バラの種類が分からない、バラの種類が多すぎて育ててみたいけどどの種類のバラを買えばいいのか分からない、そう思ったことがある方は多いはず。
それもそのはずで栽培されているバラは何万種類もあり、毎年新品種が開発され、逆に栽培されなくなっていく品種もあるので、その正確な数は実際のところよくわかりません。
バラを育てるために、バラの種類の特徴を知って、自分にあったバラを選べる様に、バラの種類について紹介します。
目次
バラの種類①原種
バラの種類には、まず人の手の加えられていないバラの原種があります。
日本にもノイバラなどが自生していますが、人の手を加えられていない野生のばらのことです。
北海道の花として知られるハマナスも日本に自生するバラの原種なのをご存知でしょうか。
バラの精油をとるダマスクローズ(Rosa damascena)もバラの原種です。
バラの種類②オールドローズ
原種のバラを交配して作られた園芸品種のうち、1876年にフランスで作られたラ・フランスというバラの品種があり、これよりも前のバラはオールドローズと呼ばれます。
オールドローズにはバラの原種を含めたり含めなかったりする様です。
特徴としては一季咲のものが多いです。
バラの種類③モダンローズ
ラ・フランス以降に作出されたバラの種類はモダンローズと呼ばれています。
オールドローズに四季咲きや房咲きの性質や花色の美しさを取り込んだ、華やかなバラです。
今日よく聞くハイブリッドティーやフロリバンダ、イングリッシュローズなどはモダンローズになります。
モダンローズが出来た当初、ハイブリッドティー系統には黄色いバラは存在せず、1900年代前半になってから今のハイブリッドティー系統の黄色いバラの親にあたる品種が開発されました。
今を生きる私たちにとっての青バラみたいですね。
ちなみに、青バラはまだ完全にブルーのバラは開発されておらず、ブルーローズといわれるバラでも紫色や淡い藤色の花になります。
ここまではバラの品種改良の時代的な背景で分類されたバラの種類になりますが、バラの形態上の分類はまた異なるものになるので、以下に代表的なものを紹介します。
バラの種類④木立性一輪咲(ハイブリッドティー)
ハイブリットティー系統は四季咲き、木立性で1本の茎に1つの花が咲きます。
切りバラ用の品種はほとんどがハイブリッドティーになります。
1本の茎に花は1つしかつかないので、大輪系の花が咲くものが多いです。
バラの種類④木立性房咲き(フロリバンダ)
フロリバンダ系統はハイブリッドティーと同じく四季咲き、木立性ですが1本の茎にバラの花が複数、房状に咲きます。
花は中輪系になります。
スプレーバラと言われているのはこのフロリバンダ系で、1本の茎にバラの花がたくさん咲き、こんもりと華やかな見た目で人気があります。
品種改良も進み、花の大きさも大きなものが出てきており、ますます豪華な感じになってきました。
バラの種類④つる性(つるバラ)
バラにはつる性でフェンスやトレリスに這わせてたくさんの花を咲かせるタイプのものがあります。
同じつる性のバラの中にもハイブリッドティータイプのもの、フロリバンダタイプのもの、また半つる性のものがあります。
つるバラはクライミングローズ、半つる性のバラはシュラブローズと呼ばれています。
つるを誘引することで形を自由に作れるのが魅力のバラです。
バラの種類⑤矮性(ミニバラ、ミニチュアローズ)
矮性、つまり草丈があまり大きくならない、小さなバラです。
ミニチュアローズ専門の育成家もいるくらい人気があり、鉢植えなどでも栽培しやすいバラです。
ミニチュアと言っても樹高が30cmくらいなど、また低くても花径が10cm近くにもなるものもあり、花色も豊富です。
鉢植えやプランター への植栽に適したバラですので、バラ栽培初心者の方には特におすすめです。
Balcofarmのおすすめミニバラはデンマーク Roses Forever社のラブリーモアです。
日本でも代理店の取り扱いがあり、通販でも入手しやすいバラです。
優しいピンクのグラデーションの花がしなだれながらよく咲き、そのしなだれぐあいも美しくとても丈夫です。
つるバラで王道と言われているピエールドゥロンサールを彷彿とさせる、と言われる種類のバラで、根強い人気がありおすすめです。
「ラブリーモア」で検索するとRoses Forever社のミニバラを扱うショップの情報が出てくると思います。
ミニチュアローズの中にも一輪咲き、房咲き、つる性の性質のバラがありますから、ご自分に合ったものを探されてみてはいかがでしょうか。
バラの種類⑥花の形による種類
バラの花には様々な形があります。
オーソドックスな、代表的なものをいくつか紹介すると以下の様になります。
高芯剣弁咲き:
バラの花の中心が高く、花びらが外側に反り返ることで尖った剣の先の様に見える伝統的なバラの花の形です。
丸弁カップ咲き:
花びらがそりかえらず、丸みを帯びた盃状に花が咲きます。
ロゼット咲き:
花弁の枚数が多くぎっしりと巻きが詰まっているもの。
ボリューム感があり見た目も豪華なので、最近特に人気のあるバラの花の形です。
スプレー咲き(房咲き):
以前のスプレーバラは花が小さなものが多かったですが、近年はこの様に花弁の枚数も多く花輪の大きな種類も多く出てきており、つるバラタイプでこの様な豪華なバラをフェンスに這わせると、満開を迎えた時、本当に素晴らしい景観です。
変わり咲き:
ここまでスタンダードな花の形を紹介しましたが、最近は花びらの形が特徴的な変わり咲きのバラも沢山あります。
中には一見バラの花に見えない様なものもありますが、そのくらい特徴が際立っているとラベルがどこかに行ってしまってバラの種類が分からなくなってしまったものでも花を見て品種を特定しやすいですね。
バラの種類がわからない時は
自分で育てているバラの種類がわからない、あるいはラベルが取れて、わからなくなってしまったということはよくあることです。
残念ながら、バラの種類は何万種類もあるので、品種のわからないバラはよほどはっきりした個性がない限り、一から品種を特定することは難しいかもしれません。
入手した時の情報や、経緯が詳しくわかれば、条件によっては品種名が判明することもあるかもしれませんが。
そんな時、ご自分のバラの特徴を説明するには、上記のような樹形や、花の形、色、そしてここでは紹介していませんが、香りの有無、強弱や香りの特徴を伝えることで、種類が分からないバラのことでも、どんなバラなのかを理解してもらいやすいと思います。
バラの香りの種類については別記事で紹介していますので、この記事の最後にリンクを載せておきます。
後悔しない種類のバラを選ぶために
バラの種類の分類についてはここまでに代表的なものを紹介しました。
これに加えて花色、そして香りも豊富なバラ。
色は単色、グラデーション、絞り咲きなどがあり、例えばピンク1つ取っても様々なニュアンスのピンクがあります。
バラの花の咲き始めから少しずつ色が変わっていく種類もあり、本当にバラの花色は無限と言ってもよいかもしれません。
香りは香水になるダマスクローズの香りのほか、紅茶の様なティー系の香り、フルーツの様な香りなど、バラの香りのよさは今更言わずもがなですね。
そのほか、樹形や花数、色や花の形の組み合わせの他にも茎の太さや柔らかさによっても風合いは変わってきます。
バラの樹形や花の咲き方によって、必要なスペースやお手入れも少し違ってきますので、最初にしっかりそれらの特徴を踏まえてご自分が育てるバラの種類をよくよく吟味することをお勧めします。
じっくり育てて花が咲いたときに、このバラを育ててよかった!と思えるように、ぜひご自分の環境や好みに合った種類のバラが見つかりますように。
バラの花は挿し木することで苗を育てることも出来ますので、そのやり方を以下の記事で紹介しています。
切りバラの花から挿し木してみるのもおすすめです。
それからバラの香りの種類についての記事も紹介しておきます。