2025年7月の終わり、いよいよ酷暑がキツくなってきました。
年々激しくなる酷暑で、Balcofamでは夏枯れする植物が増えてきました。
ちょうど1本、根腐れ寸前のブルーベリーの苗を発見したので、鉢植えブルーベリーの酷暑対策について、記録を兼ねていくつかポイントを紹介します。
目次
鉢植えブルーベリーの夏枯れの予兆
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これはラビットアイ系ブルーベリー、コロンバスの挿し木苗の葉です。
今年は気温があがりはじめてからずっとこんな感じの葉色で、最初はクロロシスかな、と思っていました。
しかしその後も元気は回復せずポロポロと落ちる葉もあり、いよいよ7月中旬から暑くなってきたところで、とうとう葉焼けして褐変、落葉する部分が出始めてしまいました。
このまま放っておくと夏の間に枯れてしまうパターンなので、鉢から抜いてみたところ、鉢の底1/3くらいの部分位は全く根が伸びておらず鉢の底に土が残ったまま、根の張っている部分だけがぼそっと抜けてしまい、鉢の底には土だけが残るという様子でした。
これでも味見のために一枝だけは実をつけさせて、その実はちゃんと完熟しておいしく食べられたのですが、なんともかわいそうな状態です。
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鉢植えブルーベリーの根腐れの原因
ブルーベリーは根がとても細かく鉢土の中にびっしり張り巡らせるので、水捌けが悪い用土だと根腐れしやすくなります。
今回紹介した苗もまだ根が十分に張っていないのに、夏になって暑いからと水をやりすぎていたようです。
そのため水分過多になり、鉢底の土が常に湿りっぱなしで、その部分、鉢底にはほとんど根がのびていかない状態でした。
ブルーベリーは水を好む植物なので、気温が涼しければそれでもわりと大丈夫なのですが、夏の高温期には温度が高いためにこの状態だと蒸れて根腐れしてしまいます。
ブルーベリーを高温期に根腐れさせないためには以下の対策がおすすめです。
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水捌けのよい土を使う
ブルーベリーには酸度未調整のピートモスを用土に使うのですが、ピートモスはとても細かく、水分保持量が多い有機物で、年月が経つと泥化して目詰まりし通気性がわるくなります。
そのため鹿沼土や軽石など、通気性、水捌けを確保するための用土をまぜて、バランスをとります。
それぞれどのくらいの割合を混ぜるかはその場所の温度や湿度、ブルーベリーの品種によっても多少変えたほうがよいので、環境にあった配合を見つけていただければと思います。
今回紹介しているコロンバスは有機物少なめの方がよいとされている品種なので、鉢植えの用土は、ピートモスが2割か、多くても3割程度になっています。
鉢底からしっかり排水しやすい構造の鉢を使うこと
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水やりした時に水分が鉢の中に行き渡った後、余分な水分がしっかり排水され、通気性がよくなるように作られた構造の鉢を使うと、ブルーベリーの根の育ち具合がとてもよくなります。
代表的なものはスリット鉢で、これは鉢の底や側面にスリットが入っているので排水性、通気性が抜群で、ブルーベリーだけではなく他の植物でも根がサークリングせず健康に育つので本当におすすめです。
その他の果樹鉢などでも底から水が抜けやすいように溝が切ってあったり、鉢底が直接地面に触れないように一段高くなっているような鉢もありますので、そういったものを利用するのがよいでしょう。
水をやりすぎない
水やりは鉢土の表面が乾いてからやる。
また、鉢皿などを使っている場合は水やりの後、鉢底に水がたまっていたら必ず捨てる。
こうすることで鉢土の水分が湿りすぎにならず、根が元気に育ちます。
暑いからと心配になって水をやりすぎると逆効果ですので、鉢土の表面の渇き具合を見て次の水やりをするようにします。
夏場は1日1回では足りない場合も多いので、水やりのタイミングが難しいばあいがありますが、鉢土をよく見てタイミングを見極めましょう。
夏場の暑い時期は蒸散量が多くなるため、必要な水分をしっかり枝先まで運べるよう根が元気な状態でいられることが夏越しの大切なポイントです。
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日差しが強すぎる場合は遮光するか、鉢を半日影に移動する
鉢植えブルーベリーの置き場所の気温が高すぎたり日差しが強すぎる場合は、日光が当たる時間が午前中のみになる場所や、軒下など日除けがある場所に鉢を移動して、温度や日光にあたる時間が短くなるようにします。
夏の西陽は暑すぎるのでなるべく避けるようにします。
遮光ネットで日光の量を調節するのもおすすめです。
この記事冒頭のブルーベリーの実の写真は、50%遮光ネット越しの光をうけています。
遮光ネットの下は日差しも温度も抑えられるので、植物にとってはかなり楽できる環境になります。
遮光ネットは20%とか50%というように、どのくらいの光を遮断できるか表示されているものもありますので、必要な分だけ遮光できるものを選びます。
遮光すると水やりの回数も少し間隔を空けられるようになりますので、人間も管理が楽になりますしおすすめです。
鉢カバーをして鉢土の温度をさげる
次の写真はブルーベリーの鉢植えの外側にもう一つ鉢を被せて鉢に直接日光が当たらないようにしています。
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単純に余っていた鉢にすっぽり入れただけですが、これだけで鉢土の温度上昇を防ぐことができます。
ここでは何もしないと鉢土の温度も日中はあっという間に上がってしまいます。
鉢植えの場合は量が限られた鉢土の温度が上がると植物にとってはダメージがありますので、なるべく鉢土の温度が上がらない工夫をします。
先ほど紹介した遮光でも効果があります。
この鉢は遮光と二重鉢にすることで1日2回必須だった水やりが、1日1回で十分な状態になりました。
小さな鉢や根量の少ない株は暑さの影響を受けて夏枯れしやすい
まだ苗が小さく、鉢が小さかったり根量が十分ではないものは、吸い上げられる水分量が少ないですし、鉢土の量が少ないために外気温の影響を受けやすく、あっという間に鉢土の水分がなくなってしまいます。
そのため、酷暑の夏越しをする場合、小さな苗は日影や室内の涼しい場所で休ませておくのがおすすめです。
ここではこれまでブルーベリーの鉢植えをいくつか枯らしていますが、全て夏の高温が絡んでの水切れ、あるいは根腐れが原因になっています。
忙しかったり、人間も暑くて体力を消耗してしまい十分な管理ができなそう!という時は、小さめのブルーベリーの鉢を早めに日影や室内に避難させておくのも夏枯れ予防策になります。
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夏枯れ予備軍のコロンバスは植え替えて室内管理中
根腐れ寸前だったコロンバスは一度鉢から抜いて軽く外側と底の土をほぐした後、鉢土を替えて、さらに鉢底石を入れたところに植え直しました。
地上部は強剪定して根の負担を減らし、株を回復させることに注力させています。
植え替えてから土と根の隙間がなくなるように1回だけ水をたっぷりやって、あとは根が水分を吸い上げるようになり、鉢土の表面が渇き始めるまで水やりをしません。
根が落ち着くまで室内で1、2週間様子をみてから外に戻します。
根腐れ予備軍ケアが間に合って元気になってくれるといいのですが。