味します。

地上部が8割がた枯れこんできてから収穫します。

にんにくの収穫はまっすぐに抜き取ればOKです。

にんにくの収穫は水やりをやめて2〜3日たって土が乾いた状態の時に行います。

土が湿っているとその後の保存状態に影響します。

収穫したにんにくは風通しのよい場所で2〜3日干して茎が乾燥してから根と茎を切って、軒下など直射日光の当たらない風通しのいい場所で、ネットに入れるか紐で縛って吊るして保存して、必要な分だけ使います。

とれたての新にんにくはとても美味しいので、乾燥して水分が抜ける前にホイル焼きにしたり、油で素揚げにして丸ごとホクホクのところを食べたり、スペイン料理で有名な冷たいスープ、ガスパチョを作ります。

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にんにくのプランター栽培⑩収穫した球根についている木子について

上の写真、中央あたりのにんにくの球根と根のところにそれぞれ小さな球がついているのが見えるでしょうか。

これはにんにくの球根の子供で、木子といいます。

球根の薄皮の内側にあってぴったり張り付くようにくっついている場合もあります。

ジャンボにんにくなどによく見られるのですが、この小さな球も、収穫後、次の秋に植えて育てると2年以上かかりますが、再び大きなにんにくに成長します。

 

小さな球の外側を覆っている皮がとても硬いので、植える時は外皮を剥がしてから植えるようにします。

初めてみると小さな球で、一瞬病気か虫でもついてしまったのかと思うような見た目です。

これは立派なにんにくの子球ですので、捨てずに取っておいて秋からまたじっくり育てて見てはいかがでしょうか。

ちなみに上の写真、にんにくが分けつしていません。

前年秋の植え付けが遅く11月中旬か下旬ごろだったので、にんにくが十分に大きくなりませんでした。

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にんにくのプランター栽培⑪にんにくが大きくならない、分けつしない時の対処法

にんにくはプランター栽培だと十分に大きくならないことがあります。

にんにくが大きくならない原因は植え付け時期が遅かったか、日照が足りないことなどが考えられます。

また、もともとプランターは土の量が限られますので栽培期間が長いニンニクはこまめに様子を見て適切な時期に追肥をやることも対策になるでしょう。

時期が来て収穫してみたけれど、にんにくが大きくならない、球が小さくてにんにくが分けつしなかった場合は、掘り上げたニンニクを冷暗所で保存して、秋にそのままもう一度植え直し、もう1年育てると大きなにんにくになります。

特にジャンボンにんにくはそういうことがあるようですので、栽培1年で収穫した時に、にんにくが大きくならかった場合でも、諦めずにもう1年育てればOKです。

もちろんにんにくの球が小さくても食べられますので、我慢できない!という方はキッチンへGo!です。

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にんにくのプランター栽培⑫にんにくの種球の種類について

 

にんにく栽培用の種球はホームセンターなどで販売されています。

種用ですので食用としては利用しません。

逆にスーパーなどで売っている食用のにんにくは、芽が出ないように発芽抑制処理が施されていて、芽が出にくくなっています。

それでも冷蔵庫の中やキッチンで長く置いておくといつの間にか芽が出てきたりします。

こういった芽が出てきたにんにくは植えれば育てることができます。

ただ種用に作られたものではありませんので、立派な球根にまで育つ保証がありません。

芽が出てしまったキッチンのにんにくはプランターに植えて葉にんにくの利用を楽しむよといでしょう。

種用のにんにくでも食用のにんにくでも鱗片が大きければ大きいほど、大きく育ちます。

球根を収穫したい場合は特に、大きな鱗片の種球を使うことをお勧めします。

またにんにく栽培は寒冷地向けの品種と、暖地向けの品種があります。

販売店などの場合はその土地で育ちやすいものを店頭に並べていると思いますが、ネットショップなどで入手する場合は、逆にいろんな選択肢の中から選ぶことができるので、自分の住んでいる地域に応じた品種を選んでください。

にんにくはあまり手間をかけずに栽培できますし、新にんにくは採れたての時期ならではの味です。

コンパニオンプランツとして他の植物にもよい影響がありますので、気軽に数株でも育ててみてはいかがでしょうか。

 

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