月桂樹(ローリエ)の育て方|月桂樹の高さをおさえる剪定方法

月桂樹の鉢植えの剪定の仕方を紹介します。

月桂樹はくすのきの仲間で、大きくなると10mを超えるほどに成長します。

成長のスピードも速いため、月桂樹をコンパクトに育てるためには剪定が欠かせません。

混み合ったところや徒長枝の枝抜き、横幅をおさえるための切り戻し、それから不要な芽を積むことで剪定の手間を減らすことで、月桂樹をコンパクトに、小さく育てます。

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目次

月桂樹の高さをおさえる剪定①上に強く伸びる枝を切る

月桂樹の剪定の一番の適期は春の3月から4月にかけてです。

真冬でなければそのほかの季節でも剪定できます。

春先にしっかり樹形を整えて、以降冬までの間は軽く調整するようなつもりで2回くらいを目安に冬までの間に必要があれば剪定して樹形を維持します。

記事冒頭の写真はある年の3月の状態。

特に上に強く伸びる枝があります。(緑の矢印)

こういう強い枝は放っておくとどんどん勢いよく上に伸びるので、枝の付け根で全部切ります。

切り戻し剪定で節を残すとそこから脇目が出ますが、このような強い枝から出る脇目も勢いのよい徒長枝になる場合が多いので、思い切って付け根から切ったほうがよいでしょう。

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月桂樹の高さをおさえる剪定②重なり枝を切る

一番強い徒長枝を枝抜き剪定した状態です。

最初の枝ほどではありませんが、まだ3本、やや強い枝があります。

高さが揃っているので、枝先を1/3程度切ってわき芽を出させ、この高さでまとめるのもよいです。

その場合は鉢とのバランスが悪くなるので、鉢を一回り大きく鉢増しします。

また右側の青い矢印のところに2本の枝が並行に生えている重なり枝があります。

これは下の枝に日が当たらないのでどちらか1本を切ります。

今回は高さをできるだけ低く抑えたいので、緑の矢印をつけた3本の枝も全部付け根から枝抜き剪定してしまいます。

青矢印の枝は横幅を抑えるために枝先を切り戻し剪定します。

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月桂樹の高さをおさえる剪定③横幅のバランスを整える

だいぶ低い位置で枝が混み合うことなくまとまっています。

まだ少し緑色の矢印の部分がバランス悪いので、ここを切り戻し剪定するとさらに整います。

このくらいで十分いい感じに剪定ができたかと思います。

 

月桂樹の高さをおさえる剪定④月桂樹を小さく育てるためにさらに剪定

月桂樹は成長が早いので、すぐに伸びて大きくなってしまいます。

③の写真の状態もしっかり葉がついている感じがよいのですが、ここでは特にコンパクトに育てたいので、もう一歩踏み込んで残った枝を切り戻し剪定します。

もう少しだけ月桂樹の残った細枝を切り詰め、全体の幅をさらに小さくまとめました。

ちょっとやりすぎかな〜?と思うくらいなのですが、とにかく5〜7月の月桂樹の成長はものすごく旺盛なので、あっという間に元の姿かあるいはそれ以上になりますので、大丈夫です。

ただし、月桂樹の挿し木苗などで、まだ小さい、若い苗は成長がゆっくりなので、ある程度の樹勢がつくまであまり強い剪定はしないほうがよいでしょう。

今回お見せしている月桂樹の苗は挿し木5〜6年生になるもので、幹もだいぶ太くなり、前年くらいからビュンビュン強い枝が出るようになったので、今回これだけの強剪定をしています。

庭木の月桂樹の剪定の様子を見ていても、こんなに切ってしまうんだ!とびっくりするくらい枝抜きして、切り戻して、すかすかになっているのを見かけることがあります。

それでもあっという間に元通りにわさわさと葉が茂っていくのを見ると月桂樹の生命力がいかに強いかを実感させられます。

この鉢植え月桂樹も木の力も十分に育っているので、5月6月にみずみずしい新しい枝葉が出るのが楽しみです。

もう1鉢、また少し違う樹形の月桂樹の剪定もしましたので、以下で紹介します。

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月桂樹の高さをおさえる剪定⑤月桂樹、強剪定の2ヶ月後

非常に強い剪定から約2ヶ月後の月桂樹の状態。

青々として、再び強い枝が伸びています。

再度2本の強い枝を間引き剪定で抜いて軽く整えました。

この後はもし強い枝が出てもそのまま伸ばして、秋になってから収穫を兼ねてしっかり成熟した硬い葉を収穫する予定です。

月桂樹は、春は葉が柔らかく水分が多いので乾燥保存するスパイスとしての利用には向きません。

 

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月桂樹の高さをおさえる剪定⑥もう1つのパターンを紹介します

もう1鉢、こちらは前年に強い徒長枝を切り戻した月桂樹の鉢植えです。

緑の印の部分と青色の印の部分で2段になっている感じです。

緑色の部分は強い徒長枝を2節くらい残して切り戻し剪定をした後に伸びてきたわき芽の枝です。

いい感じにこんもり茂ってきているので、このまま緑色で印をつけた部分は枝先だけ長さを揃えて刈り込むと、トピアリー仕立てにできる感じになってきています。

青色で印をつけた下の段だけ残してもトピアリー仕立てにできそうです。

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月桂樹の高さをおさえる剪定⑦月桂樹の枝が混み合っている

真上から見たところです。

横から見た時はいい感じにトピアリー仕立てっぽくなっているのですが、上から見てみるとだいぶ樹幹の部分の枝が混み合っていて日当たりも風通しも悪くなっています。

これから新芽が出てさらに混みあってしまうと病害虫が出やすくなるので、細い枝であっても枝抜き(間引き)剪定が必要です。

またここではスペースの都合上、高さをうんと下げておきたいので、今回は上の段を思い切って切ってしまうことにしました。

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月桂樹の高さをおさえる剪定⑧思い切って高さを下げる剪定

かなり思い切って月桂樹の主幹を切り戻しました。

大丈夫かな、と心配になるくらいですが、樹勢は付いてきている苗なので枯れることはないでしょう。

ベランダ栽培なので月桂樹の鉢植えを大きく育てるつもりはなく、初夏から秋にかけて伸びた枝の剪定で、料理用に1年分のベイリーフの葉を収穫できるくらいあれば十分な大きさを見越して剪定しました。

もし切りすぎだったとしても、また勢いよく強い枝が伸びるようになるまでもう1年待てばよいだけです。

注意しなければいけないのは、まだ樹勢がつく前の小苗と、それからある程度育った鉢植えでも冬の時期にここまで強い剪定をすると、木が弱ってしまうのでその時期には強い剪定はしない方がよい、ということです。

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月桂樹の高さをおさえる剪定⑨樹幹の風通しを確保する

高さを抑えるとともに、少し枝抜き剪定をして、混み合っていたところにも日が当たるようになりました。

主幹の切り口は太いので、乾燥と病気を防ぐためにトップジンペーストなどの癒合剤を塗っておきましょう。

月桂樹の病害虫対策として、風通しと日当たりの確保は重要なポイントです。

風通しと日当たりが悪くなると、月桂樹はカイガラムシがつきやすくなります。

案の定、この木の枝が混み合ったところには1匹、白いカイガラムシが付いていました。

カイガラムシは増えてしまうと駆除が大変なので、早いうちに発見できてよかったです。

もしこのまま剪定せずに育てて、カイガラムシに気づかずにいたら、かなりの被害を受けていたことは間違いありません。

カイガラムシの出す汁のせいで月桂樹の葉はすす病になり、黒い斑点がベタベタと付いてしまいます。

そうなると料理の香りづけにも利用できなくなってしまうので、カイガラムシは大敵です。

1匹でもカイガラムシを発見した時はしばらくの間、2〜3日に1回、カイガラムシがいないか木全体をチェックします。

もしカイガラムシを見つけたときはすぐに物理的に駆除することを繰り返せば、やがてカイガラムシは完全にいなくなりますので被害を防ぐことができます。

増えてしまってからでは撲滅するまでに時間がかかりますので、早期発見が肝要です。

さて、思いっきり強く切り戻した月桂樹の鉢植えですが、剪定から1週間で早速新芽が伸び始めています。

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月桂樹の高さをおさえる剪定⑩月桂樹、強剪定の2ヶ月後 – その2

こちらの月桂樹も約2ヶ月後、新しい葉が育っています。

前年に一度強い剪定をしているせいか、今のところ強い枝が出ていません。

この月桂樹はそのまま秋に向けて育てます。

 

月桂樹の高さをおさえる剪定⑪月桂樹、さらに秋に強剪定

その後もさらにビュンビュン伸びてくる月桂樹の強い枝を、秋の終わりに枝抜き剪定しました。

秋の終わりの成熟してしっかり硬くなった月桂樹の葉は料理用として利用するのに適しています。

枝ごと部屋の中で陰干しして、カリカリに乾いたところで枝から葉を外して、空瓶などに入れて保存します。

月桂樹の乾燥した葉を枝から外しているだけで、とてもいい香りが漂います。

6号深型スリット鉢で2鉢育てているのですが栽培2年目で、Balcofarmで使う1年分のベイリーフをたっぷり収穫できるようになりました。

 

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