ハオルチアを育てていると根が痛みやすく、気がついたら根がない状態になっていた、ということがあります。
そんなハオルチアの株分け、根がないハオルチアの親株、子株の植え替え時の対策を紹介します。
ハオルチアに根がない原因の1つは根腐れです。
ハオルチアの株分け、植え替えは根が腐って傷んでいたりする以外にも、新しい子株を親株から外した時にうまく根を分割できず、子株のハオルチアに根がない状態になることがあります。
根がないハオルチアでもうまく育てられるよう、参考になればと思います。
目次
ハオルチアの根の状態
記事冒頭の写真は、ハオルチア・オブツーサの鉢を一つ、手入れしている時にひっくり返してしまったので、この際子株も整理して綺麗に植え替えしようとしているところです。
ハオルチアの発根の様子がよくわかります。
ハオルチアは直根性で太い根がまっすぐに下に向かって伸びます。
冒頭のハオルチア・オブツーサはカイガラムシ退治後の状態で、なんとか元気を取り戻し、新しい土に植え替えをするために春が来るのを今から遅しと待っていた鉢でした。
小さな子株がいっぱいついていたので、根詰まりからの根腐れにならないよう、少し早いのですが植え替えを兼ねて株分けもしてしまうことにしました。
ハオルチアの植え替え|古土と根の整理
鉢から株をそっと抜いて、古い土を静かに落とします。
この時、根をよくみて、ふにゃふにゃになっているものは綺麗に取り除きます。
ハオルチアの根は写真のように太い根と、細い根があります。
太い根は栄養を蓄えていて、実際に土から栄養を吸収するのは細い根だと言われています。
このような太い根がまっすぐ下に伸びるような形、直根性の根は基本的に移植を嫌います。
ハオルチアの根は細心の注意を払って丁寧に扱って下さい。
ハオルチアの太い根は水分を多く含んでいて、ちょっと力が加わると簡単にポキッと折れてしまいます。
ホアルチアの植え替えや株分けでは、根の傷口が乾くまで少し置いてから植える、などという情報もあるのですが、実際にそれをやって見たところ、その後の成長があまり芳しくなかったことがあります。
乾燥させてはいけない、という情報も数は少ないけれど見かけたので、今回はハオルチアの根を乾かさずにすぐに植えることにしました。
ハオルチアは根がない子株も育てられます
ハオルチアの親株の土を落とし、腐ったりしぼんだ葉と根を整理したら、子株を親株から外していきます。
子株の外し方はそっと親株から手で割るようにして外します。
株の外側についた小さな子株は根がない状態でしか株分けすることができないことが多いです。
ハオルチアは根がない状態でも、ここから根出しして育てることができますので親株子株共になるべく傷つけないように丁寧に根元のところで親株から手でそっと子株を外します。
上の写真のようにハオルチアに根がない状態で土に挿しても、そこから動かさないように管理して根出しすれば、ちゃんと発根して再び成長を始めます。
ハオルチアの根の扱いに注意!子株に根をつけて株分けする子株の外し方とは?
上の写真のように親株の中心に近いところについている、ある程度大きく育ったハオルチアの子株は根をつけて株分けできます。
簡単に外れそうなら手で割ってもいいのですが、ハオルチアの根はポキポキと簡単に折れてしまいます。
根が意図したのとは別のところでポッキリ折れてしまったりしては元も子もありません。
確実にハオルチアの子株に根がついて来るようにカッターナイフできれいに切り分けるようにして子株を親株から外しましょう。
株分けが終わったハオルチアの親株
小さな子株に囲まれていた親株もスッキリしました。
変色した葉や腐っている葉を取り除きながら、形も綺麗な円になるように必要なら外葉を何枚か外して整えます。
あまり子株がたくさんついて成長して来ると親株の成長するスペースがなくなり風通しが悪くなります。
植え替えの時に子株は株分けするようにします。
根をつけて株分けしたハオルチアの子株
今回は細根がついた形での株分けになりましたが、子株の位置によっては親株についている太い根をつけて株分けをすることもあります。
いずれにせよ根は丁寧に傷つけないように扱います。
この子株はいい感じに根をつけることができました。
ハオルチアの株分けは子株に根を付けられればそれが一番良いのですが、根をつけられなかった子株も育てることができます。
ハオルチアの株分け後の発根促進処理
植物にはもともと自分で生きていく力が備わっていますので、発根促進剤を使うのはできたらで構いません。
植物の挿し木や植え替えをする時にさし穂の切り口や根を液体や粉末の発根促進剤で処理して、植え替え後の成長を促します。
今回は乾燥させずにすぐに植え付けるので、ハオルチアの子株をメネデールという液体の発根促進剤に浸水して植え付けることにしました。
親株の根っこはもちろん、根がない子株もメネデール液に浸してから土に挿します。
浸水の時間は最低30分以上取るようにします。
ハオルチアの親株と根がついた子株の植え付け
鉢底石を敷いてから用土を1/3くらい入れます。
ハオルチアの株を鉢の中に入れて位置を決めて回りから用土を入れていきます。
鉢の縁の少し下まで土をいっぱいにしたら、割り箸などで周辺の土をつついて、用土がハオルチアの根にしっかり密着するように土を締めます。
土が締まってハオルチアの株がグラグラしないようにしっかり固定されたら水をたっぷりやります。
ハオルチアの根がない子株の根出しと葉挿し
ハオルチアの葉挿しは株分けのタイミングで親株の形を調整するために外した外葉を使います。
葉挿しを株分けのタイミング以外でしたいときは、ハオルチアの外葉を根元からそっと横にスライドさせるように折り取って葉挿しすることができます。
なるべくきっちりハオルチアの葉の根元を綺麗にはがして下さい。
葉挿し用の葉の準備ができたら、用土にハオルチアの葉の1/3から半分くらいを埋めて、新芽が出るまで置いておきます。
ハオルチアの根がない子株も葉挿しと同じ方法で根出しすると発根するので、そのまま育てることができます。
その場合はハオルチアの子株の株の下1/3から半分くらいを用土に埋めます。
葉挿しでも根がない子株でも、用土に挿す時に、挿し穂の切り口を傷つけないように先に少し溝を作ってからそこにそっと挿し穂を置いて、周りの土を寄せるようにします。
ハオルチアの挿し穂や子株を用土に挿し終わったら水をやり、その後は表面の土が乾いて1〜2日してから水をやるようにします。
根出しでしっかり発根させるコツは、挿したハオルチアにはっきりとした成長が見られるまでは、ハオルチアの株が土の中で決して動かないようにすることです。
鉢を触るときは細心の注意を払いましょう。
ハオルチアを育てる土について
今回は鉢底石にゼオライトを使っています。
ゼオライトには根腐れ防止効果があります。
前回の植え替えのやり方があまりよくなかったので、今回はハオルチアの根にとってできるだけよい環境を手厚く作りました。
用土は多肉植物用の培養土を使います。
メーカーによって配合されている内容が全然違いますので、こだわりたい方は自分で用土を混ぜて作ると良いでしょう。
今回2種類の多肉植物用の培養土を買ってみたのですが、中身が全く違っていて驚きました。
これは十二の巻の株分けの時に使ってみた1種類目の多肉植物用培養土。
赤玉や鹿沼土、腐葉土、パーライト、ゼオライトあたりが入っているようです。
手で触った感じ、鹿沼土と腐葉土の軽くてふっかりした感じがあり柔らかい印象でした。
今回ハオルチア・オブツーサの株分けに使ったのはこの二つ目の土。
パーライトの割合が多く他には木質堆肥、小粒の鹿沼土、ゼオライトが入っているようです。
最初の土よりもだいぶ目が細かくシャリシャリした感触です。
ハオルチアの根が太いのであまり土の目が荒いと隙間だらけになってしまので、二つ目の土の方がいいのではないかという予想を立てて、二つ目の土をオブツーサの株分けに使うことにしました。
結果は今回の株分け後の成長具合を見て判断したいと思います。
ハオルチアの株分け・植え替え後の成長について
植え替え後、しっかり根がついているハオルチアは通常の株と同じようなスピードで成長します。
根が少なめの株はややゆっくりの成長になります。
葉挿しや根がない子株は発根して活着するまでは見た目の成長が止まりますが、根が出るとどんどん成長を始めます。
植え替えの状態がよければ3ヶ月、ハオルチアの株にダメージを与えてしまった場合は半年後ぐらいには、はっきりと成長が見て取れるくらいだと思います。
根がないハオルチアは、少し時間が必要になります。
ただ発根してからはまたしっかり成長スピードも上がってきますので、のんびり気長に半日陰に置いて、成長を始めるのを待ちましょう。
葉挿しについては芽が出ないからといって挿した葉芽を動かしてはいけません。
じっと我慢で土が乾いたら水をやる。
あとはハオルチアに任せて大きくなるのを待つだけです。
ハオルチアの株分け、植え替え適期
子株を整理したのでまたすっきりと綺麗な形になった親株のオブツーサです。
パーライトの割合が多くて通気性がよさそうに見えるので、この後の成長を期待しつつ見守りたいと思います。
今回は鉢を思いっきりひっくり返してしまったので、この時期に植え替えをしましたが植え替えの適期は春です。
室内の暖かい場所に置いているなら冬でも植え替えをすることはできなくはありません。
実は昨年もこの時期、冬にハオルチアの植え替えをして、その後もちゃんと育っていますので、実証済みです。
ただしこれから成長していく春の時期であれば、多少根がダメージを受けたとしても回復力が違います。
ハオルチアの株分けや植え替えをしたい方はぜひ3月にすることをお勧めします。