アスパラガス、アスパラのプランター栽培、アスパラの株分けや植え替えの方法と適した時期を紹介します。
アスパラはユリ科の植物で、一度植えて上手に栽培できたら10年くらい収穫し続けられる珍しい野菜です。
アスパラの種をまいて苗を育て、定植するか、ある程度大きくなった苗を入手して栽培する方法があります。
営利ではなく個人で少しの量を育てるのであればアスパラは苗を買って栽培するのがおすすめで、プランターでもすぐにアスパラ栽培を楽しむことができます。
子供の頃、祖母が庭の片隅の家庭菜園でアスパラガスを数株栽培していました。
夏休みに遊びに行くと、時々土の中から伸びてくるアスパラガスを茹でて食べさせてくれた思い出があります。
細めのアスパラガスでしたがとれたてのアスパラはとても甘くて美味しかったので、次にいつアスパラの芽が出てくるか、毎日楽しみでした。
目次
- アスパラガスはちょっと不思議な植物
- アスパラガスのプランター栽培①プランターの置き場所
- アスパラガスのプランター栽培②プランターのサイズ
- アスパラガスのプランター栽培③土の準備
- アスパラガスのプランター栽培④苗の植え付け
- アスパラガスのプランター栽培⑤アスパラガスの苗は1年目は株を充実させる
- アスパラガスのプランター栽培⑥秋以降のアスパラの手入れの仕方
- アスパラガスのプランター栽培⑦2年目以降のアスパラの手入れと収穫
- アスパラガスのプランター栽培⑧水やり
- アスパラガスのプランター栽培⑨アスパラの株分けと植え替えの時期
- アスパラガスのプランター栽培⑩アスパラは上手に栽培すれば10年収穫できる
- アスパラガスのプランター栽培⑪ホワイトアスパラガス栽培の方法
アスパラガスはちょっと不思議な植物
アスパラガスは古くは針のように細かい葉が観葉植物として栽培されていました。
今でも花屋さんで花と合わせるグリーンとして観賞用のアスパラガスの葉は流通しています。
針のように細かい葉は実は葉ではなく一つ一つがごく小さな茎で、擬葉です。
アスパラガスの袴の部分が退化した葉の部分になります。
小さな赤い実がなり、その種をまいて小さな芽を3年くらいかけて育てるとアスパラガスを収穫することが出来るようになります。
アスパラガスは太根が地中に広がる植物で、大きくなったアスパラは株分けで増やすこともできます。
ホームセンターなどでは、大きくなったアスパラガスの株の根が、地上部が枯れる休眠期に苗として売られています。
アスパラガスをプランターで栽培するのなら、この苗をいくつか購入すれば、植えた年から収穫できます。
最近は最初から太いアスパラガスを収穫できるかなり大きな苗も家庭菜園用に売っています。
アスパラ栽培を種まきから始めようとすると育苗に最低でもまる2年かかりますし、苗は糸のように細く扱いにも気を使います。
アスパラガス栽培を家庭で楽しみたい人にとって、アスパラガスの大苗はとても魅力的なおすすめ品だと思います。
アスパラガスのプランター栽培①プランターの置き場所
アスパラガス栽培は一度苗を植えたら10年収穫を続けられる野菜です。
何年もその場所を占有しても大丈夫なように、プランターの置き場所をよく考えて準備をしましょう。
もしアスパラの苗を地植えにできる場合でも、長く1つの場所に植えることを考慮して植え場所を決めましょう。
アスパラ栽培には日当たりがよく、風通しよい場所がむいています。
アスパラガスのプランター栽培②プランターのサイズ
アスパラガス栽培はよく肥えた土とたくさんの肥料を必要としますので、なるべく大きく深さのあるプランターを用意します。
60cm×40cmの野菜用深型プランターで2株のアスパラガスが目安です。
直径30cm、深さ30cmの丸鉢ならアスパラガスは1株。
アスパラガス栽培をする場合は最低でもこのくらいたっぷりした大きさのプランターを用意しましょう。
アスパラガスのプランター栽培③土の準備
アスパラガスはほうれん草と同じくらい酸性の土をはっきりと嫌います。
水はけの良い有機質の多い土を作り、石灰でしっかり酸度調整します。
じっくりきく有機石灰の蠣殻や卵の殻を土に混ぜ込んでおくのもよいでしょう。
用土は赤玉土1と腐葉土もしくは堆肥2の割合で混ぜたものをベースにします。
60cm×40cmの深型プランターだと用土の目安が80リットル。
蠣殻石灰200g、根を育てるためのリン酸肥料を40g、土全体に混ぜ込みます。
アスパラガスは根が大事な野菜ですので、植え付けの時にアスパラの根を傷めないよう土の準備は1ヶ月前には済ませておいて、元肥や堆肥がしっかり土と馴染んでから苗を植え付けるようにします。
腐葉土や堆肥はしっかり完熟したものを使いましょう。
発酵や石灰による酸度の中和が未熟な土は根を痛めてしまいます。
アスパラガスのプランター栽培④苗の植え付け
アスパラガスの苗は地上部はなく、太い根が束のようになっている状態で売られています。
11月〜3月までの間に準備してあった土に買ってきたアスパラガスの苗の根をそっと放射状に広げるようにして浅植えします。
水をたっぷりやったあと、肥料を15g程度を目安に土全体にパラパラとまき軽く混ぜ合わせておきます。
アスパラガスのプランター栽培⑤アスパラガスの苗は1年目は株を充実させる
春になってアスパラガスの芽が出ても苗が小さい場合は最初は収穫せず、5本くらい葉を展開させて株を充実させます。
アスパラガスの茎は背が高くなり風で倒れますので、支柱を立ててアスパラガスの茎を誘引して、風通しがよくなるようにアスパラガスの葉をバランスよく広げてやります。
アスパラガスの苗をプランターに植えるとすぐに美味しそうなアスパラガスがにょきっと芽を出してきますが、5本の茎葉が展開するまではまだアスパラガスを収穫してはいけません。
そのあとに伸びてくるアスパラガスの芽を待って初めて収穫します。
11月ごろアスパラガスの葉茎が黄色く枯れてきますが、8割くらい黄色くなった頃から、葉が光合成をして蓄えた栄養を来年のためにアスパラガスの根に送りこむようになります。
それまでの間、アスパラガスの葉茎が病気にならないようしっかり管理しましょう。
アスパラガスのプランター栽培⑥秋以降のアスパラの手入れの仕方
11月を過ぎてアスパラの葉が完全に黄色くなって枯れたら、枯葉が土になるべく落ちないようにそっと茎を地際から切り取ります。
アスパラガスの葉茎は病気になりやすく、菌がついている可能性があるので切り取った枝葉はアスパラガスのそばに置かずにすぐにビニール袋に入れて廃棄処分します。
冬の間は土が乾かない程度に水やりをします。
休眠期間中なので必要以上に水をやるとアスパラの根が腐りますので気をつけてください。
アスパラガスのプランター栽培⑦2年目以降のアスパラの手入れと収穫
アスパラガスの栽培を始めて2年目からは4月はじめに土の表面に腐葉土か堆肥を敷き詰め、追肥をパラパラとまきます。
アスパラの芽が出始めたら最初の3週間くらい収穫を楽しみ、そのあとはまた1年目と同じように茎を5本くらい立てて育て、アスパラの株を充実させます。
出てきたアスパラの茎が葉を展開するまでの間は収穫を休んで、その後また収穫を再開します。
間には2〜3週間に一度の追肥を忘れずにしてください。
アスパラガスのプランター栽培⑧水やり
アスパラガスは水が好きです。
特に収穫期の芽だしの時期には水を好みます。
ただしやりすぎるとアスパラの根が腐りますので、水はけのいい状態を維持しながら、土の表面が乾き始めたらたっぷりと水をやるようにします。
アスパラの茎葉は病気になりやすいので、水はねしないようにそっと株元に水を注ぐようにしましょう。
夏場は朝夕2回の水やりが必要です。
アスパラガスのプランター栽培⑨アスパラの株分けと植え替えの時期
アスパラガスの根が鉢の中に回っていっぱいになってしまっている元気な株は、11月ごろに茎を刈り取って、アスパラの株が完全に休眠したあとの12月〜1月ごろ、根をそっと掘り起こして一回り大きなプランターや鉢に植え替えます。
プランターサイズを大きくしたくない時はアスパラを株分けします。
アスパラガスの傷んだ根を取り除き、最初の植え付けと同様に土を準備したところに植え付けます。
アスパラを株分けするときは、そっと分割するか、根がぎっしり詰まっているときは鋭利な刃物でアスパラの株を半分に切り分けます。
手で無理に引き剥がすと根を痛めてしまうので、思い切って刃物でカットした方がダメージが少なく株分けができます。
アスパラガスの植え替えや株分けをする場合には、それまで使っていた同じ土に植え込むことはしないでください。
必ず新しい土を準備して植え付けるようにします。
同じ土に植えるとアスパラガスは弱ってしまいます。
アスパラの根には来年のための養分が蓄えられているので、根の量が収穫に直結します。
アスパラの植え替え時は極力根を丁寧に扱いましょう。
アスパラガスのプランター栽培⑩アスパラは上手に栽培すれば10年収穫できる
以降毎年同じようなサイクルでアスパラガス栽培をします。
上手に栽培することができれば10年は新鮮なアスパラガスの収穫を続けられます。
直植えの場合は土の入れ替えなど必要ありませんが、プランター栽培の場合は毎年ではなくても、ある程度根が回ってきたら、アスパラの株分けや根の更新を兼ねて、土も新しいものに植え替えしてやるとよいでしょう。
花が咲いた後に小さな赤い丸い実がなるのですが、その姿もアスパラガスの葉茎のグリーンとの色合いがとても美しいです。
観葉植物としても利用されるアスパラガスならではですね。
アスパラの株を充実させるために茎を大きく育てた時、ベランダだと特に茎が風で倒れやすいので、支柱で誘引するのはアスパラガス栽培の大切なポイントです。
折れたり傷がつくとそこから病気になってしまうこともあります。
アスパラガスのプランター栽培⑪ホワイトアスパラガス栽培の方法
ホワイトアスパラガスを栽培してみたい場合、2年目以降、春一番に芽が出始めたら、アスパラガスのプランターを完全遮光するようにビニールで覆って、光を当てずにアスパラガスを育てます。
出てきた芽は白いまま伸びますので、それを収穫します。
最初の3週間くらい、そうやって遮光してホワイトアスパラガスを収穫した後、また通常通り日光を当てて葉茎を育てて、以降はグリーンアスパラガスを収穫するようにします。
プランター全体をおおうのが大変だったら、出てきた芽一本一本に袋をかぶせて遮光してみましょう。
ただし少しでも光が漏れるとほんのり紫色に着色します。
この紫色はアントシアニンの色素ですから問題はありませんが、しっかりとしたホワイトアスパラガスにしたければ完全に光を遮断しましょう。
グリーンアスパラガスもホワイトアスパラガスもどちらもとても美味しい春の味覚です。
アスパラガスの美味しい茹で方を、こちらの記事で紹介していますので、よかったらご覧下さいね。
