正真正銘のカシアシナモンの苗を入手しました。
熱帯植物であるカシアシナモンは、日本では薬用植物園などの温室で展示されていることが多く、一般的にはなかなか実物を見る機会がありません。
そのため、苗木の入手方法や植え付け、育て方・栽培方法についての情報も少なく、時間をかけてなんとか調べて苗を入手し、手元にやってきた植物の状態を観察しながら日々手探りで管理しています。
この記事では、海外から輸入した貴重なカシアシナモンの抜き苗の植え付けと、植え付け後の管理の様子を写真付きで詳しくご紹介します。
スポンサーリンク
目次
カシアシナモンについて
カシアシナモンは和名は支那肉桂(シナニッケイ)といい、セイロンシナモンや日本ニッケイなどの仲間の、楠科の常緑樹です。
漢方の桂皮や桂枝はこの清華桂シナモンの樹皮や枝のことで、香料のシナモンも、このカシアシナモンが商業的に多く使われています。
セイロンシナモンは上品な柔らかい甘い香りでお菓子によく用いられますが、カシアシナモンはそれよりも香りがスパイシーで強く、カレーなどのスパイスにも使われます。
熱帯植物なので栽培には温度が必要で、日本だと温室などがないとなかなか栽培が難しい植物です。
以前偶然手に入れたカシアシナモンの苗がとてもいい香りだったのですが、枯らしてしまい、どうしてももう一回手元に置きたくなり、探しに探してようやく入手できたカシアシナモンの苗木です。
カシアシナモンは小苗の時期は特に管理が難しいようなので、今回はもう少し大きな苗を入手しました。
日本国内では入手できず、海外からの輸入です。
検疫検査に合格して無事手元に届きました。
カシアシナモンの苗の植え付け|まずは根の状態を確認
スポンサーリンク
カシアシナモンの根が乾かないようにたっぷりの水苔に包まれています。
水苔をつけたまま土に植えると根腐れを起こしてしまうので、全部取り除く必要があります。
カシアシナモンの根を傷つけたり切ってしまわないように少しずつ丁寧に水苔を外していきます。
全部で8本あった苗のうち一番根が少なかったもの。
そしてこれは根が一番多くついていたものです。
水苔は十分に湿っていて絞るとジャバジャバ水が滴り落ちるほどでしたが、全て取り除いてから根を洗って、メネデールとHB-101を入れた水に1時間くらい浸しておきました。
取り除いた水苔が山積みになりました。
カシアシナモンの苗の植え付け|土の配合と鉢の準備
スポンサーリンク
カシアシナモンは日本のニッケイ類よりも根がずっと繊細です。
乾燥にも弱いけれど、加湿にも弱く根腐れに気を使うので、しっかり水はけできる土になるようにしました。
赤玉小粒をベースに、腐葉土も2割程度と、普段よりも控えめ、軽石やパーライト、籾殻くん炭などを混ぜ込んでいます。
あまり軽すぎる土はよくないそうです。
根が繊細なので植え付け時は肥料は一切入れずません。
水の管理がしやすいように最初は6号鉢でスタートします。
スリット鉢に鉢底石を入れて、水捌け対策を万全にしています。
苗は80〜100cmくらいある立派な苗なのですが、水が適度に乾いて抜けやすいように、小さめの鉢から始めます。
土の量が多くてなかなか乾かないとカシアシナモンの場合は特に根腐れのリスクがあります。
最初は水だけで根が活着するのを待ち、成長が始まり土が乾くペースがわかるようになってから、徐々に薄めの肥料から与え、しっかり根がまわってから鉢増しします。
カシアシナモンの苗の植え付け|植え付け後はひたすら保湿を
スポンサーリンク
植え付けを終えたカシアシナモンの苗。
発送前に蒸散を防ぐために大部分の葉を落として、残った葉も葉先をカットして送ってもらっています。
こうすることで苗が生き残る確率が高くなります。
活着するまでは挿し木と同じ感覚で、新芽が出るまでじっと我慢ですね。
植え付けを終えた苗は活着するまで湿度を保つよう、簡易ビニールハウスを作って管理します。
通気性を保つため下の方は完全には閉じていません。
毎日スプレーミストで地上部の水分補給をして根が活着するまで管理します。
根が繊細なカシアシナモンが輸送のストレスや環境の変化を乗り越えて元気に成長してくれることを願って手入れします。
👉 続編はこちら(準備中:発芽、新芽の展開が始まってます!)
※リンクは後日追加予定です。